東武佐野線
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佐野線(さのせん)は、群馬県館林市の館林駅と栃木県佐野市の葛生駅を結ぶ、東武鉄道の鉄道路線である。
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[編集] 路線データ
[編集] 運行形態
特急「りょうもう」が朝の葛生駅発、夜の葛生駅行きに設定されている他はすべて普通列車のみの運行である。館林駅行き始発と館林駅行き終発は館林駅~佐野市駅間の運行であるが、これと「りょうもう」を除いた他のすべての列車が館林駅~葛生駅間の運行である。
日中・夜は1時間に1本、朝と夕方は1時間に1、2本程度の列車が設定されている。
[編集] 使用車両
- 8000系・800系・850系
- 200系・250系(特急りょうもう号)
[編集] かつて使用されていた車両
- 3050系
- 5000系・5050系
- 1800系(急行りょうもう号、通勤改造車)
[編集] 歴史
佐野線の前身は、1888年に葛生~越名河岸間で開業した安蘇馬車鉄道である。江戸時代から葛生で産出される石灰石を運ぶための馬車鉄道で、越名河岸まで運ばれた石灰石や木材などは、船に積み替えられて渡良瀬川から利根川を下って東京方面に運ばれていた。やがて輸送力の限界から1894年に蒸気機関車による鉄道に変更され、社名も佐野鉄道に改められた。
1912年に佐野鉄道は東武鉄道に吸収合併された。この頃、東武鉄道では日光進出の計画を立てており、当初は館林から佐野、葛生、鹿沼を経由して日光まで結ぶ構想であったため、ルートの重なる佐野鉄道を合併したのである(のちに日光へは栃木経由に変更)。東武鉄道は佐野鉄道が持っていた鉄道敷設免許を利用して館林~佐野間を建設し1914年に開業。館林~葛生間直通運転を開始した。館林や東京浅草まで直行できる鉄道ができたことで、佐野町~越名河岸間の旅客・貨物輸送は著しく減少し、1915年には旅客営業を休止し1917年に廃止された。
葛生からの石灰石輸送は東武鉄道となってからも続けられ、葛生駅から先では東武の会沢線・大叶線、日鉄鉱業鶴羽専用鉄道といった貨物線が延び、佐野線でも貨物列車が多数運行されていたが、トラック輸送への移行が進み、1997年までにこれらの貨物線群や北館林荷扱所~葛生間での貨物列車運行は廃止され、残った久喜~北館林荷扱所間の石油輸送も2003年9月に廃止された。
2006年3月より、合理化のため全線でワンマン運転を開始した。
[編集] 年表
- 1888年 安蘇馬車鉄道 葛生~越名河岸間が開業。
- 1894年3月20日 安蘇馬車鉄道が佐野鉄道に社名変更。葛生~(旧)佐野町~越名河岸間の鉄道開業。葛生~越名河岸間の馬車鉄道廃止。
- 1903年6月17日 佐野連絡所(吉水~佐野町間)~佐野間が開業。両毛線(当時日本鉄道)佐野駅に連絡。
- 1912年3月30日 東武鉄道が佐野鉄道を合併。佐野線とする。
- 1914年8月2日 館林~佐野町(現在の佐野市)間が開業。
- 1914年8月19日 (旧)佐野町駅廃止認可。
- 1914年10月16日 佐野町~佐野間が開業。佐野~吉水間を新線に切り替え。館林~葛生間直通運転開始。
- 1915年2月1日 吉水駅を堀米駅に改称。
- 1915年7月1日 吉水駅開業。
- 1915年7月5日 佐野町~越名河岸間旅客営業休止。
- 1917年2月16日 佐野町~越名河岸間廃止許可。
- 1927年12月16日 館林~葛生間が電化。渡瀬駅開業。
- 1943年4月1日 佐野町駅を佐野市駅に改称。
- 1972年5月1日 渡瀬~田島間に北館林荷扱所開業。
- 2006年3月18日 普通列車でワンマン運転開始。
[編集] 駅一覧・接続路線
駅名 | 接続路線 | 乗降人員 | 所在地 |
---|---|---|---|
館林駅 | 東武鉄道:伊勢崎線、小泉線 | 10,202 | 群馬県館林市 |
渡瀬駅 | 232 | ||
(北館林荷扱所) | --- | ||
田島駅 | 102 | 栃木県佐野市 | |
佐野市駅 | 798 | ||
佐野駅 | 東日本旅客鉄道:両毛線 | 3,026 | |
堀米駅 | 403 | ||
吉水駅 | 1,459 | ||
田沼駅 | 1,189 | ||
多田駅 | 162 | ||
葛生駅 | 1,397 |
[編集] かつて存在した駅を含む駅一覧
*印は廃止駅・連絡所
館林駅 - 渡瀬駅 - 北館林荷扱所 - 田島駅 - 佐野市駅 - 佐野駅 - 佐野連絡所* - 朱雀駅* - 堀米駅 - 吉水駅 - 田沼駅 - 多田駅 - 山菅2号*(貨物駅) - 山菅1号*(旧終点、葛生駅開業後、貨物駅として復活) - 葛生駅
[編集] 廃止区間
佐野連絡所 - 駅名不詳(東武鉄道では「若松町城地内」と呼称) - (旧)佐野町駅 - 高萩駅 - 越名駅
駅名不詳の駅は、館林-佐野間の接続工事中に設けられた仮駅である。東武鉄道に存在した駅で、唯一、駅名が分かっていない駅である。