アウストラロピテクス属
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アウストラロピテクス属 Australopithecus |
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分類 | ||||||||||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||||||||||
Formerly Australopethicines:
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アウストラロピテクス属は、哺乳類サル目ヒト科の生物分類項のひとつ。
南アフリカに住んでいた解剖学者、レイモンド・ダート(Raymond Dart)が、1924年11月、スタークフォーテンの洞窟で人間とも猿ともつかない動物の頭蓋骨を発見し、前かがみ気味に直立二足歩行していた人類の祖先のものであると考えて、「南(Australo)の猿(pithecus)」という意味のラテン語学名「アウストラロピテクス・アフリカヌス(Australopithecus africanus)」を名づけて1925年に学術雑誌『ネイチャー』に発表したことが発見の経緯とされる。後に発見されたそれに類するサル目ヒト科の化石がアウストラロピテクス属のものとされ、現世人類へ至る進化の過程において猿人として位置づけられている。
アフリカで生まれた最初期の人類とされ、約600万年前に、サルと共通祖先から分岐したと考えられている。
540万年から150万年前に存在したと考えられている、いわゆる華奢型の猿人で、以前は頑丈型の猿人もアウストラロピテクス属に含めていたが、最近ではパラントロプス属に分類することが多い。
身長は1.2~1.4mで、脳容積は現生人類の約35%の500cc程度であり、チンパンジーと殆ど変わらないが、二足歩行で直立して歩く能力を持ち、姿形は直立したチンパンジーというイメージである。
また、石器はほとんど作っていないと考えられているが、最後期の種(A.garhi)では原始的な石器を使っていたと考えられている。
[編集] 研究史
- 1924年 レイモンド・ダートが南アフリカでアウストラロピテクス・アフリカヌスの化石を発見。
- 1974年11月24日、エチオピアのアファール窪地で、A.アファレンシスの有名な個体「ルーシー」が発見される。「ルーシー」という名前はビートルズの楽曲『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』に因んで付けられた。
- 2000年12月にエチオピアの北東部で、約330万年前と思われるA.アファレンシスの約3歳の女児のほぼ完全な頭骨を含む全身化石が発見され、2006年9月に公表された。愛称は「ルーシーの赤ちゃん」
[編集] 進化上の位置付け
もっとも古い人類の祖先と考えられている。440~390万年前にA.アナメンシスが、390~300万年前にA.アファレンシスが現れ、330~240万年前にA.アフリカヌスに進化した。この属からパラントロプス属と最古のホモ属の種であるホモ・ハビリスが進化したと考えられている。