ホルシュタイン・ゴットルプ家
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ホルシュタイン＝ゴットルプ家（Holstein-Gottorp）は16世紀から18世紀にかけて北ドイツのシュレースヴィヒ＝ホルシュタイン公国を支配した公爵家。キールを首府とする公国はホルシュタイン＝ゴットルプ公国とも呼ばれる。
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[編集] 概要
その起源はデンマークの王家オルデンブルク家の分家である。オルデンブルク家はもともと北ドイツの貴族の家柄だが、1448年以来デンマーク王位を継承していた。1544年、デンマーク王クリスチャン3世が弟のアドルフにホルシュタイン公爵位を与えたのがホルシュタイン＝ゴットルプ家の始まりである。ホルシュタインは神聖ローマ帝国の領域で、住民はデンマーク人だけでなくドイツ人も多く、ドイツ語が支配的な地域であった。このためホルシュタイン＝ゴットルプ家は次第にドイツ化していった。
第6代カール・フリードリヒの摂政であったクリスティアン・アウグスト（クリスティアン・アルブレヒト公の子）の子アドルフ・フレデリックは、1751年にスウェーデン王に迎えられ、ホルシュタイン＝ゴットルプ王朝（1751年～1818年）を開いた。ホルシュタイン＝ゴットルプ家は、1720年までのスウェーデンの王朝プファルツ朝の外戚であったが、前王朝ヘッセン家との姻戚関係はない。大北方戦争終結時にニスタット条約に調印しているが、そのためか元々は親ロシア派であった。第2代国王グスタフ3世の頃は大いに国威が昂揚したが、ナポレオン戦争の最中、ロシア帝国にフィンランドを奪われるなど失態を犯し、クーデターによって1809年に立憲君主制に移行した。
また、カール・フリードリヒ公はロシア皇帝 ピョートル1世の娘アンナと結婚したため、その子のカール・ペーター・ウルリヒは子供のいないロシア女帝エリザヴェータ（アンナの妹）の養子に迎えられ、1762年にロシア皇帝ピョートル3世となった。ピョートル3世は在位1年にも満たずに、皇后エカチェリーナ2世のクーデターによって廃位され、間もなく殺害されたが、ピョートル3世とエカチェリーナ2世の間に生まれたパーヴェル1世がエカチェリーナの後を継いだので、ロシアにおけるホルシュタイン＝ゴットルプ家が続くことになる（パーヴェルがピョートル3世の実子であるか疑問もあるが、少なくとも公式にはそう宣言されている。）この王朝はホルシュタイン＝ゴットルプ＝ロマノフ王朝とも呼ばれるが、ロマノフ王朝の継続として扱われることが多い。
なお、ピョートル3世はホルシュタイン公も兼ねており、その死後パーヴェル（ドイツ語名パウル）が公位を継承したが、パーヴェルは1773年デンマーク王クリスチャン7世に公位を譲った。
[編集] 歴代ホルシュタイン＝ゴットルプ公
- アドルフ（在位：1544年 - 1586年） デンマーク王フレデリク1世の子
- フレデリク2世（1586年 - 1587年）
- フィーリプ（1587年 - 1590年）
- ヨハン・アドルフ（1590年 - 1616年） アドルフの子
- フレデリク3世（1616年 - 1659年） ヨハン・アドルフの子
- クリスティアン・アルブレヒト（1659年 - 1695年） フレデリク3世の子
- フレデリク4世（1695年 - 1702年） クリスティアン・フレデリクの子
- カール・フリードリヒ（1702年 - 1739年） フレデリク4世の子
- カール・ペーター・ウルリヒ（1739年 - 1762年） カール・フリードリヒの子
- パウル（1762年 - 1773年） カール・ペーター・ウルリヒ（ロシア皇帝ピョートル3世）の子（後のロシア皇帝パーヴェル1世）
[編集] スウェーデンのホルシュタイン＝ゴットルプ王朝歴代国王
- アドルフ・フレデリック（在位：1751年 - 1771年） ホルシュタイン摂政クリスティアン・アウグストの子
- グスタフ3世アドルフ（在位：1771年 - 1792年） アドルフ・フレデリクの子
- グスタフ4世アドルフ（在位：1792年 - 1809年） グスタフ3世の子
- カール13世ヨハン（在位：1809年 - 1818年） アドルフ・フレデリクの子、グスタフ3世の弟
[編集] ロシアのホルシュタイン＝ゴットルプ＝ロマノフ王朝歴代皇帝
- ピョートル3世（在位1762年） ホルシュタイン公カール・ペーター・ウルリヒと同一人物
- エカチェリーナ2世（1762年 - 1796年） ピョートル3世の皇后
- パーヴェル1世（1796年 - 1801年） （疑問もあるが公式には）ピョートル3世とエカチェリーナ2世の子、ホルシュタイン公パウルと同一人物
- アレクサンドル1世（1801年 - 1825年） パーヴェル1世の子
- ニコライ1世（1825年 - 1855年） アレクサンドル1世の弟
- アレクサンドル2世（1855年 - 1881年） ニコライ1世の子
- アレクサンドル3世（1881年 - 1894年） アレクサンドル2世の子
- ニコライ2世（1894年 - 1917年） アレクサンドル3世の子
