国際通貨基金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国際通貨基金(こくさいつうかききん、"International Monetary Fund"、略称IMF)は、為替相場の安定を図ることを目的に設立された、国連の専門機関。世界銀行と共に、国際金融秩序の根幹を成す。
本部はワシントンD.C.。2003年7月現在の加盟国は184。
為替相場の安定のために、国際収支が悪化した国への融資や、為替相場と各国の為替政策の監視などを行っている。各国の中央銀行の取りまとめ役のような役割を負う。
かつては融資を行う際に、内政不干渉の原則を守り、特に大きな条件をつけることはなかったが、成果があがらない国も多い。このため、現在では、融資の効果を阻害するような政治状態の国には、政策改善を条件に融資を行うようになった。この際に対象国に課せられる政策のことを構造調整計画と呼ぶ。
目次 |
[編集] 沿革
1944年:アメリカ合衆国、ニューハンプシャー州のブレトンウッズで開かれた国際連合の金融・財政会議のブレトン・ウッズ協定によって、戦後復興策の一環として国際復興開発銀行と共に創設された。
1947年: IMF協定が発効し実際の業務を開始し、国際連合と協定を結び専門機関となった。
[編集] 機構
意思決定は、各国二人の代表者(財務大臣や中央銀行総裁など)で構成される理事会で行われるが、投票権は分担金の支払い比率に応じて与えられる。この分担金がIMFの財源であり、経済規模に応じて定められている。
[編集] 専務理事
専務理事(managing director)は暗黙の了解として欧州出身者が選出されている。
- 1941年~1951年:カミーユ・ガット(ベルギー)
- 1951年~1956年:イヴァル・ルース(スウェーデン)
- 1956年~1963年:ペール・ヤコブソン(スウェーデン)
- 1963年~1973年:ピエール=ポール・シュバイツァー(フランス)
- 1973年~1978年:ヨハネス・ヴィトフェーン(オランダ)
- 1978年~1987年:ジャック・ド・ラロジエール(フランス)
- 1987年~2000年:ミシェル・カムドシュ(フランス)
- 2000年~2004年:ホルスト・ケーラー(ドイツ)
- 2004年~ :ロドリゴ・ラト(スペイン)
[編集] 日本の関連
合同開発委員会とは、G7を含む先進国、途上国の24か国の財務大臣、開発担当大臣等が一堂に会し、途上国への開発援助問題に関するその時々の重要なトピックについて議論し、世界銀行・IMFの総務会に勧告を行うハイレベルな会合である。事務局長は、開発委員会議長、世界銀行総裁、及びIMF専務理事と協議しつつ、委員会の運営にあたる。
[編集] 関連項目
- 特別引出権(SDR)