十三恐怖症
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十三恐怖症（じゅうさんきょうふしょう）は、13という数字に対する恐怖症で、「13は不吉な数である」という迷信に基づくものである。
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[編集] 起源
十三恐怖症は、複数の不吉に感じられたとされる事象から発生していると考えられている。
[編集] 数的要因
多くの西洋の言語では、12までは特別な名称（例えば英語ならtwelve）を持っており、また12が1・2・3・4・6と多くの公約数を持つ特性などから、12という数字自体が完全な調和を持つ存在として特別視・神聖視されていることも多い。そのためか、東西を問わず「十二使徒」「十二神将」などに用いられている。それに対し、12に付す数でありながら割り切れない素数である13は、その調和性を乱すものとして「悪い数」だと考えられたといわれている。
太陽暦であるグレゴリオ暦や太陰暦であるイスラム暦では常に1年は12か月であるのに対し、太陰太陽暦では数年に1度1年が13か月（閏月）になる、ということとも関連がある。
[編集] 宗教的要因
北欧神話において、12人の神が祝宴を催していた時に、招かれざる13人目の客としてロキが乱入している。このロキがヘズをたぶらかしてバルドルを殺害させており、後に起こるラグナロク勃発の起因となっている。キリスト教神話において、サタンを13番目の天使であるとする設定は、土着神話のキリスト教化の中で、この話を元にしているとされる。
13という数字は聖書でも特別な意味を持っている。イエスを裏切った弟子であるユダは、最後の晩餐で13番目の席についていたとされる。また、キリスト教において13日の金曜日が不吉の象徴とされていたこともあり、忌むべき数のひとつとなっている。
[編集] 症例
[編集] 社会における症状
- 多くの建物で「13階」という名前の階層を作ることが忌み嫌われる。12階の上層を作る場合、その階層名を「12b階」「12半階」という表現を使ったり、13階を飛ばして「14階」にされている。これはアパートなどの部屋番号や、飛行機の座席番号などでも同様である。空港には13番ゲート・13番滑走路が存在しないこともある。
- 生活の中においても13を嫌って除く傾向はしばしば見られるが、そのほか「13番目」という順序に限らず、「全部で13人」「全13巻」などの最大数が13になることも同様に嫌われる。パーティーなどにおいて、14番目に来場した賓客を「13を免れた」として歓迎することがある。
- 十三恐怖症の中でも特に深刻で、罹患者の多い症状が13日の金曜日恐怖症(paraskavedekatriaphobia または friggatriskaidekaphobia)である。「今日は何をしても失敗する」「この日に何かをすると不幸が待ち受けている」といった強迫観念に囚われることがしばしばあり、積極的な行動を阻害して経済的損失を生むともいわれている。
[編集] 事故にまつわる症状
- F1競技においては、カーゼッケンに「13番」を付けたレーサーの死亡事故例が2件あって以来、13番を用いないこととなっている。もちろん、13番以外のカーゼッケンでも死亡事故は起きている。
- 最も有名な13にまつわる不吉な事故に、アポロ13号の事故がある。打ち上げがアメリカ時間で13:13であったこともあり、科学の結晶が十三恐怖症のさらなる拡大に寄与してしまう、皮肉な結果をもたらした。
[編集] 人物に関する症状
- オーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルク（1874年9月13日 - 1951年7月13日）は十三恐怖症に罹っていたといわれている。13日に産まれた彼自身が「7+6は13となるから、自分は76歳で死ぬだろう」と考えていたとされる逸話がある。
[編集] 歴史中に見られる症状
- 紀元前1760年頃に編纂されたとされるハンムラビ法典において、番号つきのリスト中に第13条が現存していない。これが故意による紛失であれば、最古の十三恐怖症の症状であり、十三恐怖症が宗教的要因の生まれる時期よりもはるか昔から存在していたことを示すことになる。
- 第二次世界大戦後にGHQに接収された巣鴨拘置所に設置された絞首台が13段の階段を設けていたと伝えられ、「13階段」は日本で死刑執行を意味すること隠語になっている。但し、歴史上の絞首台の段数はまちまちで、13段はあくまで一例のようである。
[編集] 類似した恐怖症
[編集] 4恐怖症
[編集] 17恐怖症
イタリアでは、17が不吉な数字とされる。17をローマ数字で書くと「XVII」となり、これを並び替えると「VIXI」となる。これはラテン語で「私は生きた」という意味で、転じて「私の人生は終わった」＝「死」という意味になるとして不吉視されている。
これも13と同様に、建築物の階数表記や部屋番号などにおいて飛ばされることがある。ほか、イタリアの航空会社アリタリア航空の航空機には客席に「17列」が存在しない。フランスの自動車会社ルノーはR17という車種を、イタリア向け販売の際には「R177」として販売している。
[編集] 獣の数字666
新約聖書の「ヨハネの黙示録」において、「ここに知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は666である。（13章18節）」と記されている。
この意味は諸説あるものの、これを不吉な数字と捉える傾向も多く存在し、キリスト教社会において忌むべき数とされる。映画「オーメン」の劇中において、6月6日6時に産まれた悪魔の子・ダミアンによる災禍を描いており、これも恐怖症形成の一助となったといわれている。
[編集] 関連項目
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