複電圧車

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複電圧車（ふくでんあつしゃ）とは、電化区間において異なる複数の電圧に対応することができる鉄道車両（電気機関車、電車）のことである。異電圧区間を直通運転する場合だけでなく、ある線区で電圧の昇圧計画がある場合に、電圧切り替えに現用車で一斉対応できるよう複電圧仕様で製造される場合がある。

電気方式については、直流用・交流用ともに存在する。なお、直流電化区間と交流電化区間を直通できる車両の場合は、交流直流両用車両となる。

目次 1 概要 2 日本における実例 2.1 異電圧区間直通用 2.2 昇圧対応

[編集] 概要

基本的には、異電圧間セクションで車上スイッチにより、それぞれの電圧に対応できるよう回路を切り替える構造になっている。技術的にはさほど複雑ではなく、太平洋戦争前より日本でも存在した。

ヨーロッパの場合、国ごとに電化方式が異なる場合が多いので、TGV・ユーロスター・ICEなど高速鉄道の列車でも切り替え設備を搭載しているものが多い。

[編集] 日本における実例

2006年現在、日本の鉄道において複電圧車が電圧切替機能を活かして直通運転に使用されているのは、下記の例のみである。昇圧対応で複電圧車を使用した例は、車両数の多い大手私鉄を中心に相当数の例がある。

[編集] 異電圧区間直通用

• 東日本旅客鉄道（JR東日本） - 交流25kV/20kV
  • 400系新幹線電車（山形新幹線）
  • E3系新幹線電車（秋田新幹線、山形新幹線）
  • E926形新幹線用試験電車
• 箱根登山鉄道 - 直流1500V/750V（鉄道線）
  • 鉄道線用の全車両

過去の例

• 名古屋鉄道 - 直流1500V/600V
  • 各務原線・田神線・美濃町線直通用
    • モ600形電車
    • モ800形電車（2代）
    • モ870形電車
    • モ880形電車
  • 支線区直通用

[編集] 昇圧対応

• 京王電鉄（京王線） - 直流600V→1500V
• 京阪電気鉄道（京阪本線／京津線・石山坂本線） - 直流600V→1500V
• 阪急電鉄（宝塚本線・神戸本線） - 直流600V→1500V
• 阪神電気鉄道 - 直流600V→1500V
• 南海電気鉄道（南海本線・高野線） - 直流600V→1500V
• 近畿日本鉄道（奈良線・生駒線・京都線・橿原線・天理線・田原本線） - 直流600V→1500V