如水会
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如水会(じょすいかい)は、文部科学省所管の社団法人(公益法人)。一橋大学の後援等を目的とする。東京都千代田区一ツ橋に、地上14階、地下2階の高層ビル「如水会館」を所有している。
「如水会」の名は、『荘子』(山木篇第二十)の一節「君子交淡如水」(君子の交わりは淡きこと水の如し:才徳のある者の交際は水のようにさっぱりしており、濃密ではないが長続きする)に由来する。会員同士の良き交流が継続することを期して付けられた。命名者は渋沢栄一。
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[編集] 概要
東京高等商業学校(現一橋大学)専攻部廃止の文部省令に対し同校の全校生徒・同窓会が抗議し、学生総退学決議がなされた申酉事件を受け、1914年に母校防衛を理念として設立された。1916年に文部大臣より設立許可を受け、社団法人となった。
一橋大学学生・教員に対する海外留学援助制度は留学先の学費のみならず、往復旅費や月6~8万円の滞在費まで支給する。その他、学生のゼミナール活動に対する如水会館での飲食費補助、如水会館での新入生歓迎会の開催、各界で活躍するOBを招いた寄付講義の開講など、その援助の対象は多岐に亘る。
2003年には一橋大学のシンボルである兼松講堂(国登録有形文化財)が如水会の募金活動によって全面改修された。この時の募金額は10億円に上った。
[編集] 理事長
- 初代:江口定条(1925年 - 1927年、三菱合資会社総理事、南満州鉄道副総裁)
- 第2代:江口定条(1927年 - 1930年)
- 第3代:藤村義苗(1930年 - 1933年、萬歳生命創立者)
- 第4代:江口定条(1933年 - 1935年)
- 第5代:田中都吉(1935年 - 1937年、中外商業新報社長、外務省事務次官)
- 第6代:平生釟三郎(1937年 - 1940年、甲南学園創立者、日本製鐵会長)
- 第7代:平生釟三郎(1940年 - 1943年)
- 第8代:正田貞一郎(1943年 - 1946年、日清製粉創立者、美智子皇后の祖父)
- 第9代:菅礼之助(1946年 - 1949年、東京電力会長、経団連評議会議長)
- 第10代:菅礼之助(1949年 - 1952年)
- 第11代:村田省蔵(1952年 - 1955年、大阪商船社長、逓信大臣兼鉄道大臣)
- 第12代:村田省蔵(1955年 - 1958年)
- 第13代:菅礼之助(1958年 - 1961年)
- 第14代:中島慶次(1961年 - 1964年、王子製紙社長、紙の博物館初代理事長)
- 第15代:中島慶次(1964年 - 1966年)
- 第16代:本田弘敏(1966年 - 1968年、日本ガス協会会長、東京ガス会長)
- 第17代:本田弘敏(1968年 - 1970年)
- 第18代:竹村吉右衛門(1970年 - 1972年、安田生命社長)
- 第19代:竹村吉右衛門(1972年 - 1974年)
- 第20代:高橋朝次郎(1974年 - 1976年、キリンビール社長)
- 第21代:高橋朝次郎(1976年)
- 第22代:茂木啓三郎(1976年 - 1978年、キッコーマン第2代社長・中興の祖)
- 第23代:茂木啓三郎(1978年 - 1980年)
- 第24代:川又克二(1980年 - 1982年、経団連副会長、日産自動車社長)
- 第25代:川又克二(1982年 - 1984年)
- 第26代:田部文一郎(1984年 - 1986年、日本商工会議所副会頭、三菱商事社長)
- 第27代:田部文一郎(1986年 - 1988年)
- 第28代:鈴木永二(1988年 - 1990年、日経連会長、三菱化成社長)
- 第29代:鈴木永二(1990年 - 1992年)
- 第30代:齋藤裕(1992年 - 1994年、経団連副会長、新日本製鐵社長)
- 第31代:齋藤裕(1994年 - 1996年)
- 第32代:伊藤助成(1996年 - 1998年、生命保険協会長、日本生命社長)
- 第33代:伊藤助成(1998年 - 2000年)
- 第34代:奥田碩(2000年 - 2002年、 日本経団連初代会長、トヨタ自動車社長)
- 第35代:奥田碩(2002年 - 2004年)
- 第36代:江頭邦雄(2004年 - 2006年、日本経団連副会長、味の素社長)