秋本治
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秋本 治(あきもと おさむ、1952年12月11日 - )は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で知られる漫画家。東京都葛飾区出身。東京都の私立本郷高校デザイン科卒業。
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[編集] 略歴
- アニメーターを志し、虫プロダクションの採用試験を受けるも、不合格。しかし、虫プロダクションの紹介でタツノコプロに入社。同社作品『カバトット』『かいけつタマゴン』で2年間動画などを勤めた(ジャンプ内で勘吉がそう言っていた)後、退社。その後しばらくは投稿漫画家生活を送る。
- 1976年、山上たつひこの名前をもじった「山止たつひこ」(やまどめ―)名義で代表作となる『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の読切を『週刊少年ジャンプ』に発表(ちなみに賞へ応募した際のペンネームは、さらに石森章太郎のもじりも加えた「岩森章太郎改め山止たつひこ」であった)。
- 当時の編集部からは「この漫画ではこの名前で、終わったら本名にしてもいいよ」と言われていたらしく、本人も短期で連載終了するとばかり思っていたものの、予想以上に人気が出て、さらには“本家”の山上たつひこからクレームが出たこともあり、100話目を期に現在のペンネーム(本名)に改めることになった。それまで山止名義で刊行されていた単行本は増刷の際に秋本治に変えられた。
- 後年になって、初期ペンネームを「山止たつひこ」にしていたことについては「山上たつひこ先生に本当に申し訳ないことをした」「若気の至りとはこのためにあるような言葉です」「なんて大それたことをしたんだ!と思う」などといった発言をしている。
- 同作品はせんだみつお主演で映画化され、ジャンプフェスティバル向けの短編アニメ化が制作された後に、1996年から2004年までフジテレビ系列でアニメ化もなされた(前者と後者とではスタッフ・キャスト共に異なる)。
- 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で、2001年に第30回日本漫画家協会賞を、2005年には第50回小学館漫画賞審査委員特別賞を受賞。
- 2005年に発行部数1億3000万部突破し、東京・浅草神社に石碑が建立された。
- 2006年には連載30周年・150巻発売・1450話記念となる。同じ年に亀有駅に主人公両津勘吉の銅像が完成した。
- 2006年にはフジテレビで放送中のあっぱれ!!さんま大教授にラサール石井と一緒にゲストに出演した。
[編集] 人物
- 原稿を期限前には必ず仕上げ、編集者からすれば神のような存在であることは有名。それどころか常に何週間分のストックも用意し旅行に出かけるなど漫画家には珍しいタイプで、アシスタントに対しても、基本的に仕事は月曜から土曜日で日曜日は休みにする上、徹夜はさせないと言うスタンスを取っている。仕事中も複数台のTVをつけっぱなしにして最新情報の収集にも余念がない。
- 大の軍事(兵器)ファンであり、その中でも特に戦車が好きなようである。昔は軍事をテーマにした読み切り漫画を描いてた。『こち亀』では軍事兵器をよく登場させており、それらをテーマにした話(近年は戦車の話が多い)をよく描いている。それに関連して『ゴルゴ13』のファンでもあり、『こち亀』で様々なパロディをしていた(主人公の自称である「デューク・東郷」をもじって「ボルボ西郷」、あるいはそのままもじって「後流悟十三」などといった登場人物を出すなど)。近年、作者のさいとう・たかをと対談をした。本人は、さいとう・たかをに憧れて漫画家になったとも述べている。
- 鉄道ファンとしても知られ、漫画作品中にも現在は存在しない過去の人気鉄道車両や、外国の人気車両が登場することも多々ある。また、スポーツカー・バイクにも興味があってフェラーリなどを何回も登場させている。
- 小林よしのりとは、小林が『週刊少年ジャンプ』所属時代からの旧知の仲であり、何度か合作をしている。また、小林の主宰する雑誌『わしズム』で対談したこともある。この二人の漫画作品中には超大金持ちが何人も出てくるなど、共通点も多い。
- ラジオ番組(コサキン、伊集院光など)のヘビーリスナーとして知られる。1981年には『オールナイトニッポン』生放送中の所ジョージをモデルガンで襲撃した(交友関係があった上でのお遊びであり、番組スタッフも知った上でのドッキリ的企画であった。この模様の詳細はは『こち亀』26巻の「クレージーホースの巻」に新聞記事として記述されている。)。かつては『ビートたけしのオールナイトニッポン』を録音し、スタジオで流しながら仕事をしていたと言う。また、漫画のあちこちに中島みゆき関連やビートたけしのオールナイトニッポンで話に出てくる人物が出てくる。なお、伊集院光、所ジョージ、中島みゆき、ビートたけしの4人は、いずれも『こち亀』の巻末文を載せたことがある(ビートたけしは『ツービート』名義)。2006年9月および10月には『コサキンDEワァオ!』にゲスト出演。番組25周年を記念したポスターを、同じくコサキンのヘビーリスナーである臼井儀人、さくらももこと共同制作・監修している。
- しかし、大阪のネタをするたびに現地読者の不評を受けている。(「パンおいしいねん!」等のおかしな関西弁やあまりにも誇張・脱線した話が多いため)
- 素顔でメディアに登場することは比較的少なく、長らく『ジャンプ』巻末目次に掲載されていた似顔絵がイメージとして定着していた事もあり、テレビ番組での大友克洋との対談時は、秋本が部屋に入ってきても大友が秋本本人だと最初は気付かなかった様子が放送されている。
[編集] 作品リスト
[編集] 漫画(単行本未収録作品、読切含む)
- 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』
- 『Mr.Clice』
- 『東京深川三代目』
- 『白バイライダー夢之丞変化』
- 『こちら人情民生課』(『花田留吉七転八倒』のプロトタイプ)
- 『平和への弾痕』
- 『新元禄太平記』
- 『最後の狙撃兵』
- 『こちら交機の本田赤のZ追跡中よろしく!』
- 『ライブ』
- 『鷹が飛ぶ』
- 『日本一の世直し男』
- 『いい湯だね!』
- 『五人の軍隊』
- 『柴又戒厳令』
- 『となりの金ちゃん』
- 『デスマッチ』
- 『酷道1000キロ』
- 『N少女いずみ』
1999年には集英社文庫コミック版として『秋本治傑作集』全3巻が刊行された。
[編集] 新書
- 『両さんと歩く下町』