スバル・R2
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ここではスバルR-2とスバル・R2について記述する。
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[編集] スバルR-2
スバルR-2は、富士重工業が1969年に発売した356cc軽自動車。スバル360の後継車。現存台数は少なめである。
[編集] 概要
R-2はスバル360をメインとしながらも、「モナカ構造」とも呼ばれた徹底的な軽量化、より広く機能的な空間の追求、またスバル360に於いて指摘されたコーナリング特性を見事に解消した点などは当時素晴らしく斬新かつ高評価なものだった。
[編集] 衰退
しかし現代に於ける自動車事情の中でR-2は「地味」かつ「全体的に状態が悪い」等の評価が多のが現状である。R-2が追求した軽量化 ― そのモナカ構造が一転して、錆の温床となっていたのだった。現存台数が割と少ないのも、そのせいがあってのことである。
そしてさらにデザイン面での不評を相当に浴びたことがR-2衰退の一番の原因であろう。正面がフラットなR-2のデザインは最もR-2を象徴し、また意識させるものでもあったが工業デザインに少々欠けるものでもあった(一部の人達はそれが好きであった)。そのことが当時の一般家庭事情とかみ合わず、結局最初期の頃の素晴らしい売り上げ台数が上向きになる事はなく、自動車の表舞台からひっそりと消えていったのだった。
しかし、それと入れ替わりに投入された「レックス」は、「グリルがレオーネ似」という評価もあるものの、悪く言えばより凡庸なデザインであった。
[編集] その後
しかし30数年後の現在も、スバル360とR-2の精神は新しいスバルR2を始めとする多くの軽自動車に受け継がれる事となり、R-2は軽自動車の基礎を固めた立役者の一人とも言えるだろう。
[編集] スバル・R2
スバル・R2 | |
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前期型(2003年12月-2005年11月) | |
後期型(2005年11月-) | |
製造期間 | 2003年12月 – |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック型軽自動車 |
排気量 | 658cc |
トランスミッション | i-CVT MT |
駆動方式 | 2WD(FF) フルタイム式AWD |
全長 | 3,395mm |
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,520(1,525)mm ※()内はスーパーチャージャー搭載車 |
ホイールベース | 2,360mm |
最小回転半径 | 4.7(4.8)m ※()内はスーパーチャージャー搭載車 |
同クラスの車種 | スズキ・セルボ ダイハツ・ソニカ 三菱・i |
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R2(アールツー)とは、富士重工業が生産している5ドアハッチバックセダン型の軽自動車。名称はかつて富士重工業が生産した356cc軽自動車スバルR-2にちなむ。
[編集] 概要
軽自動車は居住性を重視したトールワゴン型が主流となる中で居住性よりもデザインを重視した作りが特徴である。 「スプレッドウイングズグリル」と名付けられたフロントグリルやホイール、インパネなどに飛行機をイメージしたデザインが用いられているほか、リアゲートのハンドルにはスバルの自動車で一番大きなサイズ(R2販売開始時)の六連星エンブレムが使われているなど、富士重工業の自動車である事をデザインで強く主張している。 主に女性をターゲットとしているため、イメージキャラクターにUAや観月ありさ、木村カエラを採用、オプションにアクセサリーソケットを使うアロマオイルを用意している。
しかし個性の強いフロントグリルは好き嫌いがはっきり分かれるデザインであったことやデザインを重視した結果ほかの軽乗用車と比べ後席の居住性が低く、また価格設定も高めであった。 そのためか2004年11月に行われた一部改良では後席の居住性を向上させたほか、最廉価グレード(i カジュアルエディション)の追加、シンプルなフロントグリルを採用した特別仕様車を発売した。
2005年11月の年次改良では、スバルの新しいデザインシンボルだったはずの「スプレッドウイングズグリル」が4代目レガシィ(マイナーチェンジ前)風のフロントマスクに変更されたほか、後席窓の天地方向が拡大され、より大きな開閉面積を確保するため分割化された。 また、排気ガスがNA車は平成17年規制値よりも75%低減された☆4つ(SU-LEV)となり、現行のグリーン税制に適合している(一部の仕様を除く)。
[編集] メカニズム
エンジンは全て660ccの直列4気筒を採用。直列4気筒エンジンは軽自動車で主流の直列3気筒エンジンに比べ、スムーズな走りを身上とし振動や静寂性の面で優れるとされている。 常用回転域でのトルク特性では同排気量の3気筒エンジンには及ばないとされているが、スバルの4気筒はボア(シリンダー径)×ストローク(ピストンの最上位時と最下位時の差)比でストロークを長く取ることで実用上不足の無い性能を確保している(この経緯はレックスの項を参照のこと)。 エンジンはSOHC8バルブ自然吸気エンジンのほか、AVCS(連続可変バルブタイミング機構)付DOHC16バルブ自然吸気エンジン、インタークーラー付DOHC16バルブスーパーチャージャーエンジンがある。 トランスミッションは標準のCVT、7速スポーツCVTのほか一部グレードを除きMTが選択できる。 AVCS付DOHCエンジンを搭載するグレード「R」のCVT車は24.5km/l(10・15モード、2WD車)と軽自動車でトップレベルの省燃費である。
駆動方式はFFまたはAWD(4WD)、サスペンションは四輪ともストラット式の独立懸架となる。 フロントサスペンション用ロアアームには同じGM系列であったスズキと共同開発したものを使用している。
[編集] 歴史
[編集] 初代(2003年-)
- 2003年12月8日 初代R2発売。
- 2004年11月 2005年次RJCカー・オブ・ザ・イヤー特別賞ベスト軽自動車受賞。
- 2004年11月29日 一部改良を実施。
- 2004年12月24日 R2をベースにした3ドアクーペモデル「R1」を発表。
- 2005年11月24日 年次改良を実施。スプレッドウイングズグリルの消滅、リアドアの新設計など、デザインの変更が行われた。
- 同時に、RとSにスポーティなグレード、「Type S」が設定された。
- 2006年11月15日 一部改良により、i-CVTの変速制御の最適化による燃費向上が図られたほか、スーパーチャージャーエンジンがレギュラーガソリンに対応。新色のダークグレーメタリックが追加された。
- 同時に、特別仕様車「レフィ ビター・セレクション」が設定された。
「レフィ」をベースに、アミノ酸シートや花粉対応フィルター付エアコンなどの快適装備がされた車だった。また、ボティカラーには新色のモカブロンズ・パールメタリック、ステラで設定されているダークバイオレット・パールが追加されていた。
- 同時に、特別仕様車「レフィ ビター・セレクション」が設定された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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