畳語
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畳語(じょうご)とは、単語またはその一部をなす形態素などの単位を反復して作られた単語をいい、合成語の一種である。畳語を形成することを重畳(ちょうじょう)または重複ともいう。
畳語は次のような、主として俗語的表現に世界的に用いられる:
しかし言語によっては、これ以外のいろいろな文法的機能を発揮するために畳語が用いられる。
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[編集] 形式
ある単位の全体を反復する「完全畳語」、一部を反復する「部分畳語」、また含まれる子音や母音に変化をつけて反復する「音交替的畳語」に分けられる。
[編集] 日本語
日本語では上に挙げたほかに、次のような機能をもった畳語がある。
名詞の複数を表す畳語は上のような例に限られ、「山々」はあっても、「*岡々」のような言い方はできない。
副詞的表現には、名詞(「時々」)、副詞(「さらに」を重ねた「更々」)、形容詞の語幹または語根(「寒々」「白々(しらじら)」)、また動詞に由来するものなどがある。動詞については終止形によるもの(「返す返す」など、あまり多くはなく慣用句的)と連用形によるもの(「食べ食べ」は「食べながら」という接続助詞の代わりという文法機能を持つ)がある。
動詞の連用形によるもの以外は、「ひとびと」のように連濁が起きることがある。
なお、動詞には「つづく」「とどく」「ひびく」のように部分畳語と思われるものが多く、古くこのような造語法があったかもしれない(「たたく」など一部はオノマトペアかもしれない)。
[編集] 中国語
中国語では、強調するためより、むしろ意味を軽くするための畳語が多い。たとえば「看々」は「ちょっと見(看)る」という意味で、「歓迎歓迎」は「いらっしゃい」という意味になる。
[編集] インドネシア語
マライ・ポリネシア語族では文法的機能を持った重畳が多く用いられるが、最もよく知られるのはインドネシア語で複数を表すものである。たとえば"Orang"(人)が"Orang-orang"(人々)になる。この方法は日本語とは違って多くの名詞に適用でき、たとえば"Sekolah"(学校)も"Sekolah-sekolah"という複数形にできる。
[編集] インド・ヨーロッパ語族
インド・ヨーロッパ語族ではあまり畳語を使わず、現在のヨーロッパ言語ではほぼ俗語的表現に限られる。ただし、古代のラテン語、古典ギリシア語やゴート語などでは、動詞の活用に部分重畳を用いたものが少し見られる。例えば、ラテン語:現在形Tango「私は触れる」、完了形Tetigi「私は触れた」。
なお、英語などのオノマトペアには母音を変えた「アプラウト的畳語」(Zigzag、Flip-flop、Cling-clangなど)が多い。