ヤマハ・RZV500R
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ヤマハ・RZV500R(アールゼットブイ500アール)とは、ヤマハ発動機が1984年4月より販売を開始したオートバイ。車体種別はレーサーレプリカ(スーパースポーツ)。
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[編集] 概要
当時のロードレース世界選手権GP500クラスに出場していた同社のワークスレーサー、「YZR500」のレプリカモデルとして1983年より輸出されていた海外専用車種「RD500LC」の日本国内仕様として登場した。
YZRのフルレプリカという意欲的なコンセプトとメカニズムを持ち、潜在的な性能では4サイクル750ccを上回るとの評価を受けた同車であったが、国内でのメーカー希望小売価格が82万5000円と割高であった上、当時の日本では自動二輪免許の限定解除審査を受けなければ乗れなかった500ccという排気量のみのラインアップであったため、販売面では苦戦を強いられることになった不運な1台としても知られている(当時のビッグ2サイクル市場では、ヤマハは中型ライダーにはRZ350RRを用意しており、一方でライバルメーカーであるホンダは、NS500のレプリカモデルを400cc化したNS400Rとし、スズキはRG500のレプリカモデルをRG400Γ/500Γの2本立てとしていた)。
[編集] メカニズム
搭載されているエンジンは、バンク角50度の500cc水冷2サイクルV型4気筒。吸気形式は前2気筒がピストンリードバルブ、後2気筒がクランクケースリードバルブ、また排気タイミングをコンピュータで制御するYPVSを採用し、全域で力強いパワーフィールを実現していた。最高出力はRDの88psに対して64psと自主規制により落とされていたが、キャブレターとサイレンサーのセッティング変更により、RD同様のフルパワー化も可能であった。そのサイレンサーは4本出しのチャンバータイプ。前2気筒分は左右出し、後2気筒分はシートレール下に収めるという構造になっていた。
またメインフレームはアルミ製ダブルクレードルを採用。ちなみに輸出仕様のRDではメインフレームはスチール製となっていた。