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WTAツアー選手権(WTA Tour Championships)は、毎年11月に行われるWTAツアーの年間最終戦である。
1972年にアメリカ・フロリダ州のボカラトンで「バージニアスリム選手権」として第1回が行われ、1979年以降、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた。歴代の冠スポンサーの中には日本のトヨタ自動車も名前を連ねたことがある。1995年から2000年までは「チェイス選手権」の名称であった。2001年はドイツ・ミュンヘンの「オリンピア・ホール」で行われ、2002年から2005年まではロサンゼルスで開催された。2006年はスペイン・マドリードで行われた。
2002年までは、年間最終ランキング16名の選手に出場資格が与えられ、1回戦からのトーナメントで試合が行われていた。しかし2003年以後、男子年間最終戦の「テニス・マスターズ・カップ」と同じ方式に変更された。出場資格選手は世界ランキング上位8名の選手に減らされ、4人ずつの2組に分かれて総当たり戦(ラウンド・ロビン)を行い、上位選手2名が決勝トーナメントに進出する。その4名で準決勝 → 決勝が行われ、優勝者が決定する。
このWTAツアー最終戦は、1998年までは決勝戦が最大5セット・マッチで行われ、女子テニスツアーでは唯一5セット・マッチで行われるゲームであった。この制度は1984年、当時の世界ランキング1位だったマルチナ・ナブラチロワがあまりにも強すぎたことから導入された。しかし女子選手に5セット・マッチはきつすぎるという声が大きく、1999年からは決勝戦も通常の最大3セット・マッチで行われている。
日本の伊達公子選手は、1994年に日本人選手として初めて本大会のシングルス出場資格を獲得し、現役引退する1996年まで3年連続出場を果たした。(1994年:ベスト4、1995年:2回戦、1996年:2回戦)1996年の準優勝者になったマルチナ・ヒンギスに 1-6, 2-6 で敗れた2回戦が、伊達の現役最後の試合となった。
[編集] 歴代優勝者
[編集] シングルス
年
|
優勝
|
準優勝
|
決勝スコア
|
2006年 |
ジュスティーヌ・エナン=アーデン |
アメリ・モレスモ |
6-4,6-3 |
2005年 |
アメリ・モレスモ |
マリー・ピエルス |
5-7, 7-6, 6-4 |
2004年 |
マリア・シャラポワ |
セリーナ・ウィリアムズ |
4-6, 6-2, 6-4 |
2003年 |
キム・クライシュテルス |
アメリ・モレスモ |
6-2, 6-0 |
2002年 |
キム・クライシュテルス |
セリーナ・ウィリアムズ |
7-5, 6-3 |
2001年 |
セリーナ・ウィリアムズ |
リンゼイ・ダベンポート |
不戦勝 |
2000年 |
マルチナ・ヒンギス |
モニカ・セレシュ |
6-7, 6-4, 6-4 |
1999年 |
リンゼイ・ダベンポート |
マルチナ・ヒンギス |
6-4, 6-2 |
1998年 |
マルチナ・ヒンギス |
リンゼイ・ダベンポート |
7-5, 6-4, 4-6, 6-2 |
1997年 |
ヤナ・ノボトナ |
マリー・ピエルス |
7-6, 6-2, 6-3 |
1996年 |
シュテフィ・グラフ |
マルチナ・ヒンギス |
6-3, 4-6, 6-0, 4-6, 6-0 |
1995年 |
シュテフィ・グラフ |
アンケ・フーバー |
6-1, 2-6, 6-1, 4-6, 6-3 |
1994年 |
ガブリエラ・サバティーニ |
リンゼイ・ダベンポート |
6-3, 6-2, 6-4 |
1993年 |
シュテフィ・グラフ |
アランチャ・サンチェス |
6-1, 6-4, 3-6, 6-1 |
1992年 |
モニカ・セレシュ |
マルチナ・ナブラチロワ |
7-5, 6-3, 6-1 |
1991年 |
モニカ・セレシュ |
マルチナ・ナブラチロワ |
6-4, 3-6, 7-5, 6-0 |
1990年 |
モニカ・セレシュ |
ガブリエラ・サバティーニ |
6-4, 5-7, 3-6, 6-4, 6-2 |
1989年 |
シュテフィ・グラフ |
マルチナ・ナブラチロワ |
6-4, 7-5, 2-6, 6-2 |
1988年 |
ガブリエラ・サバティーニ |
パム・シュライバー |
7-5, 6-2, 6-2 |
1987年 |
シュテフィ・グラフ |
ガブリエラ・サバティーニ |
4-6, 6-4, 6-0, 6-4 |
1986年11月 |
マルチナ・ナブラチロワ |
シュテフィ・グラフ |
7-6, 6-3, 6-2 |
1986年1月 |
マルチナ・ナブラチロワ |
ハナ・マンドリコワ |
6-2, 6-0, 3-6, 6-1 |
1985年 |
マルチナ・ナブラチロワ |
ヘレナ・スコバ |
6-3, 7-5, 6-4 |
1984年 |
マルチナ・ナブラチロワ |
クリス・エバート |
6-3, 7-5, 6-1 |
1983年 |
マルチナ・ナブラチロワ |
クリス・エバート |
6-2, 6-0 |
1982年 |
シルビア・ハニカ |
マルチナ・ナブラチロワ |
1-6, 6-3, 6-4 |
1981年 |
マルチナ・ナブラチロワ |
アンドレア・イエガー |
6-3, 7-6 |
1980年 |
トレーシー・オースチン |
マルチナ・ナブラチロワ |
6-2, 2-6, 6-2 |
1979年 |
マルチナ・ナブラチロワ |
トレーシー・オースチン |
6-3, 3-6, 6-2 |
1978年 |
マルチナ・ナブラチロワ |
イボンヌ・グーラゴング |
7-6, 6-4 |
1977年 |
クリス・エバート |
スー・バーカー |
2-6, 6-1, 6-1 |
1976年 |
イボンヌ・グーラゴング |
クリス・エバート |
6-3, 5-7, 6-3 |
1975年 |
クリス・エバート |
マルチナ・ナブラチロワ |
6-4, 6-2 |
1974年 |
イボンヌ・グーラゴング |
クリス・エバート |
6-3, 6-4 |
1973年 |
クリス・エバート |
ナンシー・リッチー |
6-3, 6-3 |
1972年 |
クリス・エバート |
ケリー・レイド |
7-5, 6-4 |
[編集] ダブルス
[編集] 外部リンク