ゲームギア
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ゲームギア (GAME GEAR) は、セガが1990年10月6日に発売した携帯型ゲーム機。発売時の価格は19,800円。
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[編集] 概要
ゲーム機としてのハードウェア性能は、解像度が低い事と発色数が多い事以外は同社のセガ・マークIIIと概ね同等で、オプションのTVチューナーパックを使用することで携帯テレビとして使用可能であることもセールスポイントだった。
[編集] 仕様
- CPU…Z80A (3.58MHz)
- RAM…8KB
- VRAM…16KB
- スプライト…8 x 8ドット、最大64個
- 液晶…バックライト付き 3.2インチ STNカラー液晶
- 画面解像度…160 x 146ドット
- 同時表示色数…4096色中32色(ゲーム時)/ 4096色(テレビ時)
- サウンド機能…PSG 3ch + ノイズ 1ch
- 拡張端子…1個 対戦ケーブル取り付け可
- ROMカートリッジスロット…1個
- 使用電源…単3アルカリ乾電池(6本)、ACアダプタ、充電池等
- 連続使用時間…約3~4時間(アルカリ乾電池使用時)
- 外形寸法…幅 210mm × 高さ 113mm × 厚さ 39mm
[編集] その他
発売当時、市場で先行していた任天堂のゲームボーイに対抗して、カラー液晶を採用し、テレビCMではイッセー尾形が「君のは白黒?」と語る間接的な比較広告が話題となった。
カラー液晶は魅力的ではあったものの、当時のカラー液晶には消費電力の大きいバックライトが必須であったため、
- 携帯型ゲーム機として重要な連続稼働時間が短くなる
- 電池を大量に搭載するため本体のサイズが大きくなる
- 液晶自体のコストが高く、本体価格も高くなってしまう
といったデメリットがあった。また、STN液晶のためバックライトつきにもかかわらず発色はいまいちであり、アクションゲームでは残像が発生してプレイしづらかった。当初「コラムス」などを発売したが、これらの理由により、幅広いユーザーの支持は得られなかった。
市場が沈みかけた矢先に、ヒットした「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や「ぷよぷよ」の移植などで持ち直したほか、カラー液晶を搭載した携帯型ゲーム機が他にはなかったことから(ゲームボーイカラーが登場したのは1998年)、普及台数の割には長期間といえる1996年12月まで、新作ゲームの供給は続けられた。1996年3月以降はHE事業部からトイ事業部に移管し、機器名称をキッズギア (KID'S GEAR) に変更。アニメ版バーチャファイターのキャラクターを配した本体や、ドラえもん、怪盗 セイント・テールなどのキャラクターゲームを発売するなど低年齢層に焦点を当てた販売戦略を取った。
しかし当時、携帯ゲーム機業界自体が低迷していたこともあり(ポケットモンスターの爆発的人気により、携帯ゲーム業界が息を吹き返すのは1997年前後のこと)、ゲームギア自身の後継機は登場しなかった(一応、海外ではノマドという名で携帯機版メガドライブが発売されている。en:Sega Nomadを参照されたい)。
[編集] オプション
- TVチュナーパック - アンテナ、ビデオ入力端子付き。発売時期により二種類あり、後期型はオートチューナー。
- バッテリーパック
- パワーバッテリー - バッテリーパックの形状を本体に装着できるように変え、充電を高速化し、充電しながらプレイ可能にしたもの。容量は同じ。
- カーアダプタ・カーアダプタII
- 対戦ケーブル
- ビッグウインドー、ビッグウインドーII - 拡大鏡。IIは画面の周囲を覆うため、屋外でのプレイ時に反射防止用としても役立った。
[編集] マスターシステム変換アダプタ
ROMカートリッジコネクタの変換アダプタを使用することでマークIII専用ゲームをプレイすることが可能であった。
この変換アダプタ(マスターギアコンバーター)は海外ではセガ非公認ながらも一般販売されたが日本国内では販売されず、海外販売品を輸入したもの(日本版ソフトは動作不可)や、日本版のソフトが動作するよう改造されたものが秋葉原などで流通していた。
[編集] ゲーム
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
家庭用ゲーム機(セガ) | |
据え置き型 : | SG-1000(ソフト) - セガ・マークIII(ソフト) - メガドライブ(ソフト) - セガサターン(ソフト) - ドリームキャスト(ソフト) |
携帯型 : | ゲームギア(ソフト) |
その他 : | キッズコンピュータ・ピコ |
周辺機器 : | メガCD - メガアダプタ - スーパー32X |