ムー大陸
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ムー大陸(ムーたいりく/英: Mu)とは、ジェームズ・チャーチワードの著作によると、今から約1万2000年前に太平洋にあった失われた大陸とその文明をさす。しかし、ムー大陸の決定的な証拠となる遺跡遺物などは存在せず、大陸の存在自体、科学的には否定されている。
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[編集] 概略
英国陸軍に在軍の記録がないが大佐を詐称していたアメリカ合衆国の作家、ジェームズ・チャーチワードが、『失われたムー大陸』等一連の著作で、太陽神の化身である帝王ラ・ムーを君主とした帝国が全土を支配し、白人が支配者である超古代文明が繁栄していたが、神の怒りを買い、一夜にして海底に沈没したと主張した。
今もって解読されていないイースター島の碑文からの翻訳引用があるなど、明らかに創作である。チャーチワードによれば、1868年、16歳のときインドに従軍し、現地のヒンドゥー教の寺院の高僧が、寺院の門外不出の粘土板「ナーカル碑文(Naacal tablets)」を見せてくれたという。それには、ムー大陸(チャーチワードによると発音はMOO)の記録が絵文字で彫られていた。また、ウィリアム・ニーヴン(William Niven)なる米国の技師がメキシコで発見したという古代の石板からも、「ナーカル碑文」と同じ絵文字が記されていたという。さらに、チャーチワードは旧約聖書の『創世記』の物語はムー大陸滅亡の記録であると主張している。
[編集] 日本におけるムー大陸伝説
古史古伝の竹内文書にはウガヤフキアエズ王朝69代神足別豊鋤天皇の代に「ミヨイ」、「タミアラ」という大陸(というか島)が陥没したとし、その世界地図が記載されている。竹内文書では、これらの島では五色人(白人・黒人・赤人・青人・黄人)と王族の黄金人が暮らしていたが天変地異で沈んだため、天の岩船で日本など太平洋の沿岸域に避難したとする。「ノアの洪水」に代表される世界の洪水伝説はこのとき「ミヨイ」「タミアラ」の水没の影響としている。なお、日本における天皇家はムーの黄金人の子孫であるとし、日本人こそムーの正統であるとしている。
なお、日本でのムー大陸の紹介記事は昭和13年6月号の『神日本』の「陥没大陸ムー国」というものがあり、ミヨイ、タミアラは昭和15年10月の『天国棟梁天皇御系図宝の巻き前巻・後巻』で児玉天民が著作している。
[編集] 参考文献
- と学会(山本弘 志水一夫 皆神龍太郎) 『トンデモ超常現象99の真相』(伝説と真相の要約) ISBN 4896912519 ISBN 4796618007
- ジャパン・ミックス 編 『歴史を変えた偽書―大事件に影響を与えた裏文書たち』(伝説の発展過程の詳細) ISBN 4883211908
- ライアン・スプレイグ・ディ=キャンプ 『プラトンのアトランティス』 小泉源太郎訳 ISBN 4894563657
- 大陸書房刊 『幻想大陸』 の改題再刊
[編集] 関連項目
- 伝説上の大陸
- 超古代文明
- 海底軍艦
- ムーの白鯨
- 太陽の世界 半村良
- 宇宙刑事シャイダー
- ゴッドマジンガー 永井豪
- サブマリン707 小澤さとる
- 鉄人タイガーセブン
- ラーゼフォン
- 勇者ライディーン
- 聖徳太子の地球儀
- MMR (漫画)
- ミュウの伝説 野部利雄