ホンダ・アコードワゴン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アコードワゴン (ACCORD WAGON) は、本田技研工業が生産している自動車で、アコードをベースとしたステーションワゴンである。
目次 |
[編集] 概要
外観はフロントからBピラーまでをアコードセダンと共通し、Bピラーからリヤにかけてはワゴン独自の設計となっており、室内もアコードセダンと共通している。初代から現行型までセダンをベースにしているが、セダンとは異なり登場以来全車3ナンバーとなっている。また、初代・2代目はアメリカで生産されていた為、正式名称は「アコード・U.Sワゴン (ACCORD U.S WAGON) 」である。なお、同社で生産されているミニバン、オデッセイのベースとなっている。かつて、アコードエアロデッキがあったが、それの後継ではなく、列記としたアコードのステーションワゴンタイプとして開発された。初代モデルはセダンが4代目のときに登場し、それ以降はセダンがフルモデルチェンジした後に少し遅れて登場している。
[編集] 歴史
[編集] 初代(1991年-1994年)
1991年4月3日にF22A型2200ccエンジンを搭載して登場。初代と2代目(1994年登場)はアメリカで生産されていた。エンジンはF22A型2200cc・SOHC140psのみ。型式名はCB9。アメリカのHAMで生産され、「ボディ剛性が無い」「立て付けが悪い」とユーザーからは散々な評価だった。モノグレード構成でサンルーフ等が標準装備となっている。内装はベージュカラーのみ。
[編集] 2代目(1994年-1997年)
1994年2月23日に登場。エンジンは前・中期型がF22B型2200cc・SOHCVTEC(145ps)のみだったが、後期型のみ前者の他にプレリュードSi-VTECに搭載されていたH22A型2200cc・DOHC・VTEC(190ps)も搭載された。型式名はCE1(後述する「SiR」のみCF2)。この代のアコードワゴンは当時の日本では珍しく3ナンバー専用ボディであったものの、その大きな概観とは裏腹に室内は窮屈であった。
デビュー当時は「Vi」と「VTL」のみの2グレード構成。「Vi」と「VTL」の差はアルミホイール、サンルーフ、クルーズコントロール、リアセンターアームレスト、充電機能付電波式キーレスエントリー、安全装備(エアバック・ABS)の有無など。
1995年マイナーチェンジ。フロントグリル変更やサイドマーカーの標準化を実施し(これらの変更が前期型と中期型の判別ポイント)、全モデル運転席SRSエアバックを標準装備した。サイドマーカーの標準化により全長が+10mmの4780mmとなった。このとき、ViとVTLの中間モデルである「ViX」が新グレードとして追加された。「ViX」の基本的な装備はVTLに準じているが、アルミホイールやクルーズコントロール、助手席SRSエアバックなどは未設定だった(輸入モデルのため、オプションでも選択できなかった)。
1996年マイナーチェンジ。全モデル前席SRSエアバックを標準装備したと同時に、ツインカムエンジン搭載車の「SiR」がそれまでの最上級グレード「VTL」に代わり追加された(それにより、クルーズコントロールの設定車が無くなった)。「SiR」専用装備として、フロント大径ブレーキや専用ヘッドライト(ブラックアウトされていて、アコードクーペに標準装備のものと同一?)、専用シートが設定された。 余談だが、この後期型から「品質が明らかに向上している」と言われることが多い。
[編集] 3代目(1997年-2002年)
1997年9月4日に登場。このモデルから国内生産車となった。エンジンはいずれも2300ccで、アコードワゴン専用チューンのF23A型SOHC VTEC(160ps、デチューンされたものが初代後期型オデッセイに搭載)と、SiR専用のエンジンで従来のH22A型DOHC・VTECをスープアップしたH23A型DOHC・VTEC(200PS、4WDは190ps)の2種類があり、どちらもハイオク指定であった。ゲート式のATにマニュアルモードが付いたSマチックを使用。4ATのみ。HID(ディスチャージヘッドライト)が標準装備だった。
スタイリングが特徴的で、普通のワゴンのようにリアテールがすとんと落とされず、なだらかな曲線を描いてリアガラスが落ちていくため、ラゲッジルームに荷物をあまり積む事が出来ず、実用性を求めるユーザーには不評だった一方、今現在でもファンは多くドレスアップやカスタムなどのさまざまな分野で人気があり、賛否両論に分かれたモデルでもある。型式名はCF、CH、CL。
[編集] 4代目(2002年-)
セダンより1ヶ月半ほど遅れて2002年11月28日に登場。エンジンはすべて新開発のK24A型の2400cc・DOHC・i-VTECとなり、セダンに搭載されている200ps(オデッセイアブソルートにも搭載)とワゴン専用で超低排出ガス仕様の160psの2種類のエンジンを使用する。(違いは排気口が右側にしかないものが前者、両出しが後者となる。) スタイリングを大幅に変更し、ハヤブサをモチーフに設計されたウイングルーフを採用し、先代の反省を生かし、実用性向上の観点から後方部も傾斜式からごく普通の直立式になっている。更にリアシートが可到式となっており、巨大なカーゴスペースが得られる。型式名はCM。
ステーションワゴン初の電動式リアテールゲートを採用。また、ヘッドライトはアコード同様の「鋭い目」であり、セダン同様ドアミラーウインカーを標準装備しており、リアコンビネーションランプは従来の台形風から丸型重視の横長のテールランプとなる。トランスミッションは先代のゲート式からストレート式になったが、Sマチックは継続されている。全グレード5AT。また、24Tと24T・エクスクルーシブパッケージにはオプション設定でHiDS(IHCC[インテリジェントハイウェイクルーズコントロール]LKAS[レーンキープアシストシステム]付き)が装備できる。
また、現行型は国内生産だがヨーロッパでは「アコードツアラー (ACCORD TOURER) 」として販売されている。CMソングは「カルメン」のアレンジ版。
2004年10月21日にグレード整理が行われ、24E・エクスクルーシブパッケージが24E・プレミアムパッケージに変更となり、新たに最廉価グレードとしてK20A型・2000cc・DOHC i-VTECの155psを搭載した「20A」がラインアップされた。
2005年11月24日にマイナーチェンジが行われた。24TシリーズはタイプSとなり、24Eシリーズは24ELとなった。
[編集] 取扱販売店
[編集] エンジン
[編集] 現行モデル
- K24A(2400cc、ハイオク仕様)(内径×行程:87.0×99.0)
直列4気筒 DOHC i-VTEC 16バルブ PGM-FI 2.354L 147kw(200ps)/6,800rpm・232Nm(23.7kgm)/4,500rpm
- K24A(2400cc、レギュラー仕様)(内径×行程:87.0×99.0)
直列4気筒 DOHC i-VTEC 16バルブ PGM-FI 2.354L 118kw(160ps)/5,500rpm・218Nm(22.2kgm)/4,500rpm
- K20A(2000cc)(内径×行程:86.0×86.0)
直列4気筒 DOHC i-VTEC 16バルブ PGM-FI 1.998L 114kw(155ps)/6,000rpm・188Nm(19.2kgm)/4,500rpm
[編集] 過去に採用されていたエンジン
- F22A(初代)
- 直列4気筒SOHC 16バルブ 2156cc 103kw(140ps)/5600rpm・192Nm(19.6kgm)/4500rpm
- F22B(2代目、Vi・ViX・VTL)
- 直列4気筒SOHC 16バルブ VTEC 2156cc 107kw(145ps)/5500rpm・198Nm(20.2kgm)/4500rpm
- H22A(2代目、SiR)
- 直列4気筒DOHC 16バルブ VTEC 2156cc 140kw(190ps)/6800rpm・206Nm(21.0kgm)/5500rpm
- F23A(3代目、Vi・VTL)
- 直列4気筒SOHC 16バルブ VTEC 2253cc 118kw(160ps)/5700rpm・214Nm(21.8kgm)/4900rpm
-
- <4WD:116kw(158ps)/5700rpm・211Nm(21.5kgm)/4900rpm
- H23A(3代目、SiR)
- 直列4気筒DOHC 16バルブ VTEC 2258cc 147kw(200PS)/6800rpm・221Nm(22.5kgm)/5300rpm
-
- <4WD:140kw(190ps)/6800rpm・221Nm(22.5kgm)/5300rpm>
- K24A(4WD、前期型のみ)
- 直列4気筒DOHC 16バルブ i-VTEC 2354cc 140kw(190ps)/6800rpm・227Nm(23.2kgm)/4500rpm
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ホンダ・アコードワゴン本田技研工業
- アコードシリーズ本田技研工業
- アコードヒストリー本田技研工業