りょうもう (列車)
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りょうもう(EXPRESS RYOMO)とは、東武鉄道が主に浅草駅~赤城駅間を東武伊勢崎線・桐生線経由で運行する特急列車の愛称。
本線系統の座席指定席を要する特急列車は日光線系統とこの系統と2系統あることから、"日光線特急「スペーシア」"に対して"伊勢崎線特急「りょうもう」"と広告されることが多い。これは日光線「スペーシア」登場時点で本列車群は有料の全車指定席急行列車であり、後に種別を「特急」に変更し本線特急が2系統になったための区別である。
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[編集] 運転概況
浅草駅を起点とし、伊勢崎線太田駅より桐生線新桐生駅を経由して赤城駅行きが主となる。なお、1往復が館林駅より佐野線佐野駅を経由して葛生駅へ、また1往復が、伊勢崎線の終点である伊勢崎駅まで運転されている。また、早朝の上り列車・夜間帯の下り列車及び昼間時の一部の列車については太田駅発着列車も運行されている。
日光・鬼怒川方面に向かう「スペーシア」は主に観光客をターゲットにした列車であるのに対し、この「りょうもう」は館林市・足利市・太田市・桐生市など群馬県東部および栃木県南西部の主要都市をカバーするビジネス列車としての側面が強い。群馬県下有数の工業都市で、東毛地域(群馬県東部)の主要都市である太田市へ浅草駅から所要約1時間20分で、北関東へのビジネス客には定評があり、また近年はあしかがフラワーパークや館林つつじヶ岡公園などへの観光客も多数利用するようになっている。
しかし、伊勢崎線の線形の良さの割りには所要時間がかかることから、特急としての位置づけとしてはさらなるスピードアップが必要という見解もあり、各方面より運転時間短縮の要望が出されている。特に館林以北は単線のため、普通列車との交換で最長5分程停車する駅がある。
発車順に下り奇数・上り偶数の番号が与えられている。この際、重複するのは日光線特急「けごん」及びJR直通特急のみであるが、基本的には行先・列車名で区別がつくことや、発券の際に列車番号を記させる場合もあり、誤発券を生じさせることはないとされる。
[編集] 運行区間・停車駅・使用車両等
路線名 | 駅名\発着駅名 | 赤城駅 | 伊勢崎駅 | 葛生駅 | 太田駅 |
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伊勢崎線 | 浅草駅 | ● | ● | ● | ● |
北千住駅 | ● | ● | ● | ● | |
東武動物公園駅 | ● | ● | ● | ● | |
久喜駅 | * | ● | ● | * | |
加須駅 | ▲ | ● | ● | ● | |
羽生駅 | ▲ | ● | ● | ● | |
館林駅 | ● | ● | ● | ● | |
足利市駅 | ● | ● | ∥ | ● | |
太田駅 | ● | ● | ∥ | ● | |
木崎駅 | ∥ | ● | ∥ | ||
境町駅 | ∥ | ● | ∥ | ||
新伊勢崎駅 | ∥ | ● | ∥ | ||
伊勢崎駅 | ∥ | ● | ∥ | ||
桐生線 | 藪塚駅 | ● | ∥ | ||
新桐生駅 | ● | ∥ | |||
相老駅 | ● | ∥ | |||
赤城駅 | ● | ∥ | |||
佐野線 | 佐野市駅 | ● | |||
佐野駅 | ● | ||||
田沼駅 | ● | ||||
葛生駅 | ● |
- ●:全列車停車、▲:一部列車通過(おおむね下り浅草駅15時以前、上り赤城駅8時より15時まで始発列車が通過)、*:一部列車停車(おおむね下り浅草駅15時以降、上り太田駅15時40分及び赤城駅15時50分以降始発列車が停車)、∥:経由せず、空欄:運行せず。
[編集] 歴史
東武本線系統の内、日光・鬼怒川方面へ向かう特急は、戦前より東武鉄道のドル箱列車として運行されているが、伊勢崎・桐生線方面への優等列車は、戦時中に中島飛行機工場の所在する太田地区への便を図るために1933年(昭和8年)より「急行列車」として運転を開始したとされる。
戦後は、日光・鬼怒川方面で運行していた「急行」の合間、ないしはかつて「特急」・「急行」に使用されていた車両を用いて「急行」として運転されていた。しかし、この列車は似たような運用を行い日光・鬼怒川方面で運行していた「急行」とは異なり、日光線の「特急」と「急行」との中間であったとされる。その証左として、専用車両である1800系の落成以前は5310系・5700系だけではなく、日光線特急専用車両であった1700系も使用されたことがあり、5700系も「青帯車」だけではなく、特急専用車両とされた「白帯車」も使用されている。
特急車両並みの内装を持つ1800系の使用開始前後より「東武のビジネス列車」としての位置づけが強化され、1990年代にはホームライナー格の列車として「ビジネスライナー」の設定もなされた。200系に置き換えが完了して後、1999年(平成11年)のダイヤ改正により現行の特急へ昇格し、現在の運転形態になっている。
[編集] 年表
- 1933年(昭和8年) 無料の急行列車が浅草駅~新桐生駅間で運行を開始。
- 1949年(昭和24年) 戦時体制により急行列車は運行を休止していたが、この時より浅草駅~伊勢崎駅間で無料・定員制の急行列車として運行を再開。
- 1951年(昭和26年) 5310系により、自由定員制急行として浅草駅~新桐生駅間を運行開始。
- 1956年(昭和31年) 新大間々駅(現:赤城駅)まで運行区間を延長。また、この年より上毛電気鉄道上毛線中央前橋駅まで運行する急行「じょうもう」運行開始。
- 1963年(昭和38年) 急行「じょうもう」上毛線の乗り入れ終了。また、北千住駅に上り列車の停車開始。
- 1969年(昭和44年) 専用列車である1800系が落成。同時に1列車毎ではなく距離による地帯制を採用。また、これにより「りょうもう」の名称に固定される。
- 1991年(平成3年) ホーム延長により相老駅に停車開始。わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線連絡による。
- 1991年(平成3年) 200系電車使用開始。このとき、現行の「Ryomo」のロゴが初めて登場する。
- 1997年(平成9年) 北千住駅に下り列車の停車開始。また、伊勢崎駅発着列車運行開始。当初は週末のみ運行。
- 1999年(平成11年) 200系電車に全面的に置き換わった事により、「特急」に昇格。
- 2003年(平成15年) 東武動物公園駅に全列車停車開始。
- 2006年(平成18年)3月18日 久喜駅に一部列車停車。
[編集] 列車名の由来
列車名として「りょうもう」の他に「あかぎ」・「おりひめ」・「こうづけ」・「じょうもう」等も使用されていたが、専用車両である1800系の就役後は「りょうもう」に統一されている。各列車名の由来は下記の通りである。
(五十音順)
- 「あかぎ」 終着駅である赤城駅が赤城山観光の拠点としていたことから。なお、国鉄・JR東日本にもこの名の列車が存在する。こちらを参照。
- 「おりひめ」 桐生市及び一帯が絹織物の産地であることにちなむ(桐生市と足利市には「織姫神社」がある)。
- 「こうづけ」 群馬県の旧称「上野」国("こうづけ"のくに)から。
- 「じょうもう」 群馬県の異称「上毛」(上野国の古称、「上毛野国」の略)から。
- 「りょうもう」 主たる目的地である群馬県東部(桐生+太田+館林=東毛)および栃木県南西部(足利・佐野)を指す「両毛」から。
[編集] 関連事項
- 特急「けごん」・「きぬ」・「きりふり」・「ゆのさと」・「しもつけ」・「日光」・「きぬがわ」・「スペーシアきぬがわ」(東武日光線・鬼怒川線・宇都宮線優等列車、JR東日本宇都宮線~東武日光線直通運転列車)
- 「尾瀬夜行」・「スノーパル」(夜行列車)
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