ヤマハ・TZR
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TZR（ティーゼットアール）は、RZの後継機種としてヤマハ発動機から発売されていたオートバイである。
水冷2サイクルエンジンを搭載し、フルカウルを装備したレーサーのような外観であったが、乗りやすさも考慮した万人向けのシリーズ車であった。
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[編集] TZR250
[編集] 初代
1985年発売。型式1KT。
当時のライバルであったNS250RやRG250Γに対抗すべく、アルミ合金製のフレーム・スイングアームを採用し、フルカウルをまとう。最高出力は自主規制上限の45psであったが、常用域のパワーバンドが広いエンジン、倒し込みやすい車体が相まって、先代のRZ250を置き去りにするほどの高性能ぶりを発揮した。そのハンドリングの良さはヤマハハンドリングと称され、現在に語り継がれている。
1988年に後期型(型式2XT)へとマイナーチェンジ。外観に大きな変更は無いが、リアタイヤのラジアル化、メッキシリンダーの採用など、NSR250RやRGV250Γに対抗するためのポテンシャルアップが図られた。
[編集] 2代目
1989年発売。型式3MA。そのエンジン形式から後方排気とも呼ばれる。
一般の二輪車は、エンジン後方に吸気装置、エンジン前方に排気装置が配置されているが、このモデルは当時の市販レーサーTZ250が採用していた前方吸気後方排気システムを一般車にフィードバックしており、エンジン前方にキャブレターが、エンジン後方に排気管が配置されている。外観上も、テールカウル後端よりのぞく排気口が特徴となっている。
いわゆる2サイクルらしさにあふれた非常にピーキーなエンジン特性を持ち、先代に比べ扱いにくいといえるが、その独特さから、現在でも一部に熱心なファンが存在する。
1990年のマイナーチェンジでは扱いやすいエンジン特性とするために、キャブレターを小径化。さらにフロントフォークが倒立式に変更された。新色（ミントグリーン）も追加されている。同年、サーキットユースに対応した装備を奢ったSPモデルも発売された。
しかし、レースを含めNSR250Rには対抗できず、V型エンジンを採用した次期モデルに後任を譲った。
[編集] 3代目（TZR250R）
1991年発売。型式3XV。
それまでの直列2気筒を捨て、V型2気筒エンジンに移行したモデル。
市販レーサーTZ250との同時開発が売り文句であり、標準モデルも倒立フロントフォーク、湾曲スイングアームといった豪華装備であった。サーキットユースを主眼とし、調整式サスペンション、乾式クラッチ、クロスミッションなどを装備したSPモデルも併売された。
1992年に標準モデル(TZR250R)に乾式クラッチを装備したTZR250RSが登場、その後も標準モデルとの差別化をしつつも上位グレードであるSPよりも装備を抑えて1994年までラインナップに加えられていた。
1993年モデルより、馬力自主規制強化に伴い最高出力が40psに。
1994年に標準モデルを廃止し、RSとSPの2グレードのみのラインナップとした。 3XVとしては唯一のシルバー塗装フレーム。
レプリカブームの熱も冷めてゆくなか、1995年に全モデルが最終進化形であるTZR250SPRに統合された。その後のモデルチェンジは行われず、環境問題で2サイクルエンジン搭載モデルが消えてゆく中、1999年に販売が終了された。
[編集] TZR125
TZR125は1987年に発売された。RZ125をフルモデルチェンジしたノンカウル（今でいうネイキッド）車であり、カウルは限定車にしか装備されなかった。国内生産のTZR125が生産終了しても、イタリアのベルガルダヤマハでは3MAベースのフレームを採用したフルカウルのTZR125R・TZR125RRを生産し続けていたが、こちらも現在は生産終了している。
[編集] TZR50
TZR50は保安部品の有無以外ほぼ同一でる市販レーサーのTZ50と共に1990年に発売された。RZ50をフルモデルチェンジした50cc初のフルサイズレーサーレプリカモデルとして登場し、1993年にはセルスターター装備、クランクケースリードバルブエンジンのTZR50Rへとモデルチェンジした。
車格と性能の良さでヒット車となったが、日本国内においては、現在再びRZ50にモデルチェンジする形で生産は終了した。しかし欧州では現在でもTZR50が生産販売されている。
[編集] 外部リンク
- タイラレーシング・TZR250R - TZR250R (3XV) レストア車の販売
- YAMAHA MOTOR EUROPE - TZR（50） 欧州生産車
