ダイハツ・ストーリア
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ストーリアとはダイハツ工業の小型自動車。1998年2月リリース。 シャレードの事実上後継にあたる。発売後、期間をおいてトヨタ自動車からも「デュエット」のネームで販売されたが、本家のストーリアよりデュエットの方が販売台数が多くなる現象が見られた。
海外では「SIRION(シリオン)」のモデル名で発売。欧州、オーストラリアを中心に世界各国で販売。
[編集] グレード
グレード展開はビジネス用の「セレクト」をはじめ、「1000CL」「1000CX」(以上1000cc60~64馬力)、「1300CX」(1300cc90馬力)「1300CZ」「ツーリング」(1300cc110馬力)「X4」(713cc120馬力)が存在し、モータースポーツ用のX4を別にすると「ツーリング」や「CZ」がよく回る高回転NAエンジンを搭載したスポーティーなホットハッチとして人気が高い。
また、特別仕様車としてファニールックな「ミラノ」や落ち着いた雰囲気の「クラシック」を設定。 さらに超限定車として、ツーリング・リミテッド2WD 4AT車をベースに、株式会社アルファオーディオと“プライベートオーディオルーム”をコンセプトに共同開発した「Super Sound Edition」をインターネット専売で5台だけ販売しているが、専用車体色「ブラックマイカ」に、SRSサイドエアバッグ、DVS等を標準装備した結果、車両本体価格200万とシリーズ中最高価モデルとなっている。
[編集] マイナーチェンジ
2001年12月にビックマイチェンを受け、トヨタカローラ店扱いで「カローラII」の事実上の後継として販売されておりストーリア以上の販売台数を記録していた姉妹車デュエットのためと思われるフェイスリフトが行われ、一見カローラ風で犬のようなマスクの「トヨタ顔」になった。 コアなユーザーの間では、ビックMC前のモデルをデビュー当時のCM「ストーリア星人」に引っ掛けて「宇宙人顔」、MC後のモデルを「犬顔」もしくは「トヨタ顔」と呼んでいる。
デビュー当時のデザインが好評だっただけにこのフェイスリフトは不快なものでトヨタのダイハツに対する干渉は好ましくないとするユーザーも多い。
[編集] ストーリアX4
ラインアップ中、競技用ベース車という特殊なグレードだったため生産台数を制限されていた「ストーリアX4」は1000cc以下のラリー参戦を目的として開発され、エアコンやパワーウインドと言った快適装備は装備されず (エアコンは後にディーラーオプションとして用意された)、エンジンを基本の1000ccのDOHCエンジンから軽自動車であるミラアバンツァートやミラX4に搭載されていたJB-JL型660cc4気筒DOHCターボエンジンを713ccまでストロークアップしたJC-DETエンジンと4WDを搭載した実質、競技用車両である。
小排気量ながら工場出荷値のブースト圧1.2k±0.2程度で120馬力という驚異的出力を発揮。タービンのアクチュエーターに備えられる、メーカーにより黄色いマーキングで封印された調整ナットを回す事で平成10年排ガス規制車(GF-M112S)で2.55K、平成12年排ガス規制車(GH-M112S)で1.6Kまでのブーストアップが可能であるが、特に平成10年排ガス規制車の天井知らずのようなブーストはエンジン・補機類などの耐久性やECUの補正能力を考慮したものでは無いため通常は1.3~1.7k程度まで「抑えて」使用するユーザーが多い。
なお、713ccという排気量は登場当時の最小排気量クラスである全日本ラリーのAクラス(排気量1L以下)へエントリーする際ターボ搭載車の場合は排気量にターボ係数1.4を掛けて1000ccに収まる事が条件だった為である(713cc×1.4=998.2cc)が、そのポテンシャルの高さとライバル不在もあって、ターボ係数が2003年に1.7に変更されてAクラスの排気量区分が1400ccまでに変更されて後も主力車種として戦い続け、ラリー以外にダートトライアル競技でも、後継車のブーンX4が登場するまで主力車種として君臨した。
似た成り立ちの車としては、かってラリーの1600cc以下のクラスへの参入のため941cc以下のエンジンが必要になり、開発された日産自動車のマーチR(930cc)やダイハツ・シャレード926TURBO(926cc)が有る。
現在は、後継車としてダイハツ・ブーン(トヨタ・パッソは共同開発車でありOEMではない)がリリースされており、YRVの1300ターボエンジン「K3-VET」をベースとした、936cc「KJ-VET」ターボエンジン搭載の競技向けベース車「ブーンX4」が2006年3月にリリースされた。
尚、このストーリアX4は、普通のストーリアのカタログには掲載されておらず、専用のA4サイズリーフレット1枚がカタログの代わりに用意されていた。