核戦争
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核戦争(かくせんそう)とは、核兵器を両勢力が主要な兵器として使用して戦われる戦争のこと。
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[編集] 概説
核戦争とは原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾などの核兵器、またそれらを運搬する各種のミサイル、爆撃機、潜水艦などを主要な兵器として両勢力が用いた大規模な戦争を指す。
2006年現在までに核兵器の実戦使用は第二次世界大戦におけるアメリカの日本への2発の原爆投下があるが、核戦争は起こっていない。しかし、1962年のキューバ危機など、核戦争を引き起こしかねない危機は発生している。
[編集] 核戦争の理論
核戦略の研究者の間では核戦争の発生や進行に関していくつかの派が存在する。
[編集] 核戦争を引き起こす要因
核戦争の勃発には基本的に二つの要因があると考えられている。危険性のエスカレートと、奇襲攻撃によるものである。ここでは主な要因について述べる。
- 先制攻撃は核保有国が存在する限り常に存在する可能性である。相手国が核兵器で攻撃される危険性を感じれば、核戦争における初戦の優位を獲得するために先制攻撃を行う可能性がある。
- 危険度のエスカレーションはそれぞれの国家の軍隊が危機的状況において相互に自らの優位性を争奪する過程で軍事的な威嚇のレベルを上げる際に発生する。ゆえに冷戦末期の国際政治において超大国の重要な権益にかかわる地域の紛争にかかわってはいけないという不文律があった。
- 優位性の喪失は相手国が軍事的優位性を確保した場合に、自国が軍事力バランスの変化して発生するものであり、優位性を完全に喪失する前に先制攻撃を実行しようという考えられる。冷戦期の米国の戦略防衛構想はこの問題を取り扱っていた。
- 技術的偶発は意思決定の考えとは無関係に核戦力が行使されて核戦争が勃発するものである。偶発事件には非常にさまざまな種類がある。大陸間弾道ミサイルに搭載される核兵器は作動解除リンクシステムで管理されているが、潜水艦発射弾道ミサイルの核弾頭は技術的制約上システムの管理下にない。ただ責任者全員の同意がなければ発射できない仕組みになっているが、収拾不可能な緊急事態において核兵器が使用される危険性がわずかに残っている。
- 不合理な要素は、情緒不安定・精神疾患・非合理的な政策決定者によってもたらされる。すなわち国際社会に上記のような人物が統治する核保有国が存在する限り、不合理な要素によって核戦争が勃発する危険性は存在する。
[編集] 核攻撃の形態
核戦争が始まる核戦力を用いた攻撃にはいくつかの形態が考えられる。
- 対核戦力先制攻撃:相手国の核戦力の基盤であるミサイルサイロ、潜水艦基地などに対する核戦力を用いた先制攻撃である。ただし、外洋をパトロールする潜水艦には核兵器が搭載されており、その破壊は難しいため、不完全なものとなる可能性が非常に高い。
- 対通常戦力先制攻撃:相手国の通常戦力、陸軍・海軍・空軍の駐屯地・基地に対する核戦力を用いた先制攻撃である。この攻撃が行われる場合は、その後に相手国の戦力を完全に無力化するために通常戦力を用いた攻撃が計画されている可能性が高い。
- 対産業攻撃:発電所、エネルギー施設、産業施設などの経済拠点に対する核戦力を用いた攻撃である。ただし、この攻撃を実施する場合は、目標地域に民間人がいるため、多大な死傷者が出る。
- 対司令部攻撃:首都、統治機関、軍隊の参謀本部などの司令部に対する核戦力を用いた攻撃である。この攻撃は理論上、相手国の報復攻撃を阻止することを目的としたものであるが、軍指導部は核兵器発射権限を各部隊に委譲できるため、実際に指揮系統を機能停止にし、反撃を封じ込めることは非常に難しい。
- 報復攻撃:先制攻撃を受けた場合、相手国の核戦力(場合によっては産業・司令部に対して)を無力化するために核戦力を用いて報復のために攻撃を実施する。報復攻撃には主に二つの方法がある。
- 核テロ攻撃:スーツケースていどの小型の核兵器を用た攻撃を指す。軍事的な分類ではないが、都市で実施すれば高層ビルを崩壊させ、周囲の建築物に多大な被害を与えるという非常に大規模な攻撃が可能であり、非常に危険性が高い。(テロリズムを参照)
[編集] 使用された核兵器
実験以外で使用された核兵器は、下記の2例である。
[編集] 第二次世界大戦
第二次世界大戦は核戦争ではないが、この戦争では人類史上初めて、核兵器が使用された。
[編集] 核戦争の危機
[編集] 冷戦
敵方における核爆発はなかったものの、自らの勢力の武力を誇示する目的で、核兵器の開発、核実験が行われた。
大気圏内核実験は、実験に参加した兵士および核実験場近くに居住する米国市民を蝕み、放射線障害を訴える被災者が発生した。ネバダ砂漠には大規模な核実験場があり、当時、西部劇の野外撮影が行われていた。このため、西部劇関係者には癌や白血病の患者が多いとされる。(参考文献:「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」)
[編集] インドおよびパキスタン間の緊張
南アジアのインドとパキスタンは、三度の印パ戦争を行い、現在でも緊張状態にある。インドは1974年に初の核実験を行い、1998年5月に再度核実験を行った。これに呼応して、パキスタンも1998年5月に核実験を行い、核兵器開発能力をしめした。このため、再度、印パ戦争が勃発したときは、両国間の核戦争になる恐れが生じている。
[編集] アメリカの戦術核使用に対する懸念
アメリカのブッシュ政権は抑止力としての役割を果たす戦略核兵器の縮小に代わり、より実用的な戦術核兵器の使用を公言している。そのため国際的な非難を浴びている。
[編集] 北朝鮮の核問題
[編集] フィクションにおける核戦争
2006年現在、現実には全面核戦争は起きていないが、フィクションの世界では、全面核戦争やその後の世界を舞台にした作品がある。以下はそのような世界を描いた代表的な作品である。
- これが私の御主人様:全面核戦争から1000年後の世界が舞台
- 北斗の拳:199x年、全面核戦争が勃発。
- ザ・デイ・アフター:アメリカとソ連との間で緊張が高まる中、この二国間に核戦争が勃発。
- 第三次世界大戦:もし冷戦が終結してなかったらという仮定で描かれている。
- 風が吹くとき
- 世界大戦争
- わらの犬
- 猿の惑星
- ターミネーター
- なぞの転校生:直接は書かれてはいないが、回想シーンはある。
- 未知への飛行
- 博士の異常な愛情
- コップ一杯の戦争
- 渚にて
- エンド・オブ・ザ・ワールド:(映画“渚にて”のリメイク版)
- 宇宙一の無責任男:直接は書かれていないが、世界観の根底に存在している。通称「ぶち壊しの7日間」
- FUTURE WAR 198X年