川越藩
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川越藩（かわごえはん）は武蔵国入間郡（埼玉県川越市）周辺を領した藩。藩庁は川越城に置かれた。
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[編集] 概要
江戸からも近く、軍事上の要所とみなされたため、大老・老中など江戸幕府の重職についた親藩・譜代大名が頻繁に入れ替わった。城下町川越は江戸と舟運・川越街道で結ばれた衛星都市として発展し、「小江戸」と称される程であった。
[編集] 藩史
天正18年（1590年）北条氏の滅亡の後、豊臣政権下で徳川家康が関東に封ぜられた。これに伴い徳川氏家臣の酒井重忠が1万石をもって川越に封ぜられ、川越藩が立藩した。 江戸幕府開府後の慶長6年（1601年）重忠は上野国前橋藩に転封。8年の時を経て慶長14年（1609年）重忠の弟・忠利が駿河国田中藩より2万石で入封。忠利は3代将軍・徳川家光の側近となり加増を受け3万7千石となった。寛永4年（1627年）忠利死去。武蔵国深谷藩5万石の領主で忠利の嫡男・忠勝が8万石で入封。寛永9年（1632年）2万石の加増を受け石高は10万石となった。翌、寛永11年（1634年）忠勝は若狭国小浜藩に転出。
寛永12年（1635年）堀田正盛が3万5千石で入封。僅か3年後の寛永15年（1638年）には信濃国松本藩に転封した。
寛永16年（1639年）松平信綱が島原の乱鎮圧の功により武蔵国忍藩より6万石で入封。正保4年（1647年）加増を受け7万5千石となる。信綱は才知に長け家光と4代将軍・家綱をよく補佐し官職名の伊豆守から「知恵伊豆」と呼ばれた。藩政では城下町の整備、江戸とを結ぶ河川の改修整備、農政の振興など藩政の基礎を固めた。 3代・信輝の代の元禄7年（1694年）下総国古河藩に転封。
同年、柳沢吉保が7万2千石で入封。5代将軍・綱吉の寵愛を受け二度の加増により石高は11万2千石に達した。綱吉の側用人として有名だが藩政でも三富新田の開発を行うなどの手腕を発揮している。宝永元年（1704年）甲斐国甲府藩に転出。
同年に甲斐谷村藩より秋元喬知が5万石で入封。4代・凉朝の時代の寛保2年（1742年）8月には武蔵国一帯は大洪水に見舞われた。明和4年（1767年）出羽国山形藩に転封となった。
同年、前橋藩主・松平朝矩は前橋城が利根川の浸食を受けたことから、秋元氏が転封となり空城となった川越城に居城を移した。4代・斉典は転封を目論み実子がありながら11代将軍・家斉の子・斉省を養子とした。そして裕福な出羽国庄内藩への移封の内示を受けたが庄内藩領民の猛烈な反対運動を受け沙汰止みとなった（三方領地替え）。それと引き替えに2万石の加増を受け17万石となった。幕末の文久3年（1863年）7代・直克は前橋城への帰城が許され、慶応3年（1867年）修築がなったので再び前橋城に移った。その際に川越藩時代の石高をもって前橋藩を立藩したため、比企郡・高麗郡・埼玉郡周辺の6万石余の領地が前橋藩から見て飛び地になることから、比企郡松山（現在の東松山市）に松山陣屋が設置された。
同年、再び川越城は空城となったため陸奥国棚倉藩より松平康英が8万石で入封。明治4年（1871年）2代・康載のとき廃藩置県を迎え、川越県となった。以後、入間県・熊谷県・群馬県を経て埼玉県に編入された。
[編集] 歴代藩主
[編集] 酒井（さかい）家
譜代 1万石 （1590年 - 1601年）
- 重忠（しげただ）〔従五位下・河内守〕
[編集] 酒井（さかい）家
譜代 2万石→3万7千石→8万石→10万石 （1609年 - 1633年）
[編集] 堀田（ほった）家
譜代 3万5千石 （1635年 - 1638年）
- 正盛（まさもり）〔従四位下・加賀守 老中〕
[編集] 松平（まつだいら）〔長沢・大河内（ながさわ・おおこうち）〕家
譜代 6万石→7万5千石→7万石 （1639年 - 1694年）
[編集] 柳沢（やなぎさわ）家
譜代 7万2千石→11万2千石 （1694年 - 1704年）
- 吉保（よしやす）〔従四位下・美濃守、侍従 側用人〕
[編集] 秋元（あきもと）家
譜代 5万石→6万石 （1704年 - 1767年）
[編集] 松平（まつだいら）〔越前（えちぜん）〕家
親藩 15万石→17万石 （1767年 - 1867年）
- 朝矩（とものり）〔従四位下・大和守〕←前橋藩より
- 直恒（なおつね）〔従四位下・大和守〕
- 直温（なおのぶ）〔従四位下・大和守〕
- 斉典（なりつね）〔従四位上・少将〕15万石→17万石
- 典則（つねのり）〔従四位下・大和守〕
- 直侯（なおよし）〔従四位下・大和守〕
- 直克（なおかつ）〔従四位上・少将〕→前橋藩へ
[編集] 松平（まつだいら）〔松井（まつい）〕家
譜代 8万石 （1867年 - 1871年）
- 康英（やすてる）〔従五位下・周防守〕
- 康載（やすとし）〔従五位下・周防守〕
