ベルガリアード物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『ベルガリアード物語』は、アメリカの作家デイヴィッド・エディングス(David Eddings)によって書かれたファンタジー小説である。
全5巻で構成。邦訳は、早川書房文庫FTより発行されている。
世界に広がる各国の文化や生活様式が物語にちりばめられ、独自の世界としての完成度は非常に高い。
続編として『マロリオン物語』や、ベルガラスやポルガラの過去の話である『魔術師ベルガラス』『女魔術師ポルガラ』(邦訳は同じく早川書房)、舞台となる世界の解説書「The Rivan Codex」(未訳)がある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
主人公の少年・ガリオン(ベルガリオン)は、とある農園で『ポルおばさん』に普通の少年として育てられていた。時折おとずれる吟遊詩人『ミスター・ウルフ』は彼にさまざまな物語を語る。が、ある日突然、ガリオンは夜な夜な農園を離れ、長い旅路につくこととなる。
その道中でミスター・ウルフが魔術師ベルガラスであり、ポルおばさんが彼の娘ポルガラであることを知ることになる。ふたりは数千年の長きにわたって予言の成就のために、その魔術と智恵で世界を邪神トラクの脅威から守り続けてきたこと、旅の目的は、現在は王のいない国・リヴァにあったアルダーの珠(The Orb of Aldur)(クトラグ・ヤスカ、Cthrag Yaska)を取り戻すことであったことを知る。
鍛冶屋のダーニク、商人にして軽業師のシルクといった仲間たちとともに旅をすすめるうちに、彼は己の秘めた力に気づき、出生の謎を解き明かしていくことになる。そして、彼は神々が長らく待ち続けた光の子であることも、トラクと戦うという宿命も知る。「どうして僕なの?」という問いかけもむなしく旅は続き、ガリオンは光と闇の対決へ向かうこととなる……。
[編集] タイトル
括弧内は原題
- 予言の守護者(Pawn of Prophecy)訳者:宇佐川 晶子、発行年:1982年(日本:1988年、2005年2月に再刊)
- 蛇神の女王(Queen of Sorcery)訳者:佐藤 ひろみ、発行年:1982年(日本:1988年、2005年3月に再刊)
- 竜神の高僧(Magcian's Gambit)訳者:佐藤 ひろみ、発行年:1983年(日本:1988年、2005年4月に再刊)
- 魔術師の城塞(Casle of Wizardry)訳者:柿沼 瑛子、発行年:1984年(日本:1988年、2005年5月に再刊)
- 勝負の終わり(Enchantaer's End Game)訳者:柿沼 瑛子、発行年:1984年(日本:1989年、2005年6月に再刊)
[編集] 主要な登場人物
[編集] 旅の仲間
-
- ※【】内は予言に登場する呼び名である。
- ガリオン(Garion、後にベルガリオン (Belgarion) ):【選ばれし者】
- ベルガラス(Belgarath):【永遠なる男】
- ポルガラ(Polgara)
- セ・ネドラ(Ce'Nedra):【世界の女王】
- ダーニク(Durnik):【二つの命を持つ男】
- バラク(Barak):【恐ろしい熊】
- シルク(Silk、ケルダー王子 (Prince Kheldar) ):【案内人】
- レルドリン(Lelldorin):【弓師】
- マンドラレン(Mandorallen):【護衛の騎士】
- ヘター(Hettar):【馬の首長】
- レルグ(Relg):【盲目の男】
- タイバ(Taiba):【絶えた種族の母】
- エランド(Errand):【珠かつぎ】
[編集] 敵
- アシャラク(Asharak、チャンダー (Chamdar) )
- ブリル(Brill)
- クトゥーチク(Ctuchik)
- ナチャク(Nachak)
- ゼダー(Zedar、かつてのベルゼダー(Belzedar) )
[編集] その他の魔術師たち
- ベルディン(Beldin)
- ベルキラとベルティラ(Belkira & Beltira)
[編集] 神
- アルダー(Aldur)
- ベラー(Belar)
- チャルダン(Chaldan)
- イサ(Issa)
- ネドラ(Nedra)
- マラ(Mara)
- トラク(Torak)
- ウル(UL)
[編集] 国家
[編集] アローン人国家
-
- ※(神:熊神ベラー)
-
- リヴァ、風の島(The Isle of the Winds,Riva)
- リヴァ人の住む国。創始者はチェレクの末息子・リヴァ。《アルダーの珠》を守護する要塞国家。西方諸国の北西部にある。現在の統治者はリヴァの《番人》ブランド(Brand,のちにベルガリオン王)
- チェレク(Cherek)
- チェレク人の住む国。創始者はヴァル・アローンの王・チェレク。海洋国家。西方諸国の北西部にある。現在の統治者はアンヘグ王(Anheg)。バラクは彼の従兄弟である。
- ドラスニア(Drasnia)
- ドラスニア人の住む国。創始者はチェレクの長男・ドラス。密偵国家。西方諸国の北部にある。現在の統治者はローダー王(Rhodar)。シルクはこの国の王子でもある。
- アルガリア(Algaria)
- リヴァ、風の島(The Isle of the Winds,Riva)
[編集] その他西方諸国
-
- センダリア(Sendaria)……(神:すべての神)
- 諸民族の混血であるセンダリア人が住む王国。西方諸国の中西部にある。現在の統治者はフルラク王(Fulrach)。この国にあるファルドー農園でガリオンは育ち、ダーニクもこの国で生まれ育った。
- ウルゴランド(Ulgoland)……(神:ウル)
- ウルゴ人が住む国。地下国家。西方諸国のほぼ中部にある。この国を統率する者はみな『ゴリム』(Gorim)を名乗る習慣がある。レルグはこの国の住人で、次期ゴリムの後見人である。
- アレンディア(Arendia)……(神:雄牛神チャルダン)
- トルネドラ(Tolnedra)……(神:獅子神ネドラ)
- トルネドラ人が住む帝国。商業国家。西方諸国の中部にある。現在の統治者は皇帝ラン・ボルーン23世(Ran Borune XXIII)。セ・ネドラはラン・ボルーン23世のたったひとりの愛娘。
- ニーサ(Nyssia)……(神:蛇神イサ)
- ニーサ人が住む国。麻薬国家。西方諸国の西部にある。創始者はイサに仕えた巫女・サルミスラ(Salmissra)。歴代の統治者は、何十人かの候補となる女の子供をサルミスラに寸分たがわぬ容貌になるよう教育し、そのなかから『サルミスラ』として選ぶ習慣がある。
- センダリア(Sendaria)……(神:すべての神)
[編集] アンガラク人国家
-
- (神:竜神トラク)
-
- クトル・マーゴス(Cthol Murgos)
- マーゴ人の住む国。西方諸国の中部~南部を支配する。現在の統治者はタウル・ウルガス王(Taur Urgas)。
- ミシュラク・アク・タール(Mishrak ac Thull)
- タール人の住む国。西方諸国の東部にある。現在の統治者はゲゼール王(Gethell)。
- ガール・オグ・ナドラク(Gar og Nadrak)
- ナドラク人の住む国。西方諸国の北東部にある。現在の統治者はドロスタ・レク・タン王(Drosta lek Thun)。
- マロリー(Mallorea)
- マロリー人の住む東方の大国。東方諸国の最北西にある。トラクの眠る【永遠なる夜の都】クトル・ミシュラクを護っている。現在の統治者は皇帝ザカーズ(Zakath)。
- クトル・マーゴス(Cthol Murgos)
神を持たない民族
- モリンド人(Morindim)
- ガール・オグ・ナドラクの北にそびえる山脈の北側に住む民族。悪魔崇拝国家。種族単位で生活しているため、統治者はいない。
-
-
- ※梟神アルダーは民を持たず、ベルガラスをはじめとする魔術師を数人育てている。蝙蝠神マラはかつて民(=マラゴー人)を持っていたが、ごくごく一部を除いてトルネドラ人によって虐殺された。
-