5000トン型護衛艦

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5000トン型護衛艦（- がたごえいかん）は、海上自衛隊が取得計画中の新型の汎用護衛艦。1番艦が平成19年度（2007年度）予算で建造される汎用護衛艦（DD）であるため19DDとも呼ばれる。1番艦の就役は平成23年（2011年）頃の予定である。計画では当面4隻が取得されると予想される。所要経費は1隻あたり約848億円。

[編集] 概要

はつゆき型からあさぎり型、むらさめ型、たかなみ型と建造されてきた、対空・対潜・対艦・ヘリ搭載と一通りの能力をもった汎用護衛艦（DD）は、数量の上でも能力の上でも海上自衛隊の戦力の中核となる艦種であり、諸外国の同種の艦船の進歩にあわせて、これら汎用護衛艦も着々とその能力を向上させてきた。

一方、20世紀から21世紀へと世紀をまたぐ頃に諸外国の海軍で計画され、ここ数年で戦力化しつつある、またはその予定の戦闘艦、例えばドイツ海軍のザクセン級、オランダ海軍のデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級、スペイン海軍のアルバロ・デ・バサン級、イギリス海軍の45型駆逐艦などでは、

半導体技術の進歩で小型化と高性能化が進んだ、フェイズドアレイレーダーを中心とした同時多目標への対処が可能な戦闘システム
船体外形の傾斜や、廃熱、水中雑音などへの対策による相応のステルス性
東西冷戦が終結した後に顕在化しつつある、沿岸域での作戦への対処能力
乗員の居住性の更なる向上、女性乗員への配慮、海兵隊や特殊部隊の便乗、などで必要な余裕ある空間の確保

などのいくつかの新たな能力を備えていた。これらの流れに遅れをとらないよう、海上自衛隊も新世代の汎用護衛艦と、それに適用する各種の要素技術を研究していた。

また、自衛隊で整備が進められているミサイル防衛構想では、作戦任務においてこんごう型護衛艦が弾道ミサイル防衛に専念する際に、通常の対空監視・防空に支障が生じるため、この作戦においてこんごう型を護衛し艦隊防空任務を補完するため、個艦防空能力のみを備えていた従来の汎用護衛艦よりも強力な対空戦闘能力を持った汎用護衛艦が求められていた。

このような経緯で計画されたのが5000トン型護衛艦である。当初、平成18年度（2006年度）予算での1艦建造が予定され18DDと呼ばれてきたが、防衛費縮減の流れを受けて1年遅れ、1番艦の予算は平成19年度（2007年度）予算に盛り込まれることとなった。

[編集] 船体

概算要求時の資料に添付された概要図からは、たかなみ型護衛艦によく似た船体ラインや各種艤装の配置を読み取ることが出来る。むらさめ型・たかなみ型に連なるデザインを持ちながらも、新世代の技術を投入した艦船であるといえる。

[編集] 機関

ガスタービン機関4基を装備しCOGAG方式により運用、30ノット超の速力を発揮する。また、機関室の省力化も図られる。

[編集] ステルス性

既存のたかなみ型護衛艦、むらさめ型護衛艦と比べ、よりステルス性を意識した船体となる。船体の各部やマストには傾斜がつけられ、搭載艇の収納部、対艦誘導弾の発射筒などの開口部にもカバーが取り付けられる。

[編集] 装備

[編集] 火器管制装置

FCS-3改

[編集] ミサイル

ESSM（対空）

[編集] 砲

従来のOTOメララ社製速射砲ではなく、アメリカの62口径5インチ砲（Mk45Mod4）を採用。

[編集] ヘリコプター

哨戒ヘリコプター（SH-60JまたはSH-60K）は常用1機だが、艦の設備は、たかなみ型護衛艦と同様に2機搭載時にも対応している。

[編集] 諸元

全長：
全幅：
深さ：
喫水：
基準排水量：5,000t
満載排水量：
乗員：
機関：ガスタービン×4基（COGAG方式）　2軸推進
最大出力：
最高速力：30kt＋
武装
- 62口径5インチ砲 1基
- 高性能20ミリ機関砲 2基
- 対艦ミサイル発射装置 1式
- VLS
- 短魚雷発射管 2基
- 魚雷防御システム 1式
- 哨戒ヘリコプター 1機
レーダー
- レーダーシステム 1式
- 航海レーダー 1基
ソナー
- 水上艦用ソーナーシステム 1式
電子戦装置 1式
情報処理装置 1式
射撃指揮装置