福井鉄道福武線
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福武線（ふくぶせん）は、福井県越前市の武生新駅から福井県福井市の田原町駅、および市役所前駅から分岐して福井駅前駅までを結ぶ、福井鉄道の鉄道路線。
目次 |
[編集] 路線データ
- 路線距離（営業キロ）：武生新～田原町間20.9km、市役所前～福井駅前間0.5km
- 軌間：1067mm
- 駅数：22駅（起終点駅含む）
- 複線区間：花堂～田原町間、市役所前～福井駅前間
- （※福井駅前付近は2004年の駅整備により、単線化）
- 電化区間：全線（直流600V）
- 閉塞方式：自動閉塞式（武生新～鉄軌分界点間）
- 運転最高速度：65km/h（鉄道線）、40km/h（軌道線）
[編集] 概要
福井県中央部の都市間を結ぶ路線で、全区間で西日本旅客鉄道（JR西日本）北陸本線と並行している。福井新駅付近にある鉄軌分界点からフェニックス通り上を通る田原町駅までの2.8kmと、途中の市役所前駅から分岐して福井駅前駅までの0.5kmは軌道法による軌道で、道路上を走る併用軌道区間となっている。併用軌道区間にも鉄道線の大型車両がそのまま乗り入れている光景は、福井市の特徴ともなっていた。軌道区間は低い停留所である為、鉄道線車両はドアが開くと共に階段状のステップを下げて乗降を行った。
2005年～2006年度にかけて、廃止となった名鉄岐阜市内線で使われていた路面電車タイプの低床車両が搬入され、同時に2006年1月から3月にかけて鉄道線全駅でホームを路面電車用にかさ下げした。2006年4月1日からは鉄道線を含む全線で低床車両が走るようになり、既存車両の取り替えが行われたが、いくつかの鉄道線車両はラッシュ対策のために残され、鉄道線車両は全ての駅でステップを下げて乗降するようになった。
市役所前～福井駅前間の支線は通称駅前線もしくは本線から髭のように分岐している線形からヒゲ線と呼ばれている。花堂以南の無人駅には乗車駅証明書発行機が設置されている。また、雪の多い地域を走ることから、雪害対策のため単線区間の分岐の多くにスノーシェルターが設置されているのも特徴である。
[編集] 運行形態
昼間時間帯は普通列車のみ20分間隔で運転される。急行列車が朝夕のみ武生新～福井駅前間（朝に一部が田原町行き）で運転されている。ただし優等列車が普通列車を抜くことはなく、先発先着の平行ダイヤである。
昼間の武生新発田原町行きの列車と、朝夕の急行列車運転時間帯を除く田原町発武生新方面行きの列車は、福井駅前駅に立ち寄り、市役所前まで戻って行き先へ向かう運行形態（武生新または田原町→市役所前→福井駅前→市役所前→田原町または武生新）をとっている。
並行する北陸本線の福井～武生間では特急列車が概ね20～30分毎に運転されているものの、普通列車は概ね1時間毎の運転なので、北陸本線と比べると本数は多いといえる。
2004年9月30日までは、準急列車が朝（田原町行きは休日運休）に1本のみ武生新～田原町間に運転されていた。同年10月1日からは急行列車が新たに水落駅と準急停車駅だった西武生駅、家久駅に停車している。 また、2006年4月1日のダイヤ改正で低床電車の導入と朝7時台の武生新発田原町行き急行の増発、および昼間の武生新発田原町行きが福井駅前経由に運行形態の変更が行われ利便性が向上した。
[編集] 利用状況
[編集] 輸送実績
福武線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は激減しているが、最近では減少幅が小さくなっている。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色の枠で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色の枠で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色の枠で囲んで表記している。
| 年 度 | 輸送実績（乗車人員）：万人／年度 | 貨物輸送量 万ｔ／年度 |
特 記 事 項 | |||
| 通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 合計 | |||
| 1981年（昭和56年） | 101.8 | 98.0 | 239.4 | 439.3 | 0.04 | |
| 1982年（昭和57年） | 92.2 | 90.2 | 224.7 | 407.2 | 0.02 | |
| 1983年（昭和58年） | 85.4 | 95.0 | 219.1 | 399.5 | 0.03 | |
| 1984年（昭和59年） | 78.0 | 91.9 | 202.8 | 372.7 | 0.0 | |
| 1985年（昭和60年） | 73.1 | 96.6 | 204.7 | 374.4 | 0.0 | |
| 1986年（昭和61年） | 70.6 | 93.7 | 187.4 | 351.7 | 0.0 | |
| 1987年（昭和62年） | 67.1 | 91.9 | 174.0 | 333.0 | 0.0 | |
| 1988年（昭和63年） | 61.2 | 92.3 | 157.9 | 311.4 | 0.0 | |
| 1989年（平成元年） | 54.1 | 86.1 | 152.0 | 292.2 | 0.0 | 花堂南駅開業 |
| 1990年（平成2年） | 50.4 | 87.0 | 155.1 | 292.5 | 0.0 | |
| 1991年（平成3年） | 46.6 | 80.8 | 147.1 | 274.5 | 0.0 | |
| 1992年（平成4年） | 43.2 | 78.3 | 140.0 | 261.5 | 0.0 | |
| 1993年（平成5年） | 39.4 | 77.4 | 143.7 | 260.5 | 0.0 | |
| 1994年（平成6年） | 36.7 | 70.6 | 140.4 | 247.7 | 0.0 | |
| 1995年（平成7年） | 33.6 | 68.5 | 138.1 | 240.2 | 0.0 | |
| 1996年（平成8年） | 31.3 | 60.9 | 128.2 | 220.4 | 0.0 | |
| 1997年（平成9年） | 28.9 | 55.4 | 119.9 | 204.2 | 0.0 | ハーモニーホール駅開業 |
| 1998年（平成10年） | 27.7 | 52.8 | 114.7 | 195.2 | 0.0 | 昼間の急行列車を廃止 |
| 1999年（平成11年） | 26.7 | 53.5 | 111.5 | 191.7 | 0.0 | |
| 2000年（平成12年） | 24.4 | 51.8 | 107.2 | 183.4 | 0.0 | |
| 2001年（平成13年） | 22.1 | 51.5 | 101.0 | 174.6 | 0.0 | |
| 2002年（平成14年） | 18.6 | 51.3 | 98.0 | 167.9 | 0.0 | |
| 2003年（平成15年） | 16.4 | 50.2 | 95.8 | 162.4 | 0.0 | |
| 2004年（平成16年） | 17.4 | 51.9 | 92.8 | 162.1 | 0.0 | |
| 2005年（平成17年） | 0.0 | |||||
| 2006年（平成18年） | 0.0 | 低床電車を導入 | ||||
[編集] 収入実績
福武線の近年の収入実績を下表に記す。収入総合計額は年々減少している。 表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色の枠で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色の枠で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色の枠で囲んで表記している。
| 年 度 | 旅客運賃収入：千円／年度 | 貨物運輸 収入 千円／年度 |
運輸雑収 千円／年度 |
総合計 千円／年度 |
||||
| 通勤定期 | 通学定期 | 定期外 | 手小荷物 | 合 計 | ||||
| 1981年（昭和56年） | 215,362 | ←←←← | 436,712 | 2,550 | 654,624 | 202 | 20,449 | 675,277 |
| 1982年（昭和57年） | 215,820 | ←←←← | 443,240 | 2,488 | 661,548 | 152 | 19,240 | 680,939 |
| 1983年（昭和58年） | 215,191 | ←←←← | 438,503 | 2,212 | 655,906 | 192 | 19,896 | 675,994 |
| 1984年（昭和59年） | 216,182 | ←←←← | 435,183 | 2,105 | 653,470 | 0 | 21,515 | 674,984 |
| 1985年（昭和60年） | 218,083 | ←←←← | 447,361 | 1,774 | 667,218 | 0 | 19,249 | 686,467 |
| 1986年（昭和61年） | 221,092 | ←←←← | 429,384 | 1,625 | 652,101 | 0 | 22,812 | 674,913 |
| 1987年（昭和62年） | 106,552 | 111,209 | 405,263 | 1,403 | 624,427 | 0 | 31,377 | 655,804 |
| 1988年（昭和63年） | 102,523 | 118,514 | 382,815 | 1,306 | 605,158 | 0 | 27,904 | 633,062 |
| 1989年（平成元年） | 89,417 | 111,479 | 365,831 | 1,285 | 568,112 | 0 | 23,827 | 591,839 |
| 1990年（平成2年） | 83,738 | 113,616 | 375,288 | 1,404 | 574,046 | 0 | 25,187 | 599,233 |
| 1991年（平成3年） | 81,605 | 112,685 | 376,763 | 1,469 | 572,522 | 0 | 26,852 | 599,374 |
| 1992年（平成4年） | 75,528 | 107,934 | 354,225 | 1,069 | 538,756 | 0 | 26,746 | 565,502 |
| 1993年（平成5年） | 68,318 | 107,315 | 363,849 | 987 | 540,469 | 0 | 25,357 | 565,826 |
| 1994年（平成6年） | 63,867 | 97,547 | 355,793 | 909 | 518,116 | 0 | 27,063 | 545,179 |
| 1995年（平成7年） | 59,684 | 96,179 | 357,989 | 869 | 514,721 | 0 | 28,927 | 543,648 |
| 1996年（平成8年） | 58,393 | 91,114 | 346,214 | 792 | 496,513 | 0 | 29,469 | 525,982 |
| 1997年（平成9年） | 54,130 | 83,421 | 323,533 | 643 | 461,727 | 0 | 30,280 | 492,007 |
| 1998年（平成10年） | 52,255 | 80,019 | 310,895 | 536 | 443,705 | 0 | 35,065 | 478,770 |
| 1999年（平成11年） | 50,700 | 81,514 | 298,196 | 507 | 430,917 | 0 | 31,468 | 462,385 |
| 2000年（平成12年） | 45,705 | 78,909 | 285,886 | 558 | 411,058 | 0 | 31,558 | 442,616 |
| 2001年（平成13年） | 41,665 | 78,149 | 267,909 | 475 | 388,198 | 0 | 29,492 | 417,690 |
| 2002年（平成14年） | 34,990 | 77,886 | 258,581 | 462 | 371,919 | 0 | 29,077 | 400,996 |
| 2003年（平成15年） | 30,115 | 76,919 | 251,022 | 549 | 358,605 | 0 | 28,100 | 386,705 |
| 2004年（平成16年） | ||||||||
| 2005年（平成17年） | ||||||||
| 2006年（平成18年） | ||||||||
[編集] 施設
[編集] 線形
[編集] 軌道
[編集] 分岐器・転轍器
- 分岐器は、8番・10番のものが用いられている。
- 転轍器は、本線においては、1線スルー運転に必要な箇所については電気転轍機が使用されているが、それ以外の場所では発条転轍機（列車の車輪で分岐器を転換させバネの力で復位させる）も使用されている。
- 乗越分岐器および安全側線が設置されている駅は無く、列車行き違い時の上下列車の駅構内同時進入は不可能である。
[編集] 橋梁
[編集] 車庫
[編集] 変電所
- 上鯖江変電所、神明変電所、江端変電所、福井新変電所、田原町変電所の5箇所の変電所がある。
- 架線電圧が直流600Vと比較的低いため、変電所の数が多いのが特徴である。
- 田原町変電所は最近新設された。
- 旧名鉄岐阜市内線の変電所の発生資材を用いて、各変電所の機器更新工事が実施されている。
[編集] 電路設備
- 架線は、シンプルカテナリー方式である。
- 電柱の木柱→コンクリート柱化工事が進行中である。
[編集] 信号・連動装置・CTC
- 常置信号機として、場内信号機、出発信号機、誘導信号機、入換信号機、中継信号機が設けられている。
- 信号機は、3位式3現示（緑色：G、黄色：Y、赤色：R）が採用されている。
- 列車集中制御装置（CTC）が設置され、武生新駅の運転指令において全駅の信号制御および電気転轍機の制御が可能となっている。
- 連動装置は、第一種継電連動装置または第三種継電連動装置が用いられている。
[編集] ATS
[編集] 踏切
[編集] 歴史
福武電気鉄道が鯖江市神明町にあった旧陸軍鯖江36連隊の兵員輸送を名目に開業させた。戦時下における交通企業統制で1945年に福井鉄道となる。1950年に市役所前～田原町間が開業。本町通り駅（2002年に幸橋架け替え工事に伴い廃止）側から福井駅前駅へ曲がっていた路線は、市役所前駅で田原町方面から分岐する形に改められた。
- 1924年（大正13年）2月23日 福武電気鉄道により武生新～兵営（現在の神明）間が開業。
- 1925年（大正14年）7月26日 兵営～福井新間が開業。
- 1927年（昭和2年）6月5日 浅水駅開業。
- 1929年（昭和4年）8月13日 上鯖江駅、下鯖江駅（現在の西山公園駅）開業。
- 1933年（昭和8年）10月15日 福井新～鉄軌分界点～福井駅前間が開業。
- 1935年（昭和10年）7月1日 水落駅、三十八社駅開業。
- 1935年（昭和10年）10月1日 家久駅、鳥羽中駅開業。
- 1939年（昭和14年）4月 兵営駅を中央駅に改称。
- 1941年（昭和16年）4月1日 急行列車の運転開始。
- 1945年（昭和20年）8月1日 福武電気鉄道が鯖浦電気鉄道などと合併、福井鉄道が発足。
- 1946年（昭和21年）6月 中央駅を神明駅に改称。
- 1950年（昭和25年）7月12日 花堂～福井新間 複線化。
- 1950年（昭和25年）11月27日 市役所前～田原町間が開業。大名町駅を移設し市役所前駅に改称。
- 1962年（昭和37年）4月1日 木田四ツ辻～本町通り間の藤島神社口駅を廃止し、公園口駅開業。
- 1964年（昭和39年）12月11日 裁判所前駅開業。
- 1969年（昭和44年）9月1日 花堂～福井駅前～田原町間の区間運転系統廃止。
- 1979年（昭和54年）10月3日 貨物営業廃止。
- 1980年（昭和55年）4月10日 CTC化完成。
- 1987年（昭和62年）4月10日 下鯖江駅を西山公園駅に改称。
- 1989年（平成元年）10月1日 花堂南駅開業。
- 1993年（平成5年）4月15日 花堂南駅をベル前駅に改称。
- 1997年（平成9年）9月20日 ハーモニーホール駅開業。
- 1998年（平成10年）11月30日 昼間の急行列車を廃止。
- 2002年（平成14年）7月15日 市役所前～公園口間の本町通り駅廃止。
- 2003年（平成15年）12月1日 市役所前～福井駅前間 一部単線化。
- 2004年（平成16年）10月1日 準急列車を廃止。
- 2006年（平成18年）1月～3月 低床車両導入に伴う各駅（福井市内電停除く）のホーム切り下げ工事実施。および、田原町駅に変電所増設。
- 2006年（平成18年）4月1日 全線で低床車両運行開始。
[編集] 駅一覧
- 急行停車駅
- ●：停車、｜：通過
- 普通列車は省略：各駅に停車
- 常駐駅員
- ○：終日配置、×：終日無人、△：休日のみ、◇：ラッシュ時のみ
| 駅名 | 営業キロ | 急行 | 常駐駅員 | 接続路線 | 所在地 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 武生新駅 | 0.0 | ● | ○ | 西日本旅客鉄道：北陸本線（武生駅） | 福井県 | 越前市 |
| 西武生駅 | 0.6 | ● | × | |||
| 家久駅 | 2.4 | ● | × | |||
| 上鯖江駅 | 4.1 | ｜ | × | 鯖江市 | ||
| 西鯖江駅 | 5.3 | ● | ○ | |||
| 西山公園駅 | 6.0 | ｜ | × | |||
| 水落駅 | 7.3 | ● | × | |||
| 神明駅 | 8.5 | ● | ○ | |||
| 鳥羽中駅 | 9.7 | ｜ | × | |||
| 三十八社駅 | 10.9 | ｜ | × | 福井市 | ||
| 浅水駅 | 13.0 | ● | ○ | |||
| ハーモニーホール駅 | 13.8 | ｜ | × | |||
| 江端駅 | 15.5 | ｜ | × | |||
| ベル前駅 | 16.1 | ｜ | △ | |||
| 花堂駅 | 16.9 | ｜ | × | |||
| 福井新駅 | 17.8 | ● | ○ | |||
| 鉄軌分界点 | 18.1 | ｜ | ||||
| 木田四ツ辻駅 | 18.4 | ｜ | × | |||
| 公園口駅 | 18.9 | ｜ | × | |||
| 市役所前駅 | 19.6 | ● | ◇ | |||
| 福井駅前駅 | 20.1 | ● | × | 西日本旅客鉄道：北陸本線（福井駅） えちぜん鉄道：勝山永平寺線（福井駅） |
||
| 裁判所前駅 | 20.2 | ● | × | |||
| 田原町駅 | 20.9 | ● | × | えちぜん鉄道：三国芦原線 | ||
