白亜紀
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
記事の正確さ:この記事の正確さについては疑問が提出されているか、あるいは議論中です。詳しくは、この記事のノートを参照してください。 |
白亜紀(はくあき)とは、地球の地質時代のひとつで、およそ 1億4000万年前から 6500万年前を指す。ジュラ紀に続く時代であり中生代の終わりの時代でもある。次の時代は新生代第三紀の暁新世である。
他の地質時代と同じように白亜紀の開始と終了の地層には際立った特徴があるものの、正確な年代の説には数百万年程度の誤差が見受けられる。白亜紀の終わりを示すイリジウムが大量に含まれた地層、K-T境界が世界中に見つかっている。これは 6430万年前にユカタン半島およびメキシコ湾にある巨大なチクシュルーブ・クレーターを作った隕石の破片が地上に降り積もった物と考えられている。 この隕石の墜落が引き起こした気候変動が、白亜紀最後の恐竜絶滅に関係あるという有力な学説がある。
白亜とは石灰岩のことであり、石灰岩の地層から設定された地質年代のため白亜紀の名がついた。
白亜紀は以下のように11の時代に分けられている。
周辺の時代 | ||||
---|---|---|---|---|
新生代 | 第四紀 | |||
第三紀 | 新第三紀 | |||
古第三紀 | 漸新世 | |||
始新世 | ||||
暁新世 | ||||
中生代 | 白亜紀 | マストリヒシアン | 7060万年 - 6550万年前 | |
カンパニアン | 8350万年 - 7060万年前 | |||
サントニアン | 8580万年 - 8350万年前 | |||
コニアシアン | 8930万年 - 8580万年前 | |||
チューロニアン | 9350万年 - 8930万年前 | |||
セノマニアン | 9960万年 - 9350万年前 | |||
アルビアン | 1億1200万年 - 9960万年前 | |||
アプチアン | 1億2500万年 - 1億1200万年前 | |||
バレミアン | 1億3000万年 - 1億2500万年前 | |||
オーテリビアン | 1億3640万年 - 1億3000万年前 | |||
バランギニアン | 1億4020万年 - 1億3640万年前 | |||
ベリアシアン | 1億4550万年 - 1億4020万年前 | |||
ジュラ紀 | ||||
三畳紀 | ||||
古生代 |
目次 |
[編集] 気候と生物
[編集] 植物
ジュラ紀から白亜紀の境目には大きな絶滅など無く、白亜紀の間温暖で湿度の高い気候が続いた。植物は主流であった原始的な裸子植物やシダなどが減少し、被子植物が主流となって進化、繁栄を遂げた。スギなどの針葉樹は現代と同じ形まで進化し、イチジクやスズカケノキ、モクレンなどが現在とほぼ同じ形となった。
[編集] 地上動物
地上の動物は恐竜や翼竜などの爬虫類が支配的地位を占め、ジュラ紀に続いて全盛期であった。地上、海洋、空を含め多種多様な進化を遂げている。 代表的な種は、ティラノサウルス、トリケラトプス、プテラノドンなど。しかし後期には恐竜は衰退を始める。(後述)
哺乳類はこの時代に形態を大きく進化し胎生を持つようになり、また有袋類と有胎盤類への分化を遂げた。中には恐竜の幼体を襲っていた種類もある。ただし形態は小さな形の種にとどまっていたものが多い。
前時代に恐竜から分岐した鳥類ではこの時代に真鳥類が出現している。陸上性では孔子鳥、海鳥ではヘスペロルニス・イクチオルニスなどが栄えた。しかし白亜紀に全盛を迎えたこれらの鳥類のグループは白亜紀末期にほとんどが絶滅した。この時期に現生鳥類の直系の祖先も出現している。多くの目は白亜紀後期には分化していたようだ。
[編集] 海洋動物
海洋では魚竜、海生ワニ類が絶滅し、変わってモササウルス類、首長竜などが繁栄した。軟骨魚類では現在見られる型のエイやサメ、硬骨魚類ではニシン類が現れ、無脊椎動物では狭義のアンモナイトなどが進化を遂げた。しかしカメ,カンプソサウルス類以外の全ての爬虫類は白亜紀末に絶滅してしまった。またアンモナイトなど無脊椎動物で絶滅したものも多い。
[編集] K-T境界の大絶滅
地上・空・海で繁栄していた爬虫類も、白亜紀の末には減り始めた(最近は減っていなかったという説もある)。
白亜紀末は全生物で大規模な絶滅が起きた(K-T境界)。哺乳類・爬虫類・鳥類の多くが絶滅し、特に恐竜は(現生種につながる真鳥類を除いて)全てが絶滅した。又、アンモナイトが完全に絶滅している。地球の歴史上、古生代末期の大絶滅に次ぐ規模であった。
現在では絶滅の直接の原因は隕石の衝突による物であるという説が主流であるが、それ以外の説もある。実際の原因の解明はこれからの課題である。
[編集] 地質
白亜紀の終わりにかけて、パンゲア大陸は完全に分かれ、配置は異なるものの現在ある大陸と同じ構成になった。北アメリカとヨーロッパがわかれ大西洋が広がり、ゴンドワナ大陸は南極大陸、オーストラリア大陸、アフリカ大陸、南アメリカ大陸に分割した。インドやマダガスカルはまだアフリカと陸続きであった。北アメリカ大陸に食い込むようにしてあった浅い海は石炭層に挟まれて陸地となり、海の堆積物を多く残した。この他で重要な白亜紀の地層の露出は中国とヨーロッパでみられる。また、インドのデカントラップにある大量の溶岩の地層は白亜紀から暁新世にかけての物ということがわかっている。