Privacy Policy Cookie Policy Terms and Conditions スバル・インプレッサ - Wikipedia

スバル・インプレッサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

インプレッサWRX STi(GDB型)
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インプレッサWRX STi(GDB型)
インプレッサ・スポーツワゴン
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インプレッサ・スポーツワゴン

インプレッサ(IMPREZA)は、富士重工業の生産する小型・普通乗用車レオーネの生産終了と共に登場した。レガシィの1クラス下に位置するモデルである。通称:「インプ」。

目次

[編集] 成り立ち

1989年に登場した初代レガシィはサスペンションエンジン・基本フロアを新規開発し、それまでの主力車種であったレオーネからはメカニズム・コンポーネント的に連続性が薄い車種であった。幸いレガシィの販売は好調だったが、当時危機的な財政逼迫にあった富士重工業にとっては、ほぼ新規のプラットフォームを1車種で維持するのは難しく、当初から派生車種の開発が念頭に置かれていた。レガシィは長らく5ナンバー枠を守った車種だがフルサイズに近く、レオーネが担っていたベーシッククラスのサイズに相当する車種が必要であった。この中で企画されたインプレッサはレガシィコンポーネントをダウンサイジングしたフロアに適用する手法で誕生した。

そして、その当時スバルは世界ラリー選手権(WRC)にミドルクラスセダンのレガシィRSで参戦していた。しかし、スバルワールドラリーチームから燃費向上のためより小型軽量なベース車を求められ、急遽レガシィの下のクラスのコンパクトセダンとして開発されたインプレッサに2.0l水平対向4気筒ターボエンジンを押し込んで作り上げられたのが、初代のインプレッサWRXである。

ちなみにこの成り立ちは、ギャランVR-4のエンジンを小型セダンのランサーに押し込んで作られたランサーエボリューション(エボⅠ、初代エボ)の成り立ちとよく似ている。→詳しくはランサーエボリューションの項を参照

[編集] 歴史

[編集] 初代GC・GF型(1992年-2000年)

インプレッサ・スポーツワゴン(GF型)
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インプレッサ・スポーツワゴン(GF型)
サーキットを走るインプレッサWRX(GC型)
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サーキットを走るインプレッサWRX(GC型)

飛翔する水鳥をイメージしてデザインされたボディ形状はセダンステーションワゴン(呼称はスポーツワゴンとされたが、セダンとのサイズから実質5ドアハッチバック)の二通りが設定され、排気量 1.5,1.6,1.8,2.0リットルの水平対向エンジンを縦置きに搭載するFF及び4WDである。初代モデルは1992年11月から2000年8月まで発売された。初代モデル中期には米国でラインアップされていた2ドアの廉価モデル「リトナ」も追加販売されていたが、不人気の為に短期間で消滅した(2ドアは後に、WRXグレード専用モデルとして復活する)。なお、ワゴンの初期型にはエアサス仕様や副変速機付仕様も設定されていた。

スポーツモデルであるWRXは、水平対向エンジンが他のエンジンに比べ低い位置にマウントされ、車を構成する基礎的な部分から操縦性を念頭においた設計を行った結果、フルタイム4WDにも関わらずコントローラブルで曲がりやすいという評価を得た。一方、ライバルであるランサー・エボリューションは、フルタイム4WD特有の曲がりにくい特性を電子デバイス等でサポートする方法メインに解決していき、操縦性や素性に大きな違いが現われる。後々ライバルに引けを取らない程の人気になるが、発売当初はスバルのスポーツイメージは薄く、WRCの好成績が日本に届きにくかったこともあり人気はいまひとつで、限定生産だったランサーエボリューションの人気が先行した。当時はチューニングメーカーも水平対向エンジンのノウハウがなく、アフターパーツが少ないことも人気には影響していた。

更に、「ガラスのミッション」と呼ばれるほどトランスミッション(TY75型)が脆弱だったことや、特殊なエンジン形状ゆえにタービンやプラグ交換がしづらいなど構造上プライベートでは整備がしにくかったこと、初期から中期のモデルには実際の馬力にばらつきが多くカタログスペックを明らかに下回る車両が存在する事、トラブル発生時の難解さから、総合性能ではランサーエボリューションに分があった。 その後、ブレーキの強化や、センターデフのロック率を任意に調整できる「ドライバーズコントロールセンターデフ」(DCCD)を搭載するなど、毎年のように改良が重ねられた同車は、初期に欠点とされてきたこともかなりの面で改善され、ランサーエボリューションとの互いの切磋琢磨によって、世界にも比類のない長きに渡るライバル関係を築いている。

  • WRXのエンジンは初代も2代目も2リッターシングルターボと変わらないが、現行型のシングルターボ化された4代目レガシィに搭載されているものとはエンジン名称は同じでも中身はかなり異なる。
  • モデル後期に発売された2ドアクーペWRX-STiはセダンのWRX-STiと競技モデルのSTi-RAの良い部分を両立させた事で好評を得た。漫画「頭文字D」に登場する主人公藤原拓海の父、文太の愛車(WRX type R STi version V)としてもこのモデルが登場する。
  • 中期とモデル末期にはSTiの製作・販売による2200ccエンジン搭載の限定車も販売された(22B-STi Versionも参照)。
  • RV人気に後押しされ、WRXをベースとし大型フロントプロテクター(大型グリルガードバー、あるいは大型カンガルーバー)、スペアタイヤキャリアを纏ったマルチスポーツワゴン「インプレッサ・グラベルEX(エックス)」(1995年10月20日)が特別仕様車として発売されるが、不人気であった。現在、SUBARUの本拠地である群馬県太田市でも見かけることはない。希少車である。

「グラベルEX」のコンセプトは後継車「フォレスター」に引き継がれることとなる。 また、北米では後継のGD系においても「OUTBACK SPORT」として同様のコンセプトモデルが販売されている。

余談だが、発売前には「レオーネが復活するのではないか」という憶測が飛んでいた。

CMキャラクターには、俳優のカイル・マクラクランウィノナ・ライダーが起用されていた。また、CMソングはCHAGE and ASKAやTAKE6等が歌っていた。

[編集] 特別仕様車

[編集] 22B-STi Version

1998年3月16日に400台限定で発売された。2ドアクーペがベースで、2200ccのエンジン(EJ22改)を搭載していた。WRカーレプリカとも言える迫力あるエクステリアを持つ。例えばワイド・ボディ化であり、ブリスターフェンダーが装着され1700mmという全幅だった。500万円というプライスにもかかわらず即日完売した。

[編集] S201

2000年4月に300台限定で発売された。WRX typeRA STi VersionVIをベースにワークスチューニングを施されたモデル。存在感溢れる外装と相まって、エンジンも最大馬力300ps6500rpm、最大トルク36kg-m/4000rpmを誇る。初めて企画されたのは1999年の東京モーターショー出展車であるエレクトラワン。次に登場したのは2000年の東京オートサロンに同名で出展。こちらはカスタマイズモデルとして発売するにあたり保安基準に即した仕様となっていた。

[編集] 2代目GD・GG型(2000年-)

2代目インプレッサ(初期型)
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2代目インプレッサ(初期型)
故ポッサム・ボーン選手のGr.A車(ラリー北海道2002)
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故ポッサム・ボーン選手のGr.A車(ラリー北海道2002

2000年8月フルモデルチェンジし、2代目になる。ボディ形状は引き続きセダンとステーションワゴンの二通りが設定されたが、2ドアクーペモデルは、WRCのレギュレーション上ベース車がクーペである必要性がなくなったこともあって消滅した。セダンは225タイヤを納めるために全車が3ナンバーボディのWRX系のみとなったが(このため、当時5ナンバーボディであったレガシィとの逆転現象が生じている。)、2003年のマイナーチェンジの際に5ナンバーの1.5リッターモデルも復活することとなる。また、非STiのWRX(WRX-NB)モデルは最大出力が先代の206kW(280ps)からトルクと耐久性重視と言う事で出力が落とされ188kW(250ps)となった。

2000年10月24日2代目のSTiが登場。競技用モデル「RA」16インチモデルにDCCDを搭載するなど、ランサー並に様々な電子制御を取り入れ、更にブレーキまわりにブレンボのキャリパーを採用し、「ガラスのミッション」と揶揄されたミッションにも手が入り、剛性と耐久性を飛躍的に向上させた自社新開発の6速ミッション(TY85型)を搭載するなど、ラリーカーとしての完成度を更に高めた、意欲的なモデルであった。

しかし、安全性向上のため重量が増したこと、フロント周りのデザインが特異で「丸目」「デメキン」「ボスボロット」と評されるような形と言う事もあり国内外両方で好評だった前モデルと比較しても販売力が落ち、90kgの軽量化を施した競技用モデル「RAspecC」や「STi Prodrive Style」などのテコ入れモデルを出すも効果は認められなかったことと、スバル・ワールド・ラリー・チームから空気抵抗を削減したボンネット・デザインを求められたことにより、かなり短期間でマイナーチェンジを行った。

2代目インプレッサ(中期型)
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2代目インプレッサ(中期型)
2代目インプレッサのパトカー
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2代目インプレッサのパトカー

2002年11月1日マイナーチェンジ敢行。フロント周りのデザインが大幅に変更され、この「涙目」と呼ばれるデザインは、初期と比較すると凛々しい顔立ちになった。「精悍さが増した」との見解の反面、「トヨタ・ヴィッツに似ている」との声も聞かれ、賛否両論ではあるが、一応イメージチェンジには成功した感がある。

STi系についてはマイナーチェンジ前のモデルには競技用しか搭載されなかった(DCCD)が、横Gや縦G、スロットル開度などの情報から、センターデフのロック率を自動で設定する「オートモード付き」(従来通りのマニュアル設定も可能)に進化。メーカオプションでどのSTiにも搭載が可能となっている。 エンジンにも手が入り、「ツインスクロールターボ」と「等長・等爆エキゾースト」が採用されている。これらが奏効し、最大トルクが400N・m(40.8kg-m)/4400rpmと、初めて40kg-m台に向上。2004年6月には小改良が行われ、最大トルクが412N・m(42.0kg-m)まで向上したほか、ホイールハブの強化に伴いPCDが拡大された。

しかしサーキットでのタイム向上(具体的にはライバルのランサーエボリューションシリーズにタイムで勝つこと)を第一としたサスペンション・セッティングの変更により、ラリーカーとして肝心の全天候性能についてはマイナーチェンジ前より低下した感は否めない。 とはいえ、2004年の春に世界的に過酷であるがゆえに世界の自動車メーカーにとっての登竜門となるドイツのニュルブルクリンク・オールドコースで、市販2リッター車としては脅威の7分59秒を達成。並みいる大排気量、大パワースポーツカーに引けを取らない走りの完成度の高さ、バランスの良さを証明してみせた。

2代目インプレッサ(後期型)
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2代目インプレッサ(後期型)

2005年6月16日2度目のビッグマイナーチェンジが行われる。またもやフロントマスクが大幅に変更され、特にフロントグリルはすでにR2などで採用されている航空機の翼をモチーフにした「スプレッドウイングスグリル」が採用された。しかし、ヘッドライトには丸目の面影が残るようなデザインが採用されている。同時にフロントオーバーハングも若干増した事により、ボンネット、エアスクープの高さも若干低くなっている。

WRX STI(従来カタログモデルはSTi、社名はSTIであったが、この後期型より表記がSTIに統一された)では最大トルクは43.0Kg-m/4400rpmに引き上げられたが、走行性能面での最大の進化はDCCDの改良であり、従来のセンターデフに新たに機械式LSDが追加されている。さらに前後の基本トルク配分を41:59(従来は35:65)に変更し、「ドライバーズコントロールセンターデフ」(DCCD)のセンサーに、ステアリング舵角センサーも追加され、より細かい制御が行われるようになった。

前回のマイナーチェンジと同様サーキット重視のセッティングで、全天候性能については初期型のいわゆる「丸目」には及ばないようである。また「丸目TypeRA-スペックC」が最速とも言われている。しかし、ワークスの力を借りているとはいえ、後述のS203,S204などは、GT的な物を目指している。

2006年6月19日に、一部改良が実施され、G型へと進化した。

1.5リッターモデルでは、従来のエンジンのほかに、ロングストローク化により低い回転域から豊かで幅広いトルクバンドを獲得した新開発の水平対向4気筒DOHC AVCSエンジン(EL15)が採用され、このエンジンを搭載した1.5Rというグレードが追加された。また、メーカーオプションの「Aパッケージ」、「SAパッケージ」が追加され、205/50R16タイヤ、リア14インチディスクブレーキなどのスポーティーな装備が選択可能になった。

WRX系では、WRX STIに、リアトルセンLSD・2度目のマイナーチェンジ時にWRX STI spec Cで採用されていたフロントピラー下部とアッパーフレームをつなぐ補剛材が追加された。

  • ターボエンジンを搭載した安価なスポーツセダンと言う事でインプレッサの人気は海外でも高いが、基本的な輸出仕様WRXは国内仕様に比して出力が落とされているので、特にオーストラリアのユーザーから日本のSTiと同等の仕様を望む声も多い。
  • アメリカには日本にない2500ccエンジンをベースにターボ化した300馬力版WRX-STiがあるほか、イギリスではたびたびプロドライブ社のスペシャルパーツやチューニングがおごられた限定車が発売されるなど、逆に日本では見られない車種も少なくない。
  • インプレッサ=WRXというイメージがあるが、1.5リッターモデルの実力も侮れない。動力性能こそ並ではあるが、路面からの入力が柔らかく、ロールスピードを穏やかに仕上げた乗り味は、乗る者に高い安心感をもたらしている。一部では「登りは大したこと無いが下りはメチャクチャ速い」などと言われたりもする。
  • 初代モデルは欧州で高速取締のパトカーに使われていたが、2003年から、日本の警察でも高速パトカーとして、WRX STIの白黒パトカーが一部県警で活動中である。東京千葉埼玉には、交通取締り覆面も配備されたが、今年からWRXの捜査用覆面が活動している。
  • 当初は、初代で生産終了、後継をフォレスターに譲る予定だったとも言われているが、WRCによる人気もあり、継続生産されることになったとの説もある。
  • CMキャラクターには、初期の1.5リットル車にはモデルのブレンダ、ターボ車には歌舞伎役者で俳優の中村獅童が採用されており、テレビ東京で彼が取材したWRCの特別番組も放送されたこともあった。
  • インプレッサは現在、構造を4WDからFRに改造してのドリ車ドリフト走行を行うための車)として人気が高まりつつある。理由は、インプレッサ自体の基本性能が高いこと、度重なるGD型の一部改良により初代GC型の中古車価格が下落してきていることなどが挙げられる。D1グランプリでも複数の選手がインプレッサを使用しており、この事も人気の上昇に一役買っている。この対象となるものはWRXの2ドアクーペや4ドアセダンが基本だが、中にはワゴンを使用している者もいる。

[編集] 特別仕様車

[編集] S202

WRX STi type RA spec Cをベースにチューニングしたモデルで2002年6月4日に400台限定(受注生産)で発売された。 type RA spec Cと比べ全項目はあげる事は出来ないが、エアインテーク導風板のアルミ化、全面軽量ガラス、エアバッグレス化、ルーフ薄板化といった軽量化が施されている。外装部では17インチのRAYS製専用鍛造アルミホイール、カーボン製専用リヤウィングスポイラー、STi ステッカー付きフォグランプカバー、ハロゲン4灯ヘッドライト、アルミ製空冷式エンジンオイルクーラー等が装備されている。

また、S202はベースモデルと違い、ストリート・ユースに主眼を置いており、マニュアルエアコン、パワーウインドウ、集中ドアロックといった快適装備が特別装備された。このS202が、インプレッサ・Sシリーズの方向性を決定づけたのである。

[編集] S203

WRX STiをベースにエンジンやシャシーなどのチューニングを行い、2005年1月11日から3月末まで555台限定で発売された。

[編集] WRX STI spec C V-Limited 2005

PCWRCで優勝した新井敏弘選手を記念し、2005年12月21日に350台限定で発売された。 WRX STI spec Cをベースに、ホワイト塗装のアルミホイール、「Toshi Arai」のサインの入ったジュラコン製シフトノブなどの装備が加えられている。

[編集] 1.5iディライト・セレクション

スポーツワゴン1.5i・セダン1.5iをベースに、2005年12月21日 に発売された。 “Good Taste”をコンセプトに、シートにベージュを採用、本革巻ステアリングホイール・本革巻ハンドブレーキレバーの特別装備など、“ディライト(明るい)”な特別仕様車となっている。セダンでは、初めてベージュ柄が採用された。

[編集] S204

WRX STIをベースにSTIがチューニングを行い、2006年1月13日に600台限定、480万9000円で発売された。 S203と比較すると、ヤマハ発動機との共同開発とされる路面からのダンピングを抑えるパフォーマンスダンパーの新採用、新設計のリアスポイラー(ハイマウントストップランプ内蔵)、シートサイドに本革を採用するなどの細かな改良がされている。 また、タイヤはWRX STIのブリヂストンRE070から、ピレリP-ZERO CORSA(専用開発)にするなどベースモデルよりコンフォートに振っている。 基本設計の古いEJ20にも関わらず、専用ECUの細部変更により、最大トルクは44.0kg-mとなるに至った。同時に、低中速トルクも増し、扱いやすくなった。

[編集] WRX STI A-Line

2006年6月19日の一部改良と共に344万4000円で発売された。 ノーマルモデルであるWRX STIからリアスポイラーを小規模な物にする、アルミホイールをゴールド塗装からシルバー塗装にするなどの変更が加えられた。 以上の変更やボディカラーにWRブルー・マイカが設定されていないことにより、WRX STIの「WRカー・レプリカ」な部分が薄れ、大人に似合うロードカーとなった。

A-LineのAとは、「信じるに足る」を意味する“authentic”に由来する。

[編集] WRX STI spec C TYPE RA-R

WRX STI spec Cをベースに、サーキットなどでの究極の走りを目指して2006年11月15日に300台限定、428万4000円で販売された。 ボディカラーはピュアホワイト、WRブルー・マイカ、アストラルイエロー(50台限定)の3色であった。

究極の走りを実現するために、TYPE RA-Rには様々な特別装備が施される。

エンジン 
ターボチャージャーのタービン径が大型化され、専用ECUが装着された。そのため、最高出力はベースモデルと比べ29kW(40ps)増の235kW(320ps)/6400rpm、最大トルクは10N・m(1.0kg・m)増の432N・m(44.0kgm)/4400rpmとなった。S204も同出力であるが手組みであり、こちらは量産仕様であった。
シャーシ 
スタビライザーの大径化、サスペンションスプリングの強化などが施され、ロールを抑え込み、大出力を路面に伝えられるようになった。
タイヤ 
専用開発のブリヂストンポテンザRE070 235/40R18が装着され、絶大なドライグリップを手に入れた。18インチタイヤにRE070が組み合わされたのはRA-Rが初であった。
ブレーキ 
フロントには専用モノブロック対向6ポットブレーキキャリパー+18インチディスクローター、リアには専用対向2ポットブレーキキャリパー+17インチディスクローターが装着され(ブレンボ製・シルバー塗装)、それぞれグループド化されていた。市販車にこの規模の大径ブレーキが装着されるのは、異例なことであった。このブレーキにより、対フェード性が抜群に向上し、サーキットなどでの極限状況でも安心して止まれる性能を得た。

[編集] グレード構成

GC型(セダン)・GF型(ワゴン)では、NAの1500・1600cc(GC型:SX/CF/CX/CS/CS Extra,GF型:CS/CS-X/C'z)・1800cc(GC型:HX,GF型:GB/HS/HX)・2000cc(HX-20S/SRX)搭載車と、2000ccターボを搭載した WRXに大別される。WRXでは、ワークスチューナーであるSTiの名が冠されたグレードが最上級となる。2ドアクーペのWRXは、"typeR"の名が付けられる。また、WRXのセダンには、typeRAというラリーベースのグレードがある。なお、スポーツワゴンHXには、レオーネからの伝統であるエアサス仕様が受注生産として初期モデルのみ設定されていた。エアサス仕様の5速MT車は、これまたレオーネからの伝統であるデュアルレンジを採用していた。

2000年のフルモデルチェンジ時に、セダンは2000ccエンジンのみになり、NAのWRX-NAと、ターボのWRX-NBが発売された。ワゴンではNAの1500cc(I's)・2000cc(20N/20S)搭載車と、2000ccターボの20Kが発売された。その後、最高出力280psを発生するワゴン"WRX STi"も発売されたが、2002年のマイナーチェンジで消滅。 次いで2004年のマイナーチェンジで2000cc NA搭載車(20S)が消滅した。

現行型では、ワゴン・セダンとも1.5i系とWRX系に大別されている。1.5i,1.5i Gパッケージ、WRXはスポーツワゴンとセダン共に選べ、 1.5i-Sはスポーツワゴンのみ。WRX STI,WRX STI spec Cはセダンのみ選べるようになっている。

2006年6月19日の一部改良から、1.5Rがスポーツワゴン・セダン共に追加された。
この1.5Rは1.5iのSOHCエンジンとは違い、DOHCの新型エンジン(EL15型)が搭載されている。

[編集] モータースポーツ

[編集] ラリーでの現状

インプレッサWRC2006
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インプレッサWRC2006

インプレッサは、市販車両を基に改造された車両が世界ラリー選手権(WRC)などラリーの競技会にしばしば登場し、シトロエンプジョーと互角の争いを繰り広げている。日本では三菱自動車工業ランサー・エボリューションと並び称せられ、世界的にも評価の高い車である。

肝心のWRC(世界ラリー選手権)における成績は決して悪くはないが、先代の圧倒的な強さはない。これは2代目の能力不足・ドライバーの能力不足というより、現在のWRCの主流が小型・軽量でより有利なハッチバックモデルへと移行していることも影響している(そこから、次期FMCではボディ形状がハッチバックになるという説もある)。

資金の問題もある。資金が豊富なプジョー(2005年限りで撤退)やシトロエンに比べテストが不足し、マシンの開発や熟成に時間がかかるところがある。デビューの1993年を除けば、1994年から2005年まで優勝できなかった年はないが、2006年はマシン開発の方向性を誤ったことが最後まで響き、シーズン未勝利に終わった。 マニュファクチュアラーズチャンピオン3回(1995年、1996年、1997年)、ドライバーズチャンピオン3回(1995年、2001年、2003年)を獲得している。

[編集] サーキット

インプレッサはラリー以外の分野でも活躍しており、スーパー耐久では2002年・2005年にST2クラス(旧クラス2)のシリーズチャンピオンを獲得している。

また全日本プロドリフト選手権でも、熊久保信重が2005年よりインプレッサを投入し、2006年にはシリーズチャンピオンに輝いている。ちなみに熊久保が使用するインプレッサは、ドリフト走行をより容易に行えるようにする目的で、本来4WDである車両をわざわざFR化している(ライバル車であるランサーエボリューションでも同じような改造が見られる)。

[編集] スポーツカーとしての評価

2004年、辛口の批評で有名な米国のスポーツカー専門誌、スポーツカー・インターナショナルの選出したベスト・スポーツカー2000年代部門第10位にランクインした。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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