豊前国

豊前国（ぶぜんのくに）は、かつて日本の地方行政区分だった国の一つで、西海道に位置する。国域は福岡県東部（北九州市の東側・京築地方）、大分県北部（中津市・宇佐市）に跨っていた。延喜式での格は上国、遠国。

明治時代に山国川を境として福岡県と大分県に分割されたが、豊前国として共通の歴史を持つため、現在でも文化面、生活面での結び付きが強い。

豊前国位置図

[編集] 沿革

7世紀末に、豊国（とよのくに、とよくに）を分割して、豊後国とともに設けられた。豊前は、平安時代まで和名で「とよくにのみちのくち」と読んだ。

明治4年（1871年）、豊前国内にあった3県が統一されて小倉県となった。明治9年（1876年）4月に小倉県は福岡県に編入され、同年8月、豊前国のうち宇佐郡・下毛郡の2郡が大分県に編入された。

国府は仲津郡にあった。現在の福岡県京都郡みやこ町（旧豊津町）の国作で遺跡が発見され、豊前国府跡公園として整備されている。

延喜式神名帳には大社3座3社・小3座3社の計6座6社が記載されている。大社は全て宇佐神宮（大分県宇佐市）にかかわる神社（八幡大菩薩宇佐宮・比売神社・大帯姫廟神社）で、全て名神大社に列している。

一宮は宇佐神宮で、二宮以下は存在しない。総社は惣社八幡神社（福岡県京都郡みやこ町国作字総社）である。

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