走水神社 (兵庫県)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
走水神社(はしうどじんじゃ)は、兵庫県神戸市中央区元町通5丁目にある神社。元町商店街から1本南に下った東西の道に面したところに鎮座している。
走水神社は旧走水村の氏神で、社伝によると1100年以上の歴史を持つ由緒ある神社である。五穀豊穣・健康長寿・商売繁盛に学問の神様といわれ、書道の神としても有名で、社殿の脇には筆塚がある。狛犬のかわりに狛牛が神社を守っているというユニークな神社で、1月18・19日の厄除祭と7月24・25日の天神祭が有名である。旧社格は村社。
目次 |
[編集] 略歴
明治維新までは、元町5丁目の山側に極楽寺と八幡神社があったため、この辺り一帯は八幡町と呼ばれていた。その後、1894年(明治7年)には現在の「元町」という地名に改称され、1895年(明治8年)に現在の場所にあった天満宮とこの八幡神社を合祀した時に、現在の場所が旧走水村であったことから「走水神社」と呼ばれるようになった。
[編集] 祭神
[編集] 「走水」の名の由来
元来神戸市中央区は、摂津国に属し、夙川から生田川までの地域が菟原郡(うはらぐん)、生田川から須磨までの地域が八部郡(やたべぐん)と呼ばれていた。そのため東灘区にあるJR住吉駅の南にはうはらホールという名の区民ホールがあり、旧名を残している。
八部郡には、生田郷・神戸郷・宇治郷という3つの郷があった。このうち宇治郷に流れていた川は宇治川と呼ばれ、この川は1938年(昭和13年)の阪神大水害を契機に改修工事が行われ、現在(2006年)は大倉山の東側を流れ、山手幹線を越えるあたりから宇治川商店街の地下を流れ、ハーバーランドの東側に流れる川となっている。
「走水」という名前の由来となった宇治川は、雨が降るたびに「走り渦」で河水が渦を作って流れ、その流域の村はさまざまな被害にあってきた。これにより、この流域にあった村が走水村とよばれるようになった。
「はしうど」由来にはもう一つの説がある。この地域に、天皇に仕えていた氏族の間人が住みついたことから「はしひと」とよぶようになり、のちにそれがなまって「はしうど」となり、「走水」の字があてられた、という説である。
[編集] 近隣の神社
元町商店街でも地区によってそれぞれ氏神が異なる。元町通5・6丁目は走水神社を氏神としているが、元町通4丁目は厳島神社(中央区花隈町)、元町通3丁目は三宮神社(中央区三宮町2丁目)を氏神としている。