長距離列車
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長距離列車(ちょうきょりれっしゃ)とは、近距離列車とは対になり、日本、とりわけ旧国鉄・JRではおおむね200km以上運行される列車を指す。
21世紀初頭の現在では、おおむねこの区間を運行する列車は旅客列車では特別急行列車が主体となるが、1986年11月のダイヤ改正までは荷物列車・郵便列車が存在した関係で普通・快速列車も多く設定されていた。これは、速達輸送が目的である急行列車・特別急行列車と長距離を輸送するというのは別問題であるが、運用上それ程列車速度を向上させる必要がないと言った側面や輸送物である郵便物・手荷物などを扱う鉄道駅が必ずしも大規模なものだけでないと言った事情からである。また、需要の関係から荷物列車・郵便列車と旅客列車とが分離されていなかった山陰本線や函館本線等では長距離普通列車が設定されることがままあった。これらの扱いが終了されたことで長距離輸送を行う必要が薄れたことや、必ずしも「長距離を鉄道で利用する」需要よりも「近距離でも鉄道がいつでも利用できる」と言う需要の方が大きいないしは運用の効率が向上出来ることから、一般に中距離列車と言われる100~300km程度の運用範囲で運行する列車が主体となっている。
例外としては、「運用の効率化」と言う点で山陽本線岡山駅~下関駅間で中規模ながら同程度の都市が点在することから、各都市間連絡列車として普通列車のみがあたることや、運用上の拠点でもある車両基地が少ないため効率的な運用を行うには100~300km程度の運用範囲で運行されているものの、JR西日本が広島都市圏で案内している「広島シティネットワーク」の中心駅となる広島駅を越える列車もあり、北海道等では閑散線区でも長大路線があることで、最低限の旅客サービスを行うために長距離運行される列車もある。
ちなみに、夜行列車の場合、有効時間とされる時間が深夜帯となることから、その性格上長距離を走るものが多い。