美浜町 (福井県)
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美浜町(みはまちょう)は、福井県南西部、若狭地方東部にある町。日本海に面する。
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[編集] 概要
1954年2月11日に、北西郷村、南西郷村、耳村、山東村の四村が合併して誕生した。町名は弥美(みみ)の「美」と砂浜の「浜」を合成している。かつては三方町とともに三方郡を構成していたが、三方町が遠敷郡上中町と合併して若狭町となり、その際に「三方上中郡」を作ったため、現在では三方郡唯一の自治体である。
若狭では最も東端に位置しているほか、町の観光PRとして「若狭美浜」という表現を用いることが多い。町の観光キャラクターは「漁師の浜さん」「ふぐの美ちゃん」「へしこちゃん」。
[編集] 地理・交通
海の背後に山がそびえる地形。若狭湾のリアス式海岸の一部を成し、東側に敦賀半島、西側に常神半島があり、その湾を覆うように町域がある。滋賀県との県境にある山々は800m級と比較的低い山々である。また、ハイキング感覚で登山できる山である。若狭町との境界には三方五湖がある。
東西を国道27号線が貫く。山東地区では美浜東バイパスの整備も進み、若狭路博にあわせて2003年9月に一部の供用が始まっている。南側は林道によって滋賀県高島市(旧マキノ町・今津町)に抜けることができるが、未整備の部分が多い。
敦賀方面へのルートは、縄間回り・27号線バイパス旗護山トンネル・旧27号線関峠の3ルートが存在する。若狭町(旧三方町)への主なルートは国道27号線と若狭梅街道(農道)、有料道路の三方五湖レインボーラインである。
鉄道はJR小浜線が東西を走る。町内の駅は太田の東美浜駅、松原の美浜駅である。
[編集] 集落
- 北…日向・笹田・早瀬
- 南…久々子・松原・郷市・金山・大薮・気山・矢筈
- 耳…和田・木野・佐柿・河原市・南市・栄・興道寺・佐野・上野・野口・雲谷・麻生・中寺・宮代・五十谷・安江・寄戸・新庄
- 東…坂尻・山上・佐田・太田・けやき台・北田・菅浜・竹波・丹生
[編集] 町民指標
- 自然を愛し清潔で美しい町を作りましょう
- きまりを守り健康で明るい町を作りましょう
- 勤労をとうとび活力ある豊かな町を作りましょう
- 教養を高め未来をひらく文化の町を作りましょう
- いつも笑顔であいさつし心のふれあう住みよい町を作りましょう
[編集] 町発足後の主な動き
- 1954年(昭和29年)2月11日 三方郡北西郷村・南西郷村・耳村・山東村が合併し町制施行。
- 1962年(昭和37年)9月25日 関西電力が、敦賀半島の原子炉設置2地点のうち、美浜側を日本原電から譲りうけて原発の建設を行うと発表。
- 1966年(昭和41年)12月1日 佐藤榮作総理大臣(当時)、関西電力美浜原子力発電所設置を許可。
- 1967年(昭和42年)8月21日 関西電力美浜原子力発電所1号機(以下、美浜1号機)の建設工事着工。
- 1968年(昭和43年)5月20日 三方五湖レインボーライン開通。
- 1968年(昭和43年)12月19日 関西電力美浜原子力発電所2号機(以下、美浜2号機)の建設工事着工。
- 1969年(昭和44年)4月1日 三方町気山(現若狭町)に福井県立美方高等学校が開校。
- 1970年(昭和45年)7月29日 美浜1号機臨界。
- 1970年(昭和45年)8月15日 町が関西電力に対し、美浜原子力発電所3号機(以下、美浜3号機)の増設を要請。
- 1970年(昭和45年)11月28日 美浜1号機(出力34.0万kw)の営業運転開始。
- 1972年(昭和47年)6月14日 美浜1号機で蒸気発生器の細管損傷による放射能漏洩事故発生。
- 1972年(昭和47年)7月25日 美浜2号機(出力50.0万kw)の営業運転開始。
- 1972年(昭和47年)7月31日 美浜3号機の建設工事着工(1976年12月完了)。
- 1974年(昭和49年)2月 丹生でアオノリの養殖に成功。
- 1976年(昭和51年)12月1日 美浜3号機(出力82.6万kw)営業運転開始。
- 1976年(昭和51年)12月7日 美浜1号機の燃料棒折損事故発覚。
- 1977年(昭和52年)4月 河原市の耳中学校跡地に中央公民館開設。
- 1980年(昭和55年)12月12日 日向の綱引き行事が国選択無形民俗文化財に指定。
- 1981年(昭和56年)11月1日 障害者勤労施設「はこべの家」が河原市に開所。
- 1982年(昭和57年)5月1日 町議会、動燃の高速増殖炉「もんじゅ」建設に同意。
- 1982年(昭和57年)12月2日 第2回県原子力防災訓練実施。
- 1985年(昭和60年)3月2日 敦賀市白木トンネル開通。
- 1988年(昭和63年)1月22日 県と町が関西電力に対し、美浜1号機でのプルサーマル計画少数体試験を了承。
- 1988年(昭和63年)6月18日 第一回美浜五木マラソン開催。(第5回より「美浜五木ひろしマラソン」に改称)
- 1988年(昭和63年)8月10日 石門郷(台湾)と姉妹都市提携調印。
- 1989年(平成元年)8月25日 第3回県原子力防災訓練実施。
- 1990年(平成2年)3月31日~4月2日 第1回美浜町国際野外彫刻ビエンナーレ開催。
- 1990年(平成2年)10月28日 松原の海岸に木造小型船漂着。船内から2遺体と乱数表、換字表、ゴムボート等を発見。
- 1991年(平成3年)2月9日 美浜2号機で蒸気発生器細管破断事故発生。緊急炉心冷却装置が作動。
- 1991年(平成3年)5月18日 敦賀市白木に高速増殖炉「もんじゅ」が完成。
- 1991年(平成3年)6月6日 通産省・資源エネルギー庁、美浜2号機蒸気発生器細管破断事故の原因を“振れ止め金具の装着ミス”と断定。
- 1991年(平成3年)10月31日 丹生湾に海洋牧場完成。
- 1993年(平成5年)4月15日 国道27号金山バイパスが佐田までの全線で開通。
- 1993年(平成5年)7月7日 美浜2号機の蒸気発生器取替工事開始。
- 1994年(平成6年)7月7日 美浜2号機の蒸気発生器交換完了。
- 1994年(平成6年)10月13日 美浜2号機、営業運転再開。
- 1994年(平成6年)12月 町役場新庁舎・敦賀美方消防組合敦賀消防署美浜分署(現・美浜消防署)新庁舎が完成。
- 1995年(平成7年)2月17日 高速増殖炉「もんじゅ」試験運転開始。
- 1995年(平成7年)12月8日 「もんじゅ」二次系ナトリウム漏洩・火災事故。
- 1997年(平成9年)1月 ロシアのタンカー「ナホトカ号」の重油流出。漂着量は福井県内では三国町(現坂井市)に次ぐ量。
- 1998年(平成10年)4月 町保健福祉センター「はあとぴあ」開所。
- 1998年(平成10年)8月14日 集中豪雨発生。町内の最大雨量が一時間当たり93mmに達する。町内各地で土砂崩れなどの被害。
- 1999年(平成11年)3月 郷市の町役場跡地に関西電力若狭支社社屋が落成、移転。
- 2000年(平成12年) 町内でケーブルテレビの工事始まる。工事完了世帯からサービス放送開始。
- 2001年(平成13年)2月 美方ケーブルネットワーク開局。有線放送終了。
- 2002年(平成14年)3月30日 町内では初めて、住民が参加した原子力防災訓練を実施。
- 2003年(平成15年)3月15日 JR小浜線電化開業。
- 2003年(平成15年)4月 「若狭路博2003~水と炎の千年祭」が開幕。
- 2003年(平成15年)9月13日 美浜東バイパスが佐田~山上間で暫定開通。
- 2003年(平成15年)9月14日 若狭路博2003メインイベント開幕(10月13日閉幕)。
- 2003年(平成15年)11月9日 美浜町産業祭を最後に若狭路博2003全ての連携イベントが終了し、閉幕。
- 2004年(平成16年)2月11日 町制施行50周年記念式典開催。
- 2004年(平成16年)8月9日 美浜3号機で二次冷却水の蒸気漏れ発生。11人死傷。
- 2005年(平成17年)3月 町内を横断するコミュニティバス「ブルースカイ」の運行を開始。
- 2005年(平成17年)7月25日 美浜3号機の事故を受け、関西電力が郷市に原子力事業本部を移転。
- 2005年(平成17年)8月13日 集中豪雨が発生。一時間の雨量が100mmに達する。一部集落で土砂崩れにより孤立状態に。
- 2005年(平成17年)11月8日 三方五湖がラムサール条約指定湿地になる。
- 2005年(平成17年)11月27日 国民保護法に基づく全国初の実動訓練を実施(主催は内閣官房、福井県、美浜町、敦賀市)。
- 2006年(平成18年)3月5日 任期満了に伴う町議会議員選挙を実施。最下位当選者二名の得票が同数のため、くじ引きで当選者を決定。
- 2006年(平成18年)10月1日 ブルースカイが耳地区、北西郷地区にも路線を開設。
[編集] 行政
[編集] 町長・議会等
- 町長:山口治太郎 任期は2003年3月7日から2007年3月6日まで
- 助役:正木伸武(美方ケーブルネットワーク社長)
- 収入役:木下光男
- 教育長:浅妻保
- 町議会議長:辻健一郎
- 町議会副議長:中村清一
- 議員定数は16名。任期は2006年3月15日から2010年3月14日まで。
[編集] 行政組織
- 総務課
- 情報公開室
- 市町村合併対策室
- 美浜町佐田出張所
- 企画課
- 原子力対策室
- 税務課
- 住民生活課
- 福祉保健課
- 保育所(九ヶ所)
- 児童館(郷市・佐柿)
- 診療所(丹生・東部)
- 保健福祉センター はあとぴあ
- 商工観光課
- 産業活性化対策室
- 農林水産課
- 生活改善センター(上野)
- 農村婦人の家(山上)
- 農業研修センター(河原市・興道寺)
- 農業担い手センター(木野・松原・寄積)
- 農業構造改善センター(菅浜)
- ゆうあいひろば
- 家畜診療所
- 土木開発課
- 地域開発対策室
- 舞鶴若狭自動車道整備対策室
- 隣保館(文化会館・小倉会館・久保会館)
- 建築管理課
- 水道課
- 美浜町浄化センター
- 出納室
- 議会事務局
- 教育委員会事務局
[編集] 公共施設
- 美浜町観光案内所(JR美浜駅構内・松原)
- 美浜町保健福祉センターはあとぴあ(郷市)
- 東部診療所(山上)
- 丹生診療所(丹生)
- 特別養護老人ホーム 湖岳の郷(金山)
- ゆうあいひろば(松原)
- 勤労者体育センター(旧西郷中学校体育館・久々子)
- 美浜町中央公民館(河原市)
- 美浜町総合運動公園(久々子)
- 美浜町総合体育館(久々子)
- 町立図書館(旧保健センター・河原市)
- レークセンター(早瀬)
- 美浜斎苑(和田)
- 美方ケーブルネットワーク(久々子)
- レイクヒルズ美方病院(旧国立療養所福井病院・若狭町気山)
- 一般廃棄物処理施設 エコクル美方(若狭町向笠)
- 県園芸試験場(金山)
- 県久々子湖ボートコース(久々子)
- 県立三方青年の家ボートハウス(笹田)
[編集] 育児・教育
[編集] 保育所
- 美浜町立日向保育所(日向)
- 美浜町立早瀬保育所(早瀬)
- 美浜町立南西郷保育所(久々子)
- 美浜町立耳保育所(河原市)
- 美浜町立西保育所(興道寺)
- 美浜町立新庄保育所(新庄)
- 美浜町立山東保育所(佐田)
- 美浜町立菅浜保育所(菅浜)
- 美浜町立丹生保育所(丹生)
- 2007年4月より4ヶ所に統合する。丹生保育所は再編の対象から外れる。再編と合わせて名称を「保育園」に改める。
- 日向・早瀬・南西郷
- 耳・西・新庄
- 東・菅浜
- 2007年4月より4ヶ所に統合する。丹生保育所は再編の対象から外れる。再編と合わせて名称を「保育園」に改める。
[編集] 幼稚園
※現在はいずれも休園中。
- 美浜町立矢筈幼稚園(金山)
- 美浜町立弥美幼稚園(河原市)
[編集] 小学校
- 美浜町立美浜北小学校(笹田)
- 美浜町立美浜南小学校(金山)
- 美浜町立弥美小学校(河原市)
- 美浜町立新庄小学校(新庄)
- 美浜町立美浜東小学校(佐田)
- 美浜町立菅浜小学校(菅浜)
- 美浜町立丹生小学校(丹生)
[編集] 中学校
- 美浜町立美浜中学校(麻生)
- 美浜町立美浜中学校丹生分校(丹生)
[編集] 県立学校
[編集] 生活
[編集] 郵便
- 美浜郵便局(郷市) ※管内:東地区以外…919-11XX
- 山東郵便局(佐田) ※管内:東地区…919-12XX
- 早瀬郵便局(早瀬)
- 南西郷郵便局(金山)
[編集] 電話
- 東地区以外…0770-32-XXXX
- 下記以外の東地区…0770-38-XXXX
- 東地区のうち丹生・竹波…0770-39-XXXX ※敦賀市白木含む
[編集] 金融機関
[編集] 警察
[編集] 電力
福井県のうち美浜町以西は、敦賀市などとは違って関西電力のサービスエリアになる。
- 関西電力原子力事業本部(郷市、旧若狭支社)
- 関西電力美浜営業所(郷市、原子力事業本部1階、京都支店の管轄下)
- ※一般に使用する電気に関する事柄は美浜営業所で取り扱う。
[編集] 上水道
[編集] 下水道
- 公共下水道
- 整備済-早瀬・笹田・久々子・矢筈・松原・気山・大藪・金山・久保・郷市・河原市・木野・栄・中寺・上野・興道寺
- 工事中-南市・麻生・野口・佐野
- 計画中-宮代・安江・五十谷・寄戸・小倉
- 農業集落排水処理施設(農林水産省所管)
- 整備済-和田・佐柿・坂尻・山上・太田・佐田・北田・竹波
- 着手済-新庄
- 漁業集落排水処理施設(水産庁所管)
- 整備済-日向・菅浜・丹生
[編集] 情報
- ケーブルテレビのMMネットが専ら利用される。
- 4チャンネルで放送される町の行政放送によって町民にお知らせが告知される。
- お悔やみ、集落ごとに告知される情報及び学校より放送される場合にはMMネット加入者宅に設置される音声告知機が用いられる。
- 2001年ごろから各集落ごとに防災無線が設置された。現在のところ2002年3月に実施された原子力防災訓練の他には目立って使用されていない。なお、無線の稼動状況を確認するために、毎日午前11時30分と午後5時に時報代わりの音楽を放送している。
[編集] 姉妹都市
[編集] 出身有名人
[編集] その他
- 関西電力の原子力発電所が立地することから電源立地特別交付金や固定資産税などが収入としてあるため、ここ最近は総合体育館や美浜中・東小に併設されたプールなど、よく似た施設があちこちにできている。また、このような施設の建設に対しては億単位の「匿名の寄付」があることも事実で、そういった動きを問題視する議員もいる。また、原子力発電所が立地する町として、企画課の中に「原子力対策室」が設けられている。原子力対策室では、原子力発電に関すること、原子力に係る安全対策に関すること、原子力に係る防災対策に関すること、の三点が業務に盛り込まれている。
- 町税の悪質な滞納者には、公共サービスの停止などの処分を実施したうえで、それでもなお納付しない物は氏名を公表するという厳しい態度で臨んでいる。これは悪質な滞納者が後を絶たないことからの「最終手段」である。
- 以前は愛知県の美浜町、和歌山県の美浜町、三重県の御浜町、京都府の久美浜町(京丹後市)と連携していたが、市町村合併の影響で希薄になりつつある。
- 郷土料理として鯖のへしこが有名なほか、冬は特産のフグを前面に押し出したキャンペーンを展開している。
- 市町村合併については、現在町として合併に動いている段階ではないが、嶺南地方でひとつの自治体が形成できぬかと、勉強会を行って模索をしている。
- 町のスポーツはレガッタが盛ん。国体をきっかけに久々子湖には県の漕艇場が整備された。美浜中学校・美方高校にそれぞれ漕艇部があるほか、毎年10月には町民レガッタが開催され、町内の有志がクルーを組んで大会に参加している。
- 2004年7月23日、福井大学と「相互友好協力協定」を締結した。産業、文化、教育、学術の分野で協力し、相互発展につなげる目的である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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