アメダス

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アメダス（AMeDAS , Automated Meteorological Data Acquisition System）とは、気象庁の「地域気象観測システム」の通称である。

アメダス

愛・地球博会場に設置されていた万博アメダス（気象庁が設置するものとは異なる）

概ね100km間隔に配置された気象官署と気象レーダー、そして気象通報所しかなかった当時に、日本国内で発生する大雨や突風、大雪などの気象状況をきめ細かく、より迅速に把握するために開発された気象観測システムで、おもに降水量、気温、日照時間、風向・風速の4つの気象要素と、寒冷地において積雪深を1時間毎に24時間観測している。観測で得られたデータはISDN回線などを通じて気象庁内の地域気象観測センター（通称、アメダスセンター）に集信され、データの品質チェックを経たのち全国に配信される。

運用開始は1974年（昭和49年）11月1日。1979年3月に一応の完成を見る（1316地点）。積雪深計は1977年 12月1日から秋田県内で試験運用が始まり、1979年 11月1日に正式運用開始。1993年2月には10分おきの臨時配信が開始され、2004年現在では第4世代のアメダスが運用されている。

観測網の密度は降水量が17km、4要素の観測点は20kmで概ねメソβスケールの現象を捉えることができ、都府県レベルの気象現象の把握に効果を発揮しているが、近年は局地的な集中豪雨や雷、突風などより狭い範囲の現象把握に対する需要が高まっている。

また、通常の観測網とは別に、地震や火山噴火などで大規模な災害が発生し、地盤の緩みや火山噴出物の堆積など通常よりも弱い気象現象で二次災害が発生する危険性が長期的に継続する場合、アメダスの臨時観測点が設けられることがある。過去には雲仙普賢岳や兵庫県南部地震、2000年の有珠山の噴火で運用され、2004年7月現在、三宅島で臨時観測点が3ヶ所運用されている。

[編集] 観測している気象要素

[編集] 降水量

0.5mm単位で観測。
雪・あられ等は、融かせる仕組みになっている。

[編集] 気温

（摂氏）0.1℃単位で観測。

[編集] 日照時間

太陽が照らした時間を、0.1時間（6分）単位で観測。

[編集] 風向

風の吹いてくる方向を、北、北北東、北東、東北東、東、東南東、南東、南南東、南、南南西、南西、西南西、西、西北西、北西、北北西の16方位で表す。
発表されている値は、観測前10分間の平均値。

[編集] 風速

風の速さを1m/s単位で表す。
発表されている値は、観測前10分間の平均値。

[編集] 積雪

積もっている雪の地面からの高さを1cm単位で観測。
おもに、雪の多い地域で観測。

[編集] 設置数

降水量を観測－ 1307カ所
積雪を観測－ 285カ所
降水量・気温・日照時間・風向・風速を観測－ 838カ所

なお、管区別のアメダスの設置数を下表にまとめた。

**表1－アメダスの設置数（管区別）**
管区気象台名	管理地域	A	B	C	D	E	F	G	H	計
札幌管区気象台	北海道	60	100	－	52	8	1	－	－	221
仙台管区気象台	東北地方	70	75	－	76	2	－	－	－	223
東京管区気象台	関東地方、中部地方（三重県を含む）	169	66	4	141	3	1	2	2	388
大阪管区気象台	近畿地方（三重県を除く）、中国地方（山口県を除く）、四国地方	134	26	1	103	4	－	－	－	268
福岡管区気象台	九州地方（沖縄県を除く）、山口県	119	1	5	61	－	－	－	－	186
沖縄気象台	沖縄県	18	－	－	7	－	－	－	－	25
計		570	268	10	440	17	2	2	2	1311

注）表中のA～Hは次の気象要素を観測しているアメダスを指す。
（○は観測可、－は観測不可）

表2－表1の記号の説明
観測している気象要素	A	B	C	D	E	F	G	H
気温	○	○	○	－	－	－	－	○
降水量	○	○	○	○	○	－	○	－
日照時間	○	○	－	－	－	－	－	－
風向	○	○	○	－	－	－	○	○
風速	○	○	○	－	－	－	○	○
積雪	－	○	－	－	○	○	－	－