わしズム
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「わしズム」は、漫画家の小林よしのりが責任編集長を務める季刊誌。2002年4月幻冬舎から創刊し、2005年7月まで15号刊行。2005年10月刊行の16号から発行元を小学館に移籍した。実際には反米保守そのものでありつつも、「右でも左でもなく、保守でもない。中道の雑誌」を謳い、アメリカも左翼も小泉改革も批判する小林よしのりの主張に近い紙面となっている。尚、「右翼」と「保守」とが、あたかも別種の政治勢力であるかの如き捉え方も、彼の主張に基づいている。現在の第一回の巻頭コラム「天籟」、ゴーマニズム宣言EXTRA第一回で、自身が発刊の意図を述べている。この宣伝文句はある種のジョークなのか、或いは本気でそう思い込んでいるのか、どちらなのかは定かではない。自称中道派の内実を探る上で、有用なサンプルになっている。
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[編集] 誌面
- 主な内容は小林よしのりの漫画や対談が中心だが、硬派の評論あり下ネタの放談ありと多岐にわたっている。
- 誌面に登場する者も漫画家・学者・評論家・政治家・落語家・ミュージシャン・タレントなど多士済々。時にはかつて論敵だった者の寄稿も掲載して読者を驚かせる事もあり、最近は、積極的な批判を聞きたいとして、左翼的な相手とも対談を行ない、「反戦平和でもいい」と、こうの史代に巻頭漫画を依頼した。
- 同誌に掲載されるゴーマニズム宣言は「ゴーマニズム宣言EXTRA」と言う題の番外編扱いとなっている。
- 初期には「夫婦の絆」と言う題の自ら書き下ろし漫画を連載していたが、現在は中断となっている。他にも「このわしを見よ」という、より主観色の強いゴー宣外伝や、樹海に自殺にやってきた人々の姿を描く「ザ・樹海」や、「おぼっちゃまくん」の描き下ろし・再録、「桃太郎」を残酷なパロディ風味にした「ももたろさん」(90年代後期に雑誌「宝島30」に掲載された「よしりん童話」に加筆・訂正を加えたものである)などの読み切り漫画を掲載する事も。
- 現在SAPIOで「ガラガラポン! 日本政治」を連載している漫画家業田良家を同誌でも受け持つ形で、現在では『独裁君』という金正日をモチーフにした風刺漫画を連載。
[編集] 経緯
- 既存のメディア業界の状況を「反日的な左翼と親米保守の、共に真性保守ではない両者が席巻している」と見て、これらに束縛されない独自の雑誌を発刊したいと考えた側面と、右翼にも左翼にも批判される身となったため、自分の情報発信の場を守るため、作る事になったとも語る。あらゆる表現を載せ、左右の立場を超えた場にすることを目指し、目標はCOM (雑誌)やガロ (雑誌)と語る。
- そして『戦争論シリーズ』等を出版した幻冬舎から自ら編集長を務める不定期刊行の雑誌を創刊させる事が決まり、その雑誌名は小林の一人称である「わし」と「ファシズム」を掛け合わせた『わしズム』となった。「ファシズム」は、本来は束ねるという意味もあり、様々な表現を行なわせ、それを「束ねる」事を理念とする。
- 実際の編集業務は同社取締役で副編集長の志儀保博氏と共同作業で行う事が多く、同誌掲載の「ゴーマニズム宣言EXTRA」で志儀氏が全裸で眠っている姿を描くなど、ネタにする事もしばしばであったが、小林は「優秀な編集者」と高く評価している。
- その後、幻冬舎が株式公開への準備を始めた事などから、少人数で大ヒットを連発しなければならない同社の体制で、10万部前後の売り上げである「わしズム」に専任編集者を拘束し続ける事は「今の幻冬舎には、わしのわがままに応えるだけの余裕は無い」と判断して、SAPIOと同じ小学館からの刊行へと変更する事になり、現在に至る。
[編集] 常連執筆者
- 西部邁 (評論家、秀明大学学頭)
- 長谷川三千子 (評論家、埼玉大学教授)
- 宮崎哲弥 (評論家)
- 紺谷典子 (エコノミスト、国民新党副代表)
- 八木秀次 (評論家、高崎経済大学教授)
- 小林至 (評論家、元プロ野球選手)
- 大高未貴 (ジャーナリスト)
- 潮匡人 (評論家、聖学院大学講師)
- 渡部陽一 (フォトジャーナリスト)
- 高森明勅 (歴史学者、拓殖大学客員教授、靖国神社崇敬奉賛会青年部「あさなぎ」顧問)
- 木村三浩 (新右翼「一水会」代表)
- 橘玲 (作家)
- 新藤洋一 (料理人)
- 林建良 (評論家)
- 謝雅梅 (エッセイスト、産能短期大学講師)
- 末永直海 (作家)
- 深川峻太郎 (フリーライター)
- 笹公人 (歌人)
- 富岡幸一郎 (文芸評論家、関東学院大学教授)
- 桂歌蔵 (落語家)
- みうらじゅん (漫画家)
- 業田良家 (漫画家)
- しりあがり寿 (漫画家)
- 辛酸なめ子 (漫画家)
- 吉田豪(コラムニスト)
[編集] ゲスト執筆者
- 中野翠 (コラムニスト)
- 唐沢俊一 (作家、と学会創設会員)
- 佐藤洋二郎 (作家、日本大学芸術学部助教授)
- 清水ちなみ (コラムニスト)
- 清水義範 (作家)
- 中田清康 (大東亜青年塾塾長)
- 片岡鉄哉 (評論家、元スタンフォード大学フーバー研究所研究員)
- 青山繁晴 (評論家、独立総合研究所社長)
- 佐伯啓思 (評論家、経済学者、京都大学教授)
- 宮台真司 (社会学者、評論家、首都大学東京准教授)
- 香山リカ (精神科医、評論家、帝塚山学院大学教授)
- 副島隆彦 (評論家、常葉学園大学教授)
- 浅羽通明 (評論家、早稲田セミナー専任講師)
- 久坂部羊 (作家、医師)
- 川内康範 (作家、作詞家、政治評論家)
- 橋田信介 (ジャーナリスト、その後、イラク国内で取材中に襲撃され死亡した為、わしズムへの最初にして最後の寄稿と言う形で絶筆となってしまった)
- 黄文雄 (評論家、拓殖大学客員教授)
- 宮城能彦 (沖縄大学教授、小林の沖縄取材時のガイドを務めた)
- 関岡英之 (ノンフィクション作家)
- こうの史代 (漫画家)
- 西尾幹二 (評論家、ドイツ文学者、電気通信大学名誉教授、「新しい歴史教科書をつくる会」元名誉会長)
- 切通理作 (評論家)
- とり・みき (漫画家)