スリランカの鉄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スリランカの鉄道(-てつどう)では、スリランカ(セイロン島)における鉄道について記す。
[編集] 概要
インドやセイロンを植民地にしていたイギリス(大英帝国)が、1858年に島内におけるコーヒー・紅茶などの農産物輸送を目的に敷設を開始したのが創始である。
その後、山岳地帯や海岸地帯への路線も建設され、2005年現在の総延長は約1500kmとなっている。だがそのうちいくつかの路線は、「タミル・イーラム解放のトラ」などによる国内紛争の影響で運休になっている。かつては軌間762mm(狭軌)の軽便鉄道規格線も存在したが、現在は1676mmの広軌線に統一されている。運営は運輸省の直轄である。
電化区間は存在しないが、複線化区間は主要路線を中心にいくつか存在する。蒸気機関車が全廃された後は、ドイツ・日本・アメリカ・イギリス・ハンガリーなど諸国から輸入されたディーゼル機関車が使用されている。輸送は自動車に押されがちであるが、キャンディー~コロンボ間121kmを2時間半で結ぶ「Intercity Express」(都市間列車)など、速達列車を運行して対抗している。
なお、食堂車(ビュッフェ)は存在するが寝台車はない。また、外国人旅行者が多い地域へ向かう列車には展望車も連結されている。朝夕はコロンボ付近では通勤客輸送で大混雑する。
[編集] 主要路線
- メインライン(Main Line) コロンボ~ポルガハウエラ~キャンディ~バードラ~バッデュラ
- ポルガハウエラ以東は山岳路線であり、速度も余り出せない。しかし風景は絶景のものとされる。
- コーストライン(Coast Line) コロンボ~ゴール~マタラー
- コロンボから南部へ向かう路線。全線約160kmが殆ど海岸沿いに敷設されている。そのため海の景観を1日中楽しめる路線となる。
- プッタラムライン(Putalam Line) コロンボ~プッタラム
- コロンボから真北へ向かう路線。沿線にコロンボ国際空港があり、「Air-port」行きの列車も設定されている。だが本数は日2往復程度しかなく、空港関係者向けの輸送が中心である。
- ノーザンライン(Nothern Line) ポルガハウエラ~アーヌダプラ~メイホー~メダワチャプラ~マンナール~タライマナ
- インドへの航路がでる西海岸都市へ向かう路線。
- ジャフナライン(Jafina Line) メダワチャプラ~ジャフナ
- スリランカ北部のジャフナヘ向かう路線。紛争のため運休中。
- マタレーライン(Matale Line) キャンディ~マタレー
- ケラニバレィーライン(Kelani Line) メイホー~トリンコマリー・ポロンナルワ
- スリランカ東海岸地区へ向かう路線。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 鉄道関連のスタブ項目 | 各国の鉄道 | スリランカの交通