女魔術師ポルガラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『女魔術師ポルガラ』は、アメリカの作家デイヴィッド&リー・エディングス(David & Leigh Eddings)によって書かれたファンタジー小説である。
邦訳は早川書房文庫FTより発行されており、その際に3冊に分冊された。
『ベルガリアード物語』『マロリオン物語』は2005年~2006年にかけて再発行された作品だが、この作品は『魔術師ベルガラス』同様、新規で発行された作品である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
『マロリオン物語』における《光と闇の最終決戦》から数年後。
リヴァ(Riva)の女王セ・ネドラ(Ce'Nedra)は、伝説の魔術師にして7000年の時を生きる『祖父』ベルガラス(Belgarath)の自伝に数多くの事柄が抜けていることに憤慨し、夫であるリヴァ王ベルガリオン(Belgarion)とともに冬の《アルダー谷》へ向かう。理由はただひとつ。ベルガラスの娘にして伝説の女魔術師のポルガラ(Polgara)に、彼女の自伝を書いてもらうためだ。
最初は《甥》の妻の願いを拒んでいたポルガラだったが、母ポレドラ(Poledra)の説得により、自らの人生を書き記すことにする。
胎内での成長と出生にまつわる出来事、魔術への覚醒と勉強の日々、双子の妹・ベルダラン(Beldaran)との愛と別れ、戦争の絶えない国家アレンディア(Arendia)の和平と女公爵としての生活、部下である騎士とのロマンス……そして、途絶えそうになったリヴァ王家の血脈の保護。父ベルガラスへの反抗、そして和解――。
4000年の長きにわたる彼女の人生が、ここに明かされる。
[編集] タイトル
- 運命の姉妹(ISBN 4-15-020399-7、2005年10月発行)
- 貴婦人の薔薇(ISBN 4-15-020402-0、2005年11月発行)
- 純白の梟(ISBN 4-15-020405-5、2005年12月発行)
[編集] 主要な登場人物
[編集] 現代(『マロリオン物語』以降
- ポルガラ(Polgara)
- セ・ネドラ(Ce'Nedra)
- ベルガリオン(Belgarion)
- 『ベルガリアード物語』および『マロリオン物語』の主人公。《光の子》としての使命を果たした現在はリヴァの国王にして『西方の大君主』として、世界にその名をとどろかせている。今回は妻のワガママに付き合う形で《アルダー谷》へ向かう。
- ダーニク(Durnik)
- ポレドラ(Poledra)
- ベルガラス(Belgarath)
- ゲラン(Geran)
- カイル(Kail)
- リヴァの《番人》。『マロリオン物語』で暗殺されたブランドの次男。父の後を継ぎ、ベルガリオンの片腕として政務にいそしんでいる。長年《番人》が継承してきた『ブランド』の名を、彼は継承しなかった。
[編集] 過去(《鉄拳》リヴァ逝去まで)
- ベルダラン(Beldaran、2001~2038)
- ポルガラの双子の妹。《アルダーの珠》の守護者《鉄拳》リヴァ(Riva Iron-grip)の妻にして《風の島》リヴァの王妃。金髪の美女で誰からも愛される存在で、ポルガラとの精神的なつながりが深い。リヴァとの間に息子ダラン(Daran)をもうけるが、40代を迎える前に夭折。
- カミオン(Kamion、生没年不明)
- リヴァの貴族で、ポルガラの初恋の男性。のちに《ブランド卿》と名乗り、リヴァの没後、ポルガラとともにダランを支えていく。
- 《鉄拳》リヴァ(Riva Iron-grip、1982~2045)
- サルハイム(Salheim、生没年不明)
- リヴァ在住の整骨医。アレルの生徒のひとり。本業は鍛冶屋。ぶっきらぼうな性格の巨漢だが、腕は良い。ポルガラに整骨術を教えた。
- 白痴の男(生没年不明)
- 《猪首》ドラス(Dras Bull-neck、1978~?)
- 《熊の背》チェレク(Cherek Bear-shoulders)の長男。ドラスニア(Drasnia)の初代国王。ポルガラに告白する。
- 《俊足》アルガー(Algar Fleet-foot、1980~?)
- 《熊の背》チェレクの次男。アルガリア(Algaria)の初代国王。兄同様、ポルガラに求愛する。
- アンラク(Anrak、生没年不明)
- リヴァのいとこ。海に生きる男。ポルガラは最初、彼に敵意を持っていたが……。
- リヴァのいとこ。海に生きる男。ポルガラは最初、彼に敵意を持っていたが……。
[編集] 過去(ボー・ワーキューン滞在時代)
- オントローズ(Ontrose、2910?~2943)
- キレーン(Killane、2280?~2354)
- エラト女公爵になる前からのポルガラの忠実な。本来の職業は大工。何でもそつなく器用にこなす、頭の良いワキューン訛りを喋る男。生涯ポルガラに仕え、彼の死後も彼の家族や子孫がポルガラに仕えることとなる。
- マロン・キレーンソン(Malon Killaneson、?~2944)
- ポルガラの執事。キレーンの弟の直系の子孫。有能で現実的で協力をいとわぬ気持ちを掻き立てる独特の雰囲気を持つ、ワキューン訛りを喋る男。大伯父キレーンにそっくりである。
- アスラナ(Asrana、?~2327)
- カサンドリオン(Kathandrion、?~2327)
- マンガラン(Mangaran、?~2325)
- コロリン(Corrolin、?~2330)
- アレンディアの一国ボー・ミンブル(Vo Mimbre)の公爵。彼もクトゥーチクの策略にはまっていたが、ポルガラとベルガラスによって真実を知らされる。
- ラザン(Lathan、?~2943)
- オントローズの友。ボー・ワキューンの男爵。彼の行動はやがてボー・ワキューン全土を滅亡へと導く。彼が祖国を裏切った理由とは……?
- ラン・ホープ2世(Ran Horb II、生没年不明)
- トルネドラ帝国皇帝。大街道の創設に尽力し、ポルガラがエラト公国を民の手で自立させるため、国の名称をセンダリア(Sendaria)に変えた後、センダリアの初代国王選挙を実施した。
[編集] 過去(リヴァ王家一族暗殺事件以降)
[編集] (1)リヴァ王家の子孫たち
- ゲラン(Geran、?~4066年)
- ゴレクの孫。祖父をはじめ次々と家族が殺されるなか、唯一生き延びた少年。ポルガラは彼の子孫を生涯護っていくこととなる。
- デイヴォン(Davon、4013~4080年)
- ゲランの息子。
- アルテン(Alten、4041~4080年)
- デイヴォンの息子。
- ゲラン(Geran、4071~?)
- アルテンの息子。妻(名前不明)との間に長男と4人の娘(いずれも名前不明)をもうける。息子は大工に奉公する。
-
-
- ※以後、数百年にわたって、ポルガラとゲランの子孫はセンダリアの各地を点々とする。
-
- ダリオン(Darion、生没年不明)
- ゲランの子孫。ポルガラとともにセンダリアの町サルターン(Sulturn)に住んでいたが、リヴァ王家の子孫を滅ぼさんとするマーゴ人に居場所が特定されてしまう……。
- ケラン(Khelan、4416~?)
- ダリオンの息子。転居したドラスニアのコトゥ(Kotu)で産まれた。
-
-
- ※4500年にポルガラとリヴァ王家の子孫はドラスニアのボクトール(Boktor)に、4570年にチェレクのヴァル・アローン(Val Alorn)に移り住んだ。
-
- ダリエル(Dariel、生没年不明)
- リヴァ王家の子孫。チェレクの発明家。
-
-
- ※以後200年間、ポルガラとリヴァ王家の子孫はチェレクで暮らす。が、4750年にアルガリアへ移り住むこととなる。
-
- ガリエル(Gariel、生没年不明)
- リヴァ王家の子孫。
- ダラン(Daran、4756~?)
- ガリエルの息子。
- ゲラン(Geran、4779~?)
- ダランの息子。
- ダレル(Darel、4801~4851)
- ゲランの息子。ポルガラとともにアルダーフォード(Aldurford)に移住する。
- ガレル(Garel、4841~4867)
- ダレルの息子。父の死にともない、ポルガラと母アダナ(Adana)に伴われてアルガリアに移住する。
- ゲレイン(Gelane、4861~4902)
- ガレルの息子。幼いうちに父・ガレルを亡くしたため6歳にして自分の素性をポルガラに教えられる。このことがきっかけで彼は移住したセンダリアの町セリネ(Seline)で大事件を引き起こすことになる。
- ガレル(Garel、4899~?)
- ゲレインの息子。ゲレインがセリネで大事件を起こしたあと引っ越したチェレクの町エンガード(Emgaard)で産まれる。
- ダリオン(Darion、生没年不明)
- ガレルの息子。13人の兄弟姉妹の長男。
-
-
- ※以後、数世紀近くもの間、ポルガラとリヴァ王朝の子孫たちはエンガードで暮らし続ける。それは5250年まで続いた。
-
- ゲラン(Geran、生没年不明)
- 5250年現在のリヴァ王族の後継者。
- ダリオン(Darion、?~5334)
- ゲランの息子。老衰の一歩手前の父ゲランを残し、妻子とともにメダリアの町(Medalia)に移住する。
- ダレル(Darral、5290?~5349)
- ゲランの息子。妻子とともにアルガリアの国境付近にある村アナス(Annath)へ移住する。が、仕事場の石切り場で、チャンダー(Chamdar)の魔術により殺されてしまう。
- ゲラン(Geran、5329~5355)
- ダレルの息子。息子の誕生の後、妻のイルデラ(Ildera)ともどもチャンダーに家ごと焼き殺される。
- ガリオン(Garion,5355~)
- のちのベルガリオン(Belgarion)。《神をほふる者》。エラスタイドの日に生まれ、火事で唯一生き残った彼はポルガラとともにセンダリアのファルドー農園(Faldor's Farm)で暮らすことになる。その後の人生は『ベルガリアード物語』、『マロリオン物語』で描かれる。
[編集] (2)ポルガラに関係する人物
- ブランド(Brand、生没年不明)
- リヴァの《番人》。唯一の王族の生き残りであるゲランの命を護るため、彼をポルガラに託す。
-
-
- ※のちに登場するブランドとは別人である。
-
- ハッタン(Hattan、?~4041)
- アルガリア人(Algars)。牛の売り買いで生計を立てる商人。寡黙な男だが、ポルガラの良き理解者で、将来のためのアドバイスもする。娘のエルデラ(Eldara)はゲランの妻になる。
- チョ・ラム(Cho-Ram、生没年不明)
- アルガリアの族長。父を心臓発作で失ったガレルと母アダナ(Adana)を家族として受け入れ、邪神トラクの侵略を阻止するべく他の西方諸国の軍勢とともに戦う。
- ワイルダンター(Wildantor、生没年不明)
- アスター人の男爵。『ボー・ミンブルの戦い』におけるアスター人の射手のリーダー格。《弓師》レルドリン(Lelldorin)の祖先。ボー・マンドール男爵と友情関係を築く。
- ボー・マンドール(Vo Mandor、生没年不明)
- ミンブル人(Mimbrate)の男爵。『ボー・ミンブルの戦い』におけるミンブル騎士団のリーダー格。ポルガラの親友アスラナの子孫にして、マンドラレンの先祖。ワイルダンター男爵との友情に目覚める。
- マヤセラーナ(Mayaserana、4858?~
- ボー・アスター公爵エルダランの娘。のちにコロダリンとともにアレンディアに平和をもたらす。
- コロダリン(Korodullin、4858?~
- ボー・ミンブル公爵アルドリゲンの息子。のちにマヤセラーナとともにアスター人とミンブル人の争いに終止符を打つことになる。
- エルダラン(Elladan、生没年不明)
- ボー・アスター公爵。ポルガラの魔術の前に苦しみ、しぶしぶアスターとミンブルの休戦協定を受け入れることに。
- アルドリゲン(Aldorigen、生没年不明)
- ボー・ミンブル公爵。彼もまたポルガラの魔術に悶え苦しみ、彼女の提案を受け入れることに。
- ラン・ボルーン(Ran Borune、生没年不明)
- トルネドラ帝国皇帝。
カテゴリ: アメリカ合衆国の小説 | ファンタジー小説 | 文学関連のスタブ