ホンダ・CB400FOUR
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ホンダ・CB400FOUR(シービー400フォア)とは、本田技研工業が発売していたオートバイ。
- 1974年に本田技研工業より発売されたオートバイ - ドリームCB400FOURを参照
- 1997年に同社より発売されたCB400SFをベースとするオートバイ(通称:平成ヨンフォア) - CB400FOUR (NC36)を参照
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[編集] ドリームCB400FOUR
ホンダ・ドリームCB400FOUR(ドリームシービー400フォア)は、1974年12月3日に本田技研工業により発表されたオートバイ。通称:ヨンフォア
[編集] 概要
それまでの不評だったCB350FOURの後継機種として誕生したドリームCB400FOURは、人気を博したモデルといえる。
当時、このクラスの国産車唯一の直列4気筒モデルであったCB350FOURは、当時の4気筒CBシリーズの末弟であり、シリーズトップモデルであるドリームCB750FOURに乗ることを「ヘルメットを2つ被ってもらわないと・・・、」と周囲に止められた創業社長の本田宗一郎が「ならば、俺にも乗れるのを作れ」と言う一言で計画されたともいわれている。そしてそのCB750と酷似した4本マフラーの外観を持っていたCB350FOURだったが、その静的なイメージとひかえめな動力性能から、「ツイン(2気筒)よりも遅いフォア(4気筒)」と言うありがたくない評価が与えられた。
これを受けて計画されたCB400FOURは、当時流行し始めた集合マフラーと後退したステップを採用した軽快なカフェレーサースタイルを全体に取り入れ、人気モデルになった。この際、CB350FOURの開発時に宗一郎氏から指摘されていた「エンジンの冷却フィンを(おもにその外観上の理由から)増やすように」という指示を実現したといわれる。
メタリック塗装に金属のエンブレムが一般的だった当時、シンプルなソリッドカラーにステッカーのロゴは、非常に新鮮に見えたが、同時にコレはコストダウンでもあった。集合マフラーも軽量化とコストダウンの為であり、当時は集合による脈動効果に関しては、よく分かっていなかった様である。独特なラインを描いたエキパイは、オイルフィルターとの干渉を避けるためだと言われている。
(著作権上記述は出来ません。ご了承ください)発売後、カタログのキャッチコピーが「暴走族による暴走行為を連想させるような文である」と当時の警察から指摘され、後にそのコピーは所有感を感じさせる内容の文章に一部変更された。
ところが、1975年に行われた免許制度の改正によって教習所で取得できる中型二輪免許が400cc以下となり、408ccの排気量を持つCB400FOURは中型二輪免許では乗ることができなくなってしまった。これに対応してショートストローク化され、排気量を398ccとして1976年3月6日に発売された国内向け専用追加モデルがCB400FOUR-I(F-I)、およびそのアップハンドルモデルFOUR-II(F-II)である。つまり、当時は3機種のCB400FOURが同時に存在したことになる。なお、この国内専用モデルの生産は、一説には6000台程度といわれている。
しかし、当時のこのクラスは2気筒モデルが主流であり、只でさえコスト高となる4気筒にさらにスペックの異なる国内専用モデルを追加したため、比較的短期間で生産終了となってしまう。当時、中型免許で乗れる唯一の4気筒車として、絶大な人気があったため、その生産中止は、当時のバイク雑誌のトップ記事になる程であった。そして生産コストを抑えた2気筒のホークシリーズに惜しまれながらその後を譲るに至り、その後は中古車販売価格が新車当時の価格を上回るプレミアム車のはしりとなった。 尚、生産中止以前からCB400FOUR及びCB350FOURの中古車価格は、高止まっていて、もしかしたら、かなり早くの時期に生産中止の話があったのかも知れない。 生産中止の主な理由として、対米輸出をメインとしていた当時のホンダにとって、このクラスでは安価な2気筒の方が良いというのが理由であったと言われている。が、その割りには、輸出向けには日本よりも長く販売されていたなど、不可解な面もある。
国内最大、そして4ストロークエンジンの老舗であるホンダですら400ccクラスの4気筒が商売上上手くいかなかった事、ホンダの言う通り、2気筒のホークⅡの方が走りが良かったという事実は、今後、400cc4気筒車は出てこないであろうと思わせるに充分で、それがプレミア騒動に拍車を掛けたといえる。
このクラスの4気筒車は、2年後に発売されたカワサキZ400FXまで待たねばならなかった。コレは、車体から何から、輸出仕様の500ccのモデルと共用することで成り立ったものであった、
発表からおよそ四半世紀を経過した現在でもそのファンは多い。
[編集] バリエーション
CB400F-I、およびF-IIは、400FOURに対して、外観上はその左右のサイドカバーの色がブラックアウトされたことと(400FOURは燃料タンクと同色)、400FOURのタンクカラーにはレッドとブルーが選べたが、F-1/F-2にはレッドとイエローが選べたことなどに相違点が見られる。しかし、これらがそれぞれのパーツ交換で比較的容易にその特徴を変更できたのに対し、一番の変更点はリア・ステップが400FOURのスイングアームへの設置に対してフレーム側に移されたことである。また、厳密には(同時に生産された国内向けにも関らず)タンク下部の形状、シートの形状やメータ表示も異なるといわれている。 またF-I、及びF-IIは性能的には、400FOURの37馬力に対して1馬力のダウンにとどまる36馬力を発生し、「実質的にそのパワー差は感じられなかった」と当時の雑誌のインプレッションにある。
[編集] 現在
2000年現在、国内に流通しているものには、カリフォルニアなどから逆輸入された個体が見うけられるが、これらは当然408cc仕様である。
また、中には輸出最終型のバックステップでないタイプ(シフトにリンケージを持たない)も見られる。
[編集] 外部リンク
[編集] CB400FOUR (NC36)
ホンダ・CB400FOUR(シービー400フォア)は、1997年4月21日に本田技研工業により発売されたオートバイ。車両型式はNC36。尚、現在では生産を終了している。
[編集] 概要
クロームメッキを施した4本出しマフラーと、前後にスポークホイールを採用した大柄な車体は、同社の往年の名車CB750FOURを髣髴とさせる堂々としたもの。エンジンはCB400SFの水冷直列4気筒をベースに冷却フィンを追加して直立気味に搭載。400ccクラス上限の53馬力を維持しながら、セッティングは日常での使用を前提として中低速重視とされていた。