ピョートル3世

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ピョートル3世（Пётр III Фёдорович / Pyotr III Fyodorovich, 1728年2月21日 - 1762年7月17日、在位：1762年）はロマノフ朝の第7代ロシア皇帝。后はエカチェリーナ2世。ドイツ北部の領邦君主でスウェーデン王家とも同族であるホルシュタイン＝ゴットルプ家の出身。ホルシュタイン公カール・フリードリヒとピョートル1世の娘であるアンナの間に生まれた。ドイツ名はカール・ペーター・ウルリヒ（Karl Peter Ulrich）。1739年にホルシュタイン公を継承した。

1742年、子のいない叔母のロシア女帝エリザベータから皇太子に指名されたが、ピョートル3世はプロイセン王フリードリヒ2世の崇拝者であったため、エリザベータやロシア貴族と、対プロイセン政策を巡ってしばしば対立した。

1762年1月にエリザベータ女帝の死去にともない即位すると、直ちにプロイセンとの戦争を中止し、滅亡寸前に追い込まれていたフリードリヒ2世を救った。ロシア帝国が戦争から急に退いたため七年戦争の情勢は大きく転換することとなり、ロシア軍内ではせっかくフリードリヒを追い詰めながら、と怨嗟の声が高まった。

即位後もロシアの慣習に馴染もうとしなかったため、1762年7月、ピョートル3世と不仲でロシア貴族に人気のあった皇后エカチェリーナが、近衛部隊やロシア正教会に推されてロシア皇帝に即位し、ピョートル3世は廃位・暗殺された。

知的障害があったと思われ、性機能も不十分だったとされる。ドイツに固執し、兵隊遊びくらいしか興味を持てない無能者だったが、聡明な正妻エカテリーナに劣等感を持ち、何の取りえもないが彼を対等の人間として愛した女性ヴォロンツォーヴァ嬢を寵愛した一面もあり、頑固で不器用な性格だったのかも知れない。

ロシア皇帝

1762

先代:

エリザベータ

次代:

エカチェリーナ2世