リアス式海岸
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リアス式海岸(りあすしきかいがん)は、沈水海岸の1つ。リアス海岸ともいう。
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[編集] 特徴
谷が沈水してできた入り江を溺れ谷(おぼれだに, drowned valley)という。もともと海岸線に対して垂直方向に伸び、河川に浸食されてできた開析谷が溺れ谷になり、それが連続して鋸の歯のようにギザギザに連なっているような地形をリアス式海岸という。海岸線に対して平行な開析谷が沈水した場合はダルマチア式海岸と呼ばれる。海岸線に直角な隆伏の激しい地形が沈水するとリアス式海岸になり、さらに沈水が進むと多島海になる。元々、これらの沈水は谷の周辺の沈降によって起きたと考えられていたが、気候変動などの研究が進み最終氷期が終わったことによる世界的な海水面の上昇によるものと考えられるようになった。
リアス式海岸の鋸の歯のように複雑に入り組んだ入り江内は波が低く水深が深いため港として古くから使われた。溺れ谷に河川が流れ込み続けるなど汽水域としての環境もあり、沿岸漁業や養殖などの漁業が中心として営まれる。
しかし、陸地は起伏が多く急な傾斜の山地が海岸にまで迫ることもあり平地が少ないため、陸路での移動は不便になりやすい。このため、長らく船以外に外部との交通手段がない「陸の孤島」となっていた所もある。
湾口に較べて奥の方が狭くなっている入り江では、津波が襲来した場合、波高が通常よりも高くなって被害が大きくなる。そのため、津波を防ぐための高い防潮堤を設けるなどの対策が取られている。また、湾内では一度押し寄せた津波が反射波となり対岸同士を繰り返し襲い、津波の永続時間が長い事も知られている。
[編集] 語源
リアス式海岸という呼称は、スペイン北西部のガリシア地方で入り江が多く見られた事に由来する。スペイン語で入り江を意味するリア(ria)あるいは、入り江の多い地方の名前(Costa de Rias Altas)等を元に、1886年にドイツの地理学者のフェルディナント・フォン・リヒトホーフェンが命名した。しかしリヒトホーフェンは、海岸線と垂直な方向に伸びる溺れ谷の連続する複雑な形の海岸線をリアス式海岸と定義していた。1919年にアメリカの地形学者のジョンソンは、より広い言葉として沈水海岸を定義し、リヒトホーフェンの定義したリアス式海岸のうち、河川の浸食によってできた開析谷が沈水して溺れ谷となっている場合をリアス式海岸、氷河の浸食によってできた氷食谷が元になっている場合をフィヨルドと定義し、これが定着した。
語源となったガリシア地方以外に、イングランドの南部や、オーストラリアのシドニー周辺、アメリカのサンフランシスコ湾、日本の三陸海岸などでもこのような海岸が見られる。
[編集] 日本の主なリアス式海岸
- 三陸海岸(岩手県・宮城県)
- 若狭湾(福井県)
- 三河湾(愛知県)
- 志摩半島(三重県)
- 但馬海岸(兵庫県)
- 宇和海(愛媛県)
- 天草(熊本県)
など
[編集] 関連項目
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