プレーオフ
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プレーオフ(英語:Playoff)とは、競技における優勝者決定戦や、本戦進出者決定戦のこと。段階を追うことで、優劣をより厳密にし、盛り上がりを高める効果がある。「プレイオフ」ともいう。
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[編集] 概説
プレーオフは、そのスタイルや扱いによって大きく5つに分けられる。
- 事前にプレーオフが行われることが決定していて
- 独立した組の成績優秀者が行うもの
- 独立した組の準成績優秀者が行うもの
- 複数のシーズンの成績優秀者が行うもの
- 同一の組で再度決定戦を行うもの
- 同成績で並んだ場合にのみ、優勝者決定のため予備的に行われるもの
一般の競技で行われる予選、本選システムと同義であるが、主としてプロスポーツで、予選にあたる試合数が十分で、メジャーリーグ、NBAのレギュラーシーズンなど独自の価値がある場合に、プレーオフという呼称が使われる場合が多い。この場合には、ポスト・シーズン・ゲームと呼ぶこともある。
[編集] 独立した組の成績優秀者が行うもの
複数組に分かれ、それぞれの地区やブロックごとにプレーオフ進出者を決定、最終的に選ばれたもの同士が勝ち残り式トーナメントや総当りリーグ戦を行い優勝者を決定する。
アメリカのプロスポーツの多くはこの形のプレーオフ制度を採用し、興行としての価値や盛り上がりを高めている。各組の順位も、シードの権利や、相対的に弱い相手とあたれる権利、各リーグ2位のうち最高成績者は選出される(ワイルドカード)ことなど、上位の順位争いも興をそがないような工夫がされている。(ポストシーズンともいう)
[編集] 米国プロ野球のメジャーリーグ
リーグが4~6チーム程度の地区ブロックに分かれて成績優秀チームを選出した後、プレーオフを行う。各リーグでリーグ優勝を決定し、しめくくりにその2チームによる7番勝負、ワールド・シリーズを行い、その年の優勝チームを決定する。システムの詳細はメジャーリーグ参照。
[編集] 米国アメリカンフットボールのNFL
メジャーリーグ同様、各地区リーグの成績優秀チームがプレーオフ進出の権利を獲得し、各カンファレンスの優勝者が決勝戦を行う。その決勝戦はスーパーボウルと呼ばれ、毎年盛大な盛り上がりをみせる。システムの詳細はNFL参照。
[編集] 米国バスケットボールのNBA
全30チームをイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスに等分し、さらにそれぞれのカンファレンスを5チームからなるディビジョン3つに分け、リーグ戦を戦う。全日程終了後、カンファレンスごとに各ディビジョンの勝率1位と残り12チームのうち勝率上位の5チーム(計8チーム)で、ノックアウトトーナメント方式のプレーオフを行う。2つのカンファレンスで優勝したチームはNBAファイナルと呼ばれる7番勝負を行い、優勝を決める。システムの詳細はNBA参照。
[編集] 米国アイスホッケーのNHL
システムの詳細はNHL参照。
[編集] 独立した組の準成績優秀者が行うもの
複数組に分かれ予選を行い、それぞれの成績優秀者が本戦に進出、準成績優秀者で残りの本戦進出者を決める。国別対抗大会に多い。
[編集] FIFAワールドカップの地域予選
サッカーのFIFAワールドカップの地域予選では違う地域の準成績優秀者同士で対戦し、勝てば成績優秀者と共にワールドカップ本大会へ出場できる。これを「大陸間プレーオフ」とも言う。FIFAワールドカップ以外にも、シドニーオリンピック予選にも適用された。
また、欧州地区予選では、各グループに分けてリーグ戦を行い、グループ2位が別のグループ2位と対戦し、勝てばグループ1位と共に本大会へ出場できる。大会によっては「プレーオフ」と「大陸間プレーオフ」の両方と行うこともある(無論、大陸間プレーオフに回るのは1チームだけ)。しかし、大会によってはグループ2位の成績優秀者がプレーオフを行わず自動的に本戦に出場できることもある。
[編集] サッカー欧州選手権の予選
サッカー欧州選手権の予選では5~6チームずつのグループに分かれてリーグ戦を行い、1位が本戦へ進む。そして2位チームで残りの出場枠を争って戦う。大会によっては2位の成績優秀者が自動的に本戦に出場できることもある。
[編集] ラグビー・ワールドカップの地域予選
サッカーワールドカップの予選と同様、違う大陸地域の準成績優秀者同士の「大陸間プレーオフ」が存在する。主にヨーロッパ地区4位とアフリカ地区2位、オセアニア3位とアジア2位との対戦で、勝てば本大会に出場することができる。
[編集] 複数のシーズンの成績優秀者が行うもの
レギュラーシーズンを複数のステージに分け、プレーオフの進出者を決定、組別と同じように優勝者を決定する。
[編集] 台湾(中華民国)プロ野球
2000年から前期と後期の2シーズン制になった。2000年から2004年までは前期と後期の1位同士、2005年以降は前期と後期の1位のうち年間最高勝率ではないチームと他方の最高勝率チーム、その勝者が年間最高勝率チームと対戦する。前期と後期の1位が同じ場合は他方の最高勝率チーム(2005年以降は他方の勝率2位チーム)が繰り上げ出場する。詳細は中華職業棒球聯盟を参照。
[編集] 日本プロ野球のパシフィック・リーグ
1973年から1982年までの10年間、前期と後期の2シーズン制で行われ、それぞれの1位が対戦してリーグ優勝を争った(前期と後期の1位が同じ場合はそのチームが年間王座となるのでプレーオフは行わない)。
[編集] 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)
1993年から2004年まで1996年を除く11年間2シーズン制で行われたが、年間王座決定戦(サントリーチャンピオンシップ)の開催方法が1993年~1995年と1997年~2004年で違う。
1993年~1995年は前期(サントリーシリーズ)と後期(NICOSシリーズ)の1位同士で対戦。両シリーズの1位が同じ場合はそれぞれの2位同士が対戦して勝者が出場、2位も同じ場合はその1位と2位が対戦する(しかしこの3年間は各シリーズの優勝チームが異なったため、後者の方式でチャンピオンシップが開催されることはなかった)。
1997年~2004年は前期(第1ステージ)と後期(第2ステージ)の1位同士が対戦。両ステージの1位が同じ場合はチャンピオンシップを行わないことになった(2002年はジュビロ磐田、2003年は横浜F・マリノスが両ステージを制覇したため、この2年間は行われなかった)。
[編集] 韓国プロサッカーリーグ(Kリーグ)
前期と後期に分けてステージ順位を決め、各ステージの1位チームと、それ以外のチームでの年間通算成績上位2チーム(ワイルドカード)の4チームがレギュラーシーズン終了後に行う決勝トーナメントに進出。
プレーオフは前期1位とワイルドカード1位、後期1位とワイルドカード2位が1試合のみ、それぞれのステージ1位チームの本拠地で対戦。その勝者により、ホーム・アンド・アウェー方式のファイナルを戦う。
[編集] 同一の組で再度決定戦を行うもの
リーグ内での順位争いを活発化させ、1チームが独走した後半戦にも興味を持続できるようにする効果がある。ただし、相対的にリーグ戦の価値が低下するうらみは存在する。
ステップラダー方式のトーナメントを採用することが多い。
[編集] 日本プロ野球のパシフィック・リーグ
2004年より実施。レギュラーシーズンの3位チームと2位チームが2戦先勝方式の第1ステージを行い、その勝者とレギュラーシーズンの1位チームが3戦先勝方式の第2ステージで対戦してリーグ優勝を決める。2005年まではレギュラーシーズンで1位チームが第1ステージの勝者に5ゲーム以上の差をつけた時に1勝分のアドバンテージが与えられたが、2シーズン連続でレギュラーシーズン2位のチームがリーグ優勝したため、2006年からはゲーム差に関係なく、レギュラーシーズンの1位チームに1勝分のアドバンテージが与えられることになった。 パシフィック・リーグでは人気拡大のために過去に様々なプレーオフが行われた。その他のプレーオフはプレーオフ制度 (日本プロ野球)を参照。
[編集] 韓国プロ野球
レギュラーシーズン4位と3位で準々決勝の「準プレーオフ」を行い、その勝者と2位が準決勝の「プレーオフ」、さらにその勝者と1位が決勝の「韓国シリーズ」を行って優勝を決める。
前述のパシフィックリーグのようなアドバンテージはないため、勝率5割以下の4位が優勝する可能性も高く、不公平感も大きい。
[編集] 日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)
初年度より実施。レギュラーシーズン上位4チームが進出。
- 1stラウンドでは、1位vs4位、2位vs3位で対戦。
- それぞれの勝者がファイナル、敗者は3位決定戦に進む。
- 2005~2006シーズンはすべての対戦が東京アパッチの本拠地である有明コロシアムにて一発勝負で行われたが、最終順位はレギュラーシーズン順位と全く同じになった。
- 詳細はBjリーグプレイオフを参照。
[編集] 韓国プロバスケットボール
レギュラーシーズン上位6チームが進出。
- 1回戦では、3位vs6位(a)、4位vs5位(b)で2勝先勝したチームが2回戦進出。
- 2回戦 では、aの勝者vs2位 bの勝者vs1位で3勝先勝したチームがファイナル進出。
- ファイナルでは、2回戦の勝者が対戦、4勝先勝したチームが優勝。
[編集] アジアリーグアイスホッケー
アジアリーグ2回目から実施。2004~2005シーズンからの実施 プレーオフ初開催は8チームだった為上位4チームでのトーナメントだったが、9チームとなり上位6チームに増えて1位、2位はファーストラウンド免除
- ファーストラウンドは3位vs6位・4位vs5位が、5試合3勝先勝ち方式で対戦。
- セミファイナルは1位vs4位vs5位の勝者・2位vs3位vs6位の勝者が、5試合3勝先勝ち方式で対戦。
- ファイナルはセミファイナルの勝者同士が、5試合3勝先勝ち方式で対戦。
[編集] 日本ハンドボールリーグ
第22回大会(1997年)から実施。
レギュラーシーズンの3位チームと2位チームが準決勝を行い、準決勝の勝者とレギュラーシーズンの1位チームが決勝を行う。男子は第29回大会(2004年)から、レギュラーシーズンの1位チームと4位チーム、2位チームと3位チームが準決勝を行い、その勝者同士で決勝が行われる方式に変更された。
準決勝・決勝ともに1発勝負であり、レギュラーシーズンの上位チームに対するアドバンテージはない。
[編集] 予備的に行われるもの
たまたま最優秀成績者が同星、同勝率、同スコアにならんだ場合、特別に競技を再度行い、その最優秀成績者を優勝とする方式。
[編集] ゴルフトーナメント
ホールアウト時に最高成績者が同スコアでならんだ場合に行われる。3ホール程度のエキストララウンドのストローク、もしくはホール数無制限でのサドンデスで優勝者を決定する。プレーオフの結果はスコア自体には影響しない。一般的には後者、即ちサドンデス方式が多い。
[編集] 将棋名人戦 名人位挑戦者決定リーグ(A級順位戦)
A級順位戦で同星になった場合、順位下位者から勝ち残り式(パラマス式)のトーナメントで挑戦者を決定するプレーオフを行う。 第50期名人戦(1992年度)には、谷川浩司、南芳一、大山康晴、高橋道雄、の4者が6勝3敗でならび、順位最下位の高橋が3連勝で挑戦者の座をつかんだ。 なお、B1順位戦以下の昇級者ならびに全順位戦の降級者は、前年度の成績から決定された順位で優先度を決定し、プレーオフは行われない。
[編集] 日本プロ野球のセントラルリーグ
2001年度から設けられており、勝率と勝ち星のトップチームが異なった場合にプレーオフをする取り決めがある。但し勝ち星がトップでも勝率3位以下の場合は出場権なしで勝率1位チームが優勝となる。現在一度も開かれたことがない。しかし2007年からは本格的に実施されそうだ。
[編集] 大相撲
大相撲では幕内、十両は15番で行われ、幕下以下は7番で行われ一番勝ち星が多い者が、2人以上いる場合は優勝決定戦を行う。2人の場合は直接対決で行われ、3人の場合は巴戦で行われる。巴戦の場合は3人のうち1人が2連勝しない限り延々と続けられる。又、5人6人の場合も予選を行い、3人に絞りこんで巴戦をやる。4人又は7人以上の場合はトーナメント制で行われる。