サボテン
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サボテン | ||||||||||
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英名 | ||||||||||
Cactus |
サボテン / シャボテン(仙人掌、覇王樹)とはサボテン科に属する植物の総称で、多くの多肉植物を含む。サボテン科以外の多肉植物を俗にサボテンと呼ぶ事があるがこれは誤りである。南北アメリカ大陸及び周辺島嶼(アメリカ州)の乾燥地でみられる種が多いが、中南米熱帯の森林地帯で樹木や岩石上に着生して育つ種や高山に生える種もある。しばしばサボテンは暑い気候を好むものばかりであると誤解されることがあるが、その分布域の気候は様々であり、低温に弱いものもあれば、氷点下になっても生存できるものもある。
花弁中に含有される色素は、通常の植物がアントシアン系のアントシアニジンやペチュニジンなどであるのに対し、サボテン科ではベタレイン系色素であり、化学分類上マツバボタン(スベリヒユ科)などと類縁関係があるとされている。
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[編集] 形態
サボテンの形態は様々であるが、一般的に茎は筒または球型、葉が針状もしくは退化している。全ての種が一種の短枝である刺座と呼ぶ器官を持つ。基本的に腋芽には刺座が形成され、多くの場合そこにスポット状に葉の変化した刺が密生する。またしばしば刺座は綿毛で覆われる。根は主根が深く伸びる主根系のものが多く、中には主根が芋の様に肥大するものもあるが、主根が発達しないひげ根系のものもある。貯水組織が発達し、耐乾性に優れているものが多い。
サボテンのもっとも原始的な形のグループは木の葉サボテンと呼ばれ、長枝につく葉は刺状にならず、木の葉らしい形を維持している。一見サボテンに見えない形をしているが、刺座が存在するのでサボテンの仲間とわかる。こうした形の祖先からより多肉植物として特殊化し、長枝の葉が鱗状に退化したウチワサボテン、さらに針状に変化していない葉を全くつけない柱サボテンという順番に出現したと考えられる。球形のサボテンは柱サボテンの太くて短いものであると見なせる。
[編集] 栽培
誤解が多い植物。 「サボテンは砂漠に生えているので、水を遣らなくて良い。」又は「サボテンは花が咲かない。」等、多くの人々に誤解されている。森林性サボテン(木の葉サボテン)を除く多くのサボテンが乾燥地帯に自生しているが、サボテンの自生する地域は乾季と雨季がはっきりしているだけで、サボテンは水が大好きな植物である。種類によって成長する環境が異なったり、他の植物と比べ成長が遅いため、一般の植物と同様に潅水すると「水分過剰」で腐死することが多い。開花については、育成環境(温度、湿度、光量、潅水)が悪いと開花しないし、開花年齢に達していないために開花しないことから誤解されるが、適切な管理を行えば花を咲かせる。サボテンの代表品種「金鯱(きんしゃち)」は開花するまで30年前後かかるため、市中の花卉店で購入した場合には花を見るまでに相当の時間を要する。
熱狂的なマニアが多い植物。 刺を楽しむ品種(エキノカクタス属他)、花を楽しむ品種(マミラリア属他)や交配によって改良種を作出して楽しむ品種(有星類:兜、ランポー類他)など栽培は個々人の趣味・嗜好により更に細分化されるため、特定品種を栽培する「名人」が品種毎に存在する。全国各地にサボテンマニアの同好会が多数存在している。
[編集] 繁殖
[編集] 種子繁殖
種子繁殖は一度に大量の苗が得られること、様々な個体変異が生じる可能性があることなどから試みられることが多い。 サボテンは自家不和合性(同一個体の花粉が柱頭に受粉しても結実しない)の種類が多く、結実させるためには同種の別個体の花粉を授粉する必要がある。 果実や種子の大きさや形は種類によってかなり異なる。果実は緑色から赤色に熟すものが多く、種子は通常黒色である。
採種するためには熟した果実をガーゼなどで包み、水中で押しつぶすようにして洗うとよい。ただし、ウチワサボテンのように果実に刺を有している場合には注意が必要である。 ガーゼに残った種子は紙の上などで乾燥後播種するとよい。播種はポットに清潔な用土を満たし、充分灌水した後に行うとよい。微細な種子は播種後に覆土(土をかぶせること)する必要はないが、発芽するまでは絶対に乾燥させないよう腰水(底面吸水)灌水を行う。播種後に鉢の表面を紙で覆い、さらにガラス板などで覆うとよい。
発芽後は直ちに紙を取り除き、ガラス板の覆いを少しずつあけていくとよい
[編集] 栄養繁殖
- 挿し木:
枝や吹いた仔を切り取って挿し木する。
- 接ぎ木:
コノハサボテン、ハシラサボテン、ウチワサボテンなどを台木として用いることが多い。
[編集] 食用
紐サボテン属の果実(ドラゴンフルーツ)やウチワサボテン属の果実(トゥナ Tuna)は主に中南米で食用とされる。ウチワサボテン属はイスラエルやタイなどで果樹として栽培もされている。若い茎節(ノパル Nopal)はメキシコ料理において野菜として扱われる。
[編集] サボテンの主な属
- アリオカルプス属(Ariocarpus)
- アストロフィツム属(Astrophytum):ランポウギョク
- アズテキウム属(Aztekium)
- コピアポア属(Copiapoa)
- コリファンタ属(Coryphantha)
- ディスコカクタス属(Discocactus)
- エキノカクタス属(Echinocactus):キンシャチ(金鯱)
- エキノセレウス属(Echinocereus)
- エキノマスタス属(Echinomastus)
- エピフィラム属:Epiphyllum:ゲッカビジン(月下美人)
- エキノプシス属(Echinopsis):タンゲマル(短毛丸)
- エピテランタ属(Epithelantha)
- エリオシケ属(Eriosyce)
- エスコバリア属(Escobaria)
- フェロカクタス属(Ferocactus)
- フライレア属(Frailea)
- ゲオヒントニア属(Geohintonia)
- ギムノカクタス属(Gymnocactus)
- ギムノカリキウム属(Gymnocalycium)
- ロビヴィア属(Lobivia):
- ロフォフォラ属(Lophophora):ウバタマ(烏羽玉)、(ペヨーテ)
- ネオロイディア属(Neolloydia)
- ネオポルテリア属(Neoporteria)
- ノトカクタス属(Notocactus)
- オブレゴニア属(Obregonia)
- オプンティア属(Opuntia)(ウチワサボテン属):ウチワサボテン
- オルテゴカクタス属(Ortegocactus)
- パロディア属(Parodia)
- ペレキフォラ属(Pelecyphora)
- レブティア属(Rebutia)
- シュルンベルゲラ属(Schlumbergera)(=ジゴカクタス属(Zygocactus)):シャコバサボテン(クリスマスカクタス)
- スクレロカクタス属(Sclerocactus)
- ストロンボカクタス属(Strombocactus)
- スルコレブティア属(Sulcorebutia)
- ステノカクタス属(Stenocactus)
- テロカクタス属(Thelocactus)
- ツルビニカルプス属(Turbinicarpus)
- ユーベルマニア属(Ubermannia)
- ウタヒア属(Utahia)
- ウェンガルチア属(Weingartia)
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