シトロエン
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シトロエン (Citroën) は、フランスの自動車製造会社である。
独自のサスペンション機構である「ハイドロニューマチック(イドロプヌマティク) hydropneumatique」を採用していることで知られている。
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[編集] 概要
第1次世界大戦終結直後の1919年、エンブレムのもととなったダブルヘリカルギアの製造と大砲の弾丸の製造で財を成したアンドレ・シトロエン(Andre Citroen)によって自動車の大衆化を目指しフランス版フォードとなるべく、パリのセーヌ川・ジャヴェル河岸に設立された。現在その場所は「アンドレ・シトロエン公園」となっている。
シトロエンのエンブレムは2つのクサビ形を重ねたもので「ダブルヘリカルギア」または「ダブル・シェブロン」と呼ばれる。これはアンドレ・シトロエンが経営者としてスタートするきっかけになった歯車「シェブロン・ギア(やまば歯車)」の歯形をモチーフとしたものである。
1976年からはフランスの自動車製造会社プジョーと企業グループPSA・プジョーシトロエンを形成し、それに伴いプラットフォームやエンジンをプジョー車と共通化している。
[編集] 先進技術
シトロエンは新しい技術をいち早く採用することで知られ、それは「10年進んだ車を20年間作り続ける」と形容される。
1919年に発売されたタイプAはシトロエン最初の生産車であると共に、ヨーロッパで最初の大量生産方式によって製造された自動車であった。1925年に発表されたB12はヨーロッパで最初のオール鉄製ボディを持った大量生産車である。また、今では当然となる4輪ブレーキもこの時に導入した。
1932年にはモノピースという溶接による一体ボディ構造の8、10、15を発表、1934年にはシトロエンにおいて一大転機となる車、7CV通称「トラクシオン・アバン」を発表する。前輪駆動 (FF) やモノコック・ボディを採用したこの車は、シトロエン=先進とイメージさせた最初の車となった。
1955年金属バネを用いない空気バネとオイルを使った独自のサスペンション「ハイドロニューマチック」を採用した DS を発表。車高調整とダンパーに使われたオイルは、サスペンションだけに留まらずパワーステアリングやブレーキ、クラッチペダルレスのトランスミッションであるCマチックにも使われた。
[編集] 広告
シトロエンの独創的な発想は広告にも発揮され、1925年から1936年までの11年間エッフェル塔は「CITROËN」の文字で飾られた。この電飾文字は40km離れた場所からも視認でき、当時のエッフェル塔の代名詞でもあったという。1927年に飛行機での大西洋横断に成功したチャールズ・リンドバーグは、パリ上空でかの有名な「翼よあれがパリの灯だ」という言葉を遺したが、この時に空から彼が見たパリの灯りは、このエッフェル塔の広告であったと言われている。また、飛行機でパリ上空に「Citroën」と描いたこともあった。
ニューモデルを発表すると、同時に生産車の精巧なミニチュアカーを作り、将来の顧客である子供向けに販売した。当時のシトロエンの威勢は頂点を極めており、「赤ん坊が最初に覚える言葉はパパ、ママ、そしてシトロエンだ」と豪語する程であった。
シトロエンの広告活動は、1965年ルーブル美術館主催のアート展が開かれるなど芸術的にも評価を受けている。
[編集] 主な製品
[編集] 現行販売車種
- C1 - PSAとトヨタ自動車との共同開発車種でチェコ共和国の合弁工場TCPAで生産される。
- C2
- C3
- C4 - 2004欧州カー・オブ・ザ・イヤー2位,2005RJCカー・オブ・ザ・イヤーインポート大賞,2006ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー大賞などを受賞。
- C-Triomphe - C4のノッチバック・セダンである。元々は中華人民共和国市場向けに開発された車種であるが、欧州の一部地域でも販売が計画されている。
- C4 Picasso - C4を基にしたMPV(多用途車)である。
- C5
- C6
- C8
- Xsara Picasso(クサラ・ピカソ) - クサラを基にしたMPVである。
- Berlingo
- C6.1
- C-Crosser - 三菱自動車工業からOEM供給を受けるSUV。アウトランダーがベース。2007年夏発売予定。
[編集] 近年販売された車両
(1948年以降発表モデル)
- 2CV
- 2CV AU - 2CVを基にしたバンタイプ-その後モデル名は AZU・AKに変更
- トラックタイプ、軍用などバリエーションが豊富
- Ami6(アミ6)
- Ami8(アミ8)
- Dyane(ディアーヌ)
- AcadDyane(アカディアーヌ)バンタイプ
- Mehari(メアリ)-ジープタイプの多目的車
- ID
- DS
- SM
- GS
- LN
- LNA
- Axel(アクセル)-ルーマニアにおいてOltcit(オルトチット)名で生産されたモデル。
- Visa(ビザ)
- Saxo(サクソ) - 日本では当初、「シャンソン」の名で販売された。
- AX
- BX
- CX
- XM
- ZX
- Xantia(エグザンティア)
- Xsara(クサラ)
- Evasion(エバシオン)
[編集] クラッシック・シトロエン
(1947年以前発表モデル)
- Type A
- Type B
- B2 - B2caddy・B10・B12・B14・B15・B18
- Type C
- 5CV - C2・C3
- c4 - 1928年~1934年
- c6 - 1928年~1933年
- Rosalie(ロザリー(愛称))- 8CV・10CV・15CV
- Traction Avant(トラクシオン・アバン(愛称))- 7cv・11cv・15cv
[編集] 貨物車・ミニバス
- シトロエン・ハーフトラック
- タイプ23
- タイプ29
- タイプ32
- タイプ45
- タイプ47 - バス
- タイプ55
- タイプ60
- タイプ350
- タイプ450
- タイプ500dI
- タイプ530
- タイプ600
- タイプ700
- タイプ800dI
- 180K
- B2 boulangere and normande
- C15 - トラック
- C16 - トラック
- C25
- C35
- Darat
- FAF
- flatbedトラック
- Jumper
- Jumpy
- Hトラック
[編集] 特殊車両
[編集] 関連項目
- ユーロNCAP
- PSA・プジョーシトロエン
- リジェ
- TOTAL
- ミシュラン
- ナムコ(英語版) - ギリシャの自動車メーカー。2CVがベースのポニーを生産したことがある。
- フランス車
- パリ・ダカール・ラリー
- シトロエンジャポン
- セゾングループ(新西武自動車販売)
- ユーノス(かつて存在したマツダの販売チャンネル、シトロエンも扱っていた。)
[編集] 外部リンク
- PSA・プジョーシトロエン 本国サイト
- シトロエン・ジャポン
- シトロエン本国サイト
- 国際シトロエンクラブ連合体
- 国際シトロエンクラブ加盟日本クラブ
- Citroën World: over 4500 Citroën links
- Citroën Crash Test
- CitCity
- 正規ディーラー シトロエン宮前
- ルージュ認定 正規ディーラー シトロエン大田
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