姉妹都市
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姉妹都市(しまいとし、英語Sister Cities)は市民の文化交流や親善を目的とする都市間の結びつき。友好都市(ゆうこうとし)とも言う。
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[編集] 由来
姉妹都市という表現は、アメリカ英語の"Sister City"に由来するもので、イギリス英語では"Twin City"というなど、各国語で様々な表現が使われる。国によっては、「姉妹都市」という呼び方ではどちらが姉でどちらが妹か、つまりどちらが上位にあるかという議論にもなりかねないことから、代わりに「友好都市」という表現が使用される場合もある。
[編集] 要件
姉妹都市(友好都市)を規定する法律があるわけではないが、日本においては一応の要件として、
が挙げられる。
姉妹都市活動のには2つの潮流があるとされる。アイゼンハウアー米大統領が提唱した「市民と市民」の運動、そして国際姉妹都市連合(本部ワシントンDC)の活動である。
[編集] 提携相手の選定
姉妹都市提携をしている都市どうしには、自然環境が類似している、あるいは提携前から市民レベルで交流しているなど、提携のきっかけとなる事象がある。以下にその分類を示してみる。ほかにも、いくつかの要因を複合させて姉妹提携のきっかけとしたものも多数ある。
- 歴史的なつながり・共通点がある。
- 共通の産業がある。
- 共通の文化がある。
- 自然環境や地理的環境が類似している。
- 住民の交流をきっかけに行政の交流が始まる。
[編集] 日本における姉妹都市
日本において「姉妹都市」の表現は、国際的・国内的いずれにも用いられる。特殊な例として宮崎県、鹿児島県、沖縄県が関連する提携では、力強さを希求してか「兄弟都市」と称されることがある。他に友好都市という表現もあるが、これは姉妹というと上下の関係が生じるので、主に中国との間で使われだした。現在では中国以外にも使われることがある。また友好交流都市の表現もある。提携は市町村レベルに限定されず、都道府県レベルの友好提携もある。
日本と海外との最初の姉妹都市提携は1955年12月長崎県長崎市とアメリカ合衆国ミネソタ州セントポール市の間で締結された。2005年3月31日現在、40都道府県と874市町村が姉妹(兄弟、友好)提携を結んでいる。国別ではアメリカ合衆国435件、中国313件、韓国108件、オーストラリア104件などとなっている。日本が中華民国と断交した後も、引き続き同国市町村との姉妹都市提携を維持している市町村も複数存在する。珍しいところではかつて鳥取県境港市が1992年から、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)江原道元山(ウォンサン)市と友好提携していた(2006年破棄)。北朝鮮との友好提携はこれ1件だけであった。
なお、財団法人自治体国際化協会交流情報部交流親善課が姉妹都市関係の情報提供や支援を行っている。(リンク参照)
国内では平成の大合併があるほか、海外でも市町村合併がある。姉妹・友好提携している市町村の一方が合併で姿を変えた場合、たいていは提携の継続を決めるが、まれに提携解消に至ってしまうこともある。