機動刑事ジバン
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『機動刑事ジバン』(きどうけいじジバン)は、1989年(平成元年)1月29日から1990年(平成2年)1月28日までテレビ朝日系で毎週日曜日9:30 - 10:00(9話まで)、毎週日曜日8:00 - 8:30(10話から)に全52話が放送された、東映製作の特撮テレビ番組。およびその中に出てくる主人公の名前。「メタルヒーローシリーズ」の第8弾とされる。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
メタルヒーローシリーズ | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第7作 | 世界忍者戦 ジライヤ |
1988年1月 - 1989年1月 |
第8作 | 機動刑事 ジバン |
1989年1月 - 1990年1月 |
第9作 | 特警 ウインスペクター |
1990年2月 - 1991年1月 |
目次 |
[編集] ストーリー
セントラルシティ署の青年刑事・田村直人は、犯罪組織バイオロンに襲われた五十嵐博士、孫のまゆみを救うために命を落とした。だが彼は、“ジバンプロジェクト”のドナーに選ばれ、サイボーグとして蘇った。普段は同僚たちと共に平刑事を装って捜査にあたっている直人は、ひとたびバイオロンの悪事を嗅ぎつけるや、銀色のボディに包まれた“機動刑事ジバン”に姿を変え、バイオロンを粉砕するのだ!
[編集] スタッフ
- 原作:八手三郎
- プロデューサー:吉川進、折田至、堀長文(東映)、宇都宮恭三(テレビ朝日)
- 監督:小西通雄、岡本明久、宮坂清彦、三ツ村鐵治、小笠原猛
- 脚本:杉村升、藤井邦夫、高久進、扇沢延男(扇澤延男)、鷲山京子、荒木憲一
- アクション監督:金田治、山岡淳二、山田一善、村上潤
- 撮影:瀬尾脩、小泉貴一、工藤矩雄、松村文雄
- 助監督:宮坂清彦、石田秀範、前嶋守男、岩原直樹
- 特撮監督:矢島信男
- 音楽:渡辺宙明
- キャラクターデザイン:雨宮慶太、篠原保
- 製作:東映、ASATSU、テレビ朝日
- 主題歌:OP「機動刑事ジバン」、ED「未来(あした)予報はいつも晴れ」(共に作詞:山川啓介、作曲:鈴木キサブロー、編曲:和泉一弥、歌:串田晃)
- ナレーター:大平透
※ メタルヒーローシリーズでは、本作の第1話より旭通信社が「ASATSU」と記載されるようになった(その後、「ASATSU-DK」→「ADK」となった)。また、東映作品でおなじみのテロップの字体(石井ゴシック体)は本作が最後である。
[編集] 主な登場人物
- 機動刑事ジバン = 田村直人 (演:日下翔平)
- 五十嵐まゆみ (演:間下このみ)
- 片桐洋子 (演:榎田路子)
- 村松清志郎 (演:小西邦夫)
- 坂東武子捜査課長 (演:渡辺マリ)
- 松本美智代 (演:岡崎ゆきえ)
- 五十嵐健三 (演:伊豆肇)
- 柳田誠一 (演:石濱朗)
- 早川良 (演:小林良平)
- ボーイ (声:伊倉一恵)
- ハリー/ハリーボーイ (声:溝口綾)
[編集] 犯罪組織バイオロン
[編集] ジバンの戦力
ジバンのボディはジバンファイバー製で銃弾も弾く。力は鉄骨も持ち上げ、スピードはサラブレッド並み。動力は電気エネルギー。階級は警視庁秘密捜査官、警視正。田村直人(たむら なおと)は必要に応じて自在にジバンに変身する(壁をすり抜けたらもう変身、という事もあった)。
[編集] 基本武装
- マクシミリアン TYPE-3
- ジバンの右腿に収納されている、3種類に変形する武器。
- マクシミリアンスティック
- マクシミリアン TYPE-3 が変形した十手。電流のディスクローズショックを放つ。
- マクシミリアンガン
- マクシミリアン TYPE-3 が変形した光線銃。通常の破壊光線の他、人間に化けたバイオノイドの正体を暴くサーチバスター、マクシミリアンの全エネルギーを放出して大ダメージを与えるラストシューティングという光線も発射可能。
- マクシミリアンソード
- マクシミリアン TYPE-3 が変形した剣。エネルギーを集める事で光り輝く必殺武器になる。敵に突進してすれ違いざまに斬りつけ、振り向きざまに縦斬りを決めるジバンエンド、ジャンプして降下しながら剣を振り下ろすジバンハーケンクラッシュ、ダイダロスで飛行しながら敵を斬るジバンフライングクラッシュという必殺技バリエーションがあり、ジバンエンドが最も多用された。
- 電子手帳
- ジバンの腹部に収納されている電子手帳。ジバンの身分証明書であり、名乗りを上げる際に提示する他、1から9までの3桁の暗証番号の入力により専用マシンやダイダロスを呼ぶ。
- マルチワーカー
- ジバンの右腕に内蔵されており、使用時にせり出してくる。大型の針ニードリルやハイパービームを発射可能。パーフェクトジバンへの強化改造の際に取り外された。
- グリップガン
- ジバンの左腕に内蔵されているワイヤー付き手錠。本編未使用。パーフェクトジバンへの強化改造の際に取り外された。
- 高機動システムウェポン ダイダロス
- 第12話から登場した新装備。普段はレゾンのトランクに格納されており、電子手帳で呼び出す事でジバンのもとに飛んでくる。背中に装着する飛行ユニットと、2連装ビーム砲の2種類の使い方が可能で、ビーム砲モードのダイダロスボンバードは、ビルのワンフロアも一撃で破壊する必殺光線ダイダロスファイヤーを発射する。
[編集] パーフェクトジバン
34話で倒されたジバンが、35話で3つの新兵器を得て強化復活した姿。これらの武器は、いずれも使用時にジバンの元に自動的に転送されて装備される。
- オートデリンガー
- ジバン最強の大型火器。弾丸を高速連射するサブマシンガンモードと、ダイダロスの30倍以上の破壊力を誇る最強必殺技ファイナルキャノンモードの2種類のモードがある。
- ニードリッカー
- 右腕に装着するドリル。ドリルを発射する事も可能。これの追加に伴い、それまで使用していたマルチワーカーは取り外された。
- パワーブレーカー
- 左腕に装着する大型シールド。先端にパワーハンドが付いており、敵を締め付ける。
[編集] メカニック
- レゾン
- ジバンが事件現場に向かう際、最も頻繁に使用される専用パトカー。バンパーのあたりにレーザーレールガンを装備している。ベース車は3代目ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(中期型)。その装備は「防御」に重点がおかれている。
- バイカン
- ジバン専用のオートバイ。バイクの特性上、車より小回りが利くので状況によってレゾンと使い分けされるのだが、大抵はレゾンが使用されるため影が薄い。警察官のバイクなので白バイかと思いきやカラーはスケルトンブラックである。バルーガ砲を装備している。その装備は「攻撃」に重点がおかれている。
- スパイラス
- 飛行型のバイオノイドを追撃する際使用されるステルス VTOL 戦闘機。レーザーバルカンが武器。スパイラスを含めたこれらのマシンはそれぞれ第6世代のコンピューターが内蔵されており、各々が自我を持っている。
[編集] 対バイオロン法
犯罪組織バイオロンを取り締まるために国家上層部が取り決めた法。ジバンが敵を倒す際は、この対バイオロン法を読み上げながら攻撃を加えるのが、お決まりの場面となっている。
- 第一条
- 機動刑事ジバンは、いかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる
- 第二条
- 機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することができる
- (補足)場合によっては抹殺することも許される
- 第三条
- 機動刑事ジバンは、人間の生命を最優先とし、これを顧みないあらゆる命令を排除することができる
- 第五条
- 人間の信じる心を利用し、悪のために操るバイオロンと認めた場合、自らの判断で処罰する事ができる
- 第六条
- 子どもの夢を奪い、その心を傷つけた罪は特に重い
- 第九条
- 機動刑事ジバンは、あらゆる生命体の平和を破壊する者を、自らの判断で抹殺することができる
[編集] 放送リスト
サブタイトル (登場バイオノイド、その他)
- 僕のかわゆい少女ボス (カメレノイド)
- 大好き! ナオトお兄ちゃん (ネコノイド)
- へんな男とおばけ野菜 (ドロノイド)
- すてきなバラのプレゼント (バラノイド)
- 三大メカ出動! アイドルロボを救出せよ! (タコノイド)
- 割れた恐竜の卵のひみつ (ハゲタカノイド)
- 恐怖のハクションおじさん! (カゼノイド)
- デコボコ! 東京モグラ地図 (モグラノイド)
- 猫になった子犬 (ハイエナノイド)
- パパはパパじゃない!? (アクムノイド、夢の中の怪物)
- 少女と戦士の心の誓い (ウニノイド)
- 危うし! 洋子先輩 (ドラゴンノイド)
- 哀しみの少年を救え (スカンクノイド)
- 愛の大逆転ゲーム! (キラーノイド)
- オオカミ男はピアノ好き (オオカミノイド)
- おれは透明人間だぞ!! (クラゲノイド)
- 誕生! 対ジバン必殺兵器 (アゲハノイド)
- 母と娘・悲しみの果てに (アゲハノイド、ヒトデノイド)
- 電子手帳返上! (チュウシャノイド)
- 町にお金が降って来た! (カネノイド)
- スズ虫・毒虫・ゲリラ虫 (ムシノイド)
- マユミがいた!! (ハンターノイド)
- マンガを喰いすぎた怪物 (ヤギノイド)
- ようこそ!! 大霊界へ (ジサツノイド)
- 女神サマをぶッとばせ! (バクハノイド)
- 竜に釣られたグルメ美女 (リュウノイド)
- 愛するわが子は悪魔の子 (ムカデノイド)
- パパはドクターギバ?! (ゾウノイド)
- 集団見合いで大ドンデン! (ダブルノイド)
- 美少年小太郎一座の怪人 (カブキノイド、怪物人間)
- 真夏の夜のニンジャ合戦 (シノビノイド、バイオ下忍)
- パールの涙は金色の海に (ディストノイド)
- ガルボに咲いた千年ハス (ライギョノイド)
- 壮絶! ジバン死す (サイノイド)
- パーフェクトジバンだ! (サイノイド)
- 夢見るチャンバラ怪物! (チャンバラノイド)
- 私は世界一の美女 !? (カメノイド、ゴーレムコスモ)
- 故郷だよ、おっ母さん! (キノコノイド)
- マユミの指輪爆弾!! (ヤドカリノイド)
- 大反乱!! お化け時計 (パンサーノイド)
- 脱線! じゃじゃ馬婦警 (ウワバミノイド)
- 怪物ロックンロール! (ティラノザウルスノイド、ナマズノイド)
- ジバンを刺した洋子…! (コブラノイド、宇宙ビールス)
- 子供になった天才科学者 (スイトルノイド、宇宙蝶)
- 恐怖の人間スルメ作戦! (イカノイド)
- 好き! 二人のお兄ちゃん (怪物コスモ(クイーンコスモ)、宇宙生命体)
- 激突! クリスマス決戦!! (ユニコーンノイド)
- 年忘れバイオロン退治! (ツリガネノイド)
- あばかれたジバン基地 (ニセハハノイド)
- 二人を結ぶ点と線 (偽ジバン(マッド・ガルボ))
- 幻のマユミを斬れ! (マッド・ガルボ)
- 愛の最終決戦!! (ギバノイド(ドクターギバ)、マーシャ、カーシャ)
[編集] 前作との繋がり
第31話「真夏の夜のニンジャ合戦」に橋本巧が前作『世界忍者戦ジライヤ』の山地学役で出演したことから、『ジライヤ』と『ジバン』は世界観が繋がっているという説もあるが、単なるファンサービスあるいは楽屋ネタにすぎないという見方もある。
[編集] 放映ネット局
- 東京都、関東広域圏 ANB〔現:EX〕 テレビ朝日
- 北海道 HTB 北海道テレビ放送
- 青森県 RAB 青森放送
- 岩手県 IBC岩手放送
- 宮城県 KHB 東日本放送
- 秋田県 ABS 秋田放送
- 福島県 KFB 福島放送
- 新潟県 NT21〔現:UX〕 新潟テレビ21
- 山梨県 UTY テレビ山梨
- 石川県 ITC 石川テレビ放送
- 福井県 FBC 福井放送
- 長野県 TSB テレビ信州
- 静岡県 SKT 静岡けんみんテレビ〔現:SATV 静岡朝日テレビ〕
※放送時間が8:00~に移動後はこの時間に自社製作DIY番組「住まいの110番」放送していた関係で遅れネットで放送した。 - 愛知県、中京圏 NBN 名古屋テレビ放送
- 近畿広域圏 ABC 朝日放送
- 鳥取県、島根県 BSS 山陰放送
- 岡山県、香川県 KSB 瀬戸内海放送
- 広島県 HOME 広島ホームテレビ
※放送時間が日曜8:00に移動後は、それまでこの時間に放送していた自社製作ドキュメンタリー番組「新・ふれあいシリーズ」の枠移動ができなかった関係で、土曜7:00に6日遅れで放送した。 - 山口県 KRY 山口放送
- 徳島県 JRT 四国放送
- 愛媛県 EBC テレビ愛媛
- 高知県 KUTV テレビ高知
- 福岡県、佐賀県 KBC 九州朝日放送
- 熊本県 TKU テレビ熊本(1989年2月 - 9月)→KAB 熊本朝日放送(1989年10月 - 1990年1月)
- 大分県 TOS テレビ大分
- 宮崎県 UMK テレビ宮崎
- 鹿児島県 KKB 鹿児島放送
[編集] エピソード
- いわゆるロボコップ的な動作は、前年に放送されていた『仮面ライダーBLACK RX』のロボライダーなどにも見られる。同シリーズでは『特警ウインスペクター』のサポートロイドや『特捜ロボ ジャンパーソン』などに受け継がれている。
- ヒーローものの見せ場の一つであろう変身ポーズや掛け声といった描写は全くなかったため、田村直人からジバンへどのように変身しているかは謎である(物陰などに隠れた次の瞬間にはジバンになっていた)。
- 第25話では、ロダンの「考える人」の銅像に成りすまし、その身体を破って出現するというイレギュラーな登場もしている(どうやって化けたのかは不明)。
- この番組でまゆみを演じた間下このみは、その後も人気子役として大ブレークしていた(詳細は該当記事などを参照)。
- この番組の途中で放送時間が変更されている。これは1989年春改編において、現在も続く「サンデープロジェクト」が立ち上げられたことに伴い、それまで10:30 - 11:00に設定されていたABC制作ドキュメント枠が1時間前倒しされ、それに押し出される形で8時台に移動した形になる。しかし、それまで「題名のない音楽会」を挟んで分断されていた8時台後半のABC制作アニメ枠(同時期に『新ビックリマン』へ移行)と放送時間が連続し、テレビ朝日系では日曜8時台が明確に子供向けの時間帯、9時台以降は大人向けの時間帯と明確に確立された。この日曜8 - 11時台の基本的な編成の枠組みは現在になっても変わっていない(2006年9月時点)。
- 青森放送などのクロスネット局や、広島ホームテレビなどフルネット局でも遅れネットで放送した局では時間移動後もスポンサーは同じであったが、クレジットはクロスネット局・遅れネット局から出していた。局によっては画質・音質もやや落ちた状態で放映された。
- BGMには過去のメタルヒーロー作品や東映特撮作品(共に渡辺宙明作曲物)からの流用も非常に多く、片桐洋子の戦闘シーンでは『巨獣特捜ジャスピオン』の挿入歌(『いつの日平和が』)のインスト版が多用されていた。
テレビ朝日系 日曜9時台後半(1989年1月 - 1989年3月、本番組までメタルヒーローシリーズ) | ||
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前番組 | 機動刑事ジバン | 次番組 |
世界忍者戦ジライヤ | 住めば地球 ※10:30から移動、これ以降ABC制作枠 |
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テレビ朝日系 日曜8時台前半(1989年4月 - 1990年1月、本番組よりメタルヒーローシリーズ) | ||
がまかつ 日本列島釣りある記 | 機動刑事ジバン | 特警ウインスペクター |
メタルヒーローシリーズ |
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ギャバン | シャリバン | シャイダー | ジャスピオン | スピルバン | メタルダー | ジライヤ | ジバン |
ウインスペクター | ソルブレイン | エクシードラフト | ジャンパーソン | ブルースワット | ビーファイター | BFカブト | カブタック | ロボタック |