オールトの雲
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オールトの雲(オールトのくも)とは、長周期彗星の起源として、太陽系の外縁を取り囲むように、水・一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどの氷や、岩石といったものを主成分とする天体が多数存在していると考えるもので、学説によりばらつきはあるが概ね太陽から1万天文単位もしくは10万天文単位(1.58光年)の間に球状に広がっているとされる。オランダの天文学者であるヤン・オールトが1950年に最初に提唱したことからその名がついた。未だ直接観測された訳ではなく仮説の域を出ないが、矛盾する証拠も現在のところ特に無い。
オールトの雲の質量の合計は、少なくとも木星の質量以上はあり、太陽を除く太陽系の全質量のかなりの部分を占めると考えられている。その起源にはいくつかの説があるが、元々木星から海王星までの外惑星周辺にあったこれらの物質が、外惑星の重力のために外へ弾き出され、太陽の重力圏の境界付近に留まったものとする説が最も有力である。この説によると、元々海王星の軌道の外側にあった物質は、エッジワース・カイパーベルトの天体として今もそのまま残っている、ということになる。
なお、パロマー山天文台で2003年に発見されたセドナはオールトの雲に属する最初の天体であるとする説があったが、その後の観測で遠日点が最大でも924天文単位であることがわかったため、オールトの雲は1万天文単位よりずっと内側まで広がっている(内オールトの雲という)とする説と、セドナはオールトの雲の天体ではない、とする説とが対立している。
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