ゴジラvsデストロイア
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『ゴジラvsデストロイア』(ゴジラたいデストロイア、またはゴジラ ブイエス デストロイア)は、1995年12月9日に公開された特撮怪獣映画で、ゴジラシリーズの第22作。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
「ゴジラ死す」のキャッチコピーとともに、ゴジラが41歳の生涯を閉じた作品として話題を呼んだ。最終回にふさわしく1954年の第1作『ゴジラ』へのオマージュ色が濃く、第1作ゆかりの人物やエピソードが多数登場する。平成VSシリーズの完結編。冒頭から体内の核エネルギーが暴走して赤く光り輝くゴジラの姿が強いインパクトを与え、ゴジラと新怪獣デストロイアの激闘は、ゴジラ最期の対決に相応しいもので、クライマックスのメルトダウンで地上から消滅するゴジラの姿は、涙無くしては観られない感動の名シーン。そのためゴジラファンがゴジラの葬式を出したことがあった程である。
4年後にはまた新たなシリーズが再開されているが、年来のゴジラファンの中には『ゴジラ2000 ミレニアム』以降の作品を≪ゴジラ≫と認めない者も少なからず存在する。
理由としては、ゴジラ本来のテーマである「核」・「環境破壊」といった人間によるエゴイズムへのアンチテーゼが後作には見られないこと、一貫した作品・シリーズに対するテーマ性がなく場当たり的作風が数多く見受けられること、またゴジラ作品の元を作り上げ、第一作から本作までプロデューサーとして常にリードし、シリーズの方向性に決定力を与え続けた田中友幸が1997年に亡くなったことでシリーズ映画としての「ゴジラ」が終焉を迎えたのではないかと考えられることなどのの理由が挙げられる。故に「核」の申し子・ゴジラの最期を悲劇的に描いた本作がシリーズ最終作には相応しいとみている(とはいえ、パンフレットで田中は「ゴジラはまたいつかスクリーンに帰ってきます」と明言しており、この時点でシリーズが『休止』であることを再三訴えていた)。
この作品はゴジラシリーズの製作の田中友幸の遺作となっており、また、音楽の伊福部昭もゴジラシリーズ最後の作品となった。
主要襲撃地点は、香港、東京(羽田空港、有明)。また、ゴジラは愛媛県の伊方原子力発電所に接近したが寸前で阻止され、四国上陸は果たされなかった。
ゴジラの体内で暴走する核エネルギーを沈静させるために冷凍系の兵器で武装した自衛隊の新兵器、「スーパーX3」が活躍した。なお、この作品で敵怪獣に止めを刺したのはゴジラではなくこのスーパーX3率いる自衛隊の冷凍兵器部隊である(当初はゴジラが止めを刺す案であったが変更されている)。
デストロイアの幼体群が等身大の人間と戦う為、その演出にはハリウッド映画の『エイリアン2』や『ターミネーター2』、『ジュラシック・パーク』からの影響が見られる。
観客動員数は400万人、配給収入は20億円と、『ゴジラvsモスラ』に続き、平成作品では2位の興行成績を残した。なお、1998年7月にテレビ放映された際も、12.9%という高い視聴率を獲得。ちなみに、同時期に放送された大ヒット作『ジュラシック・パーク』の視聴率が13.0%だったので、ハリウッドの大作なみの人気を獲得しているといえる。
[編集] ストーリー
バース島が消滅し、ゴジラとリトルゴジラが姿を消した。しかし、香港に出現したゴジラの姿は赤く発光し蒸気を上げており、赤いスパイラル熱線を吐きながら香港の町を蹂躙していった。バース島消滅は、その地下の高純度の天然ウランが熱水に反応した結果の爆発であり、その影響を受けたゴジラは、いつ核爆発を起こしてもおかしくない状態であった。
同じ頃、東京周辺において異変が発生。東京湾横断道路で工事用パイプが消滅し、しながわ水族館では魚が突然骨と化した。その原因は、かつてオキシジェンデストロイヤーを使用してゴジラを死滅させた時、海底に眠っていた古生代の微小生命体が無酸素環境下で復活し、異常進化を遂げた恐るべき生物・デストロイアであった。デストロイアは人間大の大きさとなって警視庁の特殊部隊SUMPを襲い、更には自衛隊の攻撃に対して集合、合体し、40メートルの巨大生物と化して東京を破壊した。
御前崎沖に、ゴジラより小さい、ゴジラジュニアと呼ぶべき怪獣が出現した。それは行方不明となっていたリトルゴジラが、天然ウランの影響を受け成長した姿であった。バース島を失ったゴジラジュニアは、自らの故郷であるアドノア島へ帰ろうとしていたのだった。
ゴジラは、伊方原子力発電所を襲撃しようとした際にスーパーX3の放ったカドミウム弾を受け、体内の核分裂が制御されたため、核爆発の危機を免れる。しかし、今度は体内の温度が1200度に達した時にメルトダウンが発生する事が判明、地球が灼熱の星と化してしまう危機が訪れる。もはやゴジラを倒せるのは、オキシジェンデストロイヤー=デストロイアしかいない。ゴジラとデストロイアを戦わせるため、ゴジラジュニアを囮としてデストロイアに向かわせる作戦が提案されるが……。
[編集] スタッフ
[編集] 出演
- 伊集院研作:辰巳琢郎
- 山根ゆかり:石野陽子
- 山根健吉:林泰文
- 山根恵美子:河内桃子
- 三枝未希:小高恵美
- 麻生孝昭(Gフォース司令官):中尾彬
- 黒木翔(自衛隊特殊戦略作戦室特佐):高嶋政宏
- 国友満(G対策センター長官):篠田三郎
- ゴジラ:薩摩剣八郎
- デストロイア(完全体):播谷亮
- デストロイア:柳田英一
- ゴジラジュニア:破李拳竜
- ※第1作のヒロインだった山根恵美子を、41年ぶりに同じ女優が演じている。
- ※本来なら国友満役を細川俊之が演じるはずだったが急病により途中降板している。
- ※黒木役は当初『ゴジラvsビオランテ』同様高嶋政伸が演じる予定であったが、スケジュールの予定が付かなくなったため、実兄である政宏が演じている。