スコダ戦車

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スコダ戦車（すこだせんしゃ）とはチェコスロバキアのシュコダ社（Škoda）が製造した戦車である。チェコスロバキア軍にて使用されていたが、ドイツに併合された際にその多くがドイツ陸軍に接収された。接収されたスコダ戦車はチェコスロバキア製であることを示すため、LTvz.35は型式番号に(t)を付けて35(t)と表記された。同様にライバルメーカーであるCKD社のLTvz.38は38(t)と命名された。これらはまとめてドイツ軍では「チェコ戦車」と呼ばれた。なお、日本の古い資料では38(t)をスコダ社製と間違えていることが多く、また使用しているエンジンのメーカー名の「プラガ」（PRAGAと綴るが、チェコの首都名と同じく"プラハ"であるはずだが日本の書籍では皆プラガ社と書かれる）を商品名とするプラモデルまであるが、これもまた正確ではない。チェコ製の軽戦車は当時としては優れた設計であり、戦車の絶対数が少なくT-34のような強力な火砲を備えた敵戦車が現れていなかった第二次世界大戦初期のドイツ軍において活躍した。

35(t)戦車のバリエーションとしては指揮戦車型、またドイツの同盟国ルーマニアではソ連製76.2mm野砲をオープントップ式に搭載したTACAM R-2がある。

スコダ戦車は生産性に優れ、またそのトランスミッションの操作性は高かったが、圧搾空気を利用したそれは厳冬の東部戦線でトラブルの原因となった。1941年の冬に消耗した本車は第一線を退き、一部は装甲砲兵用トラクターに改造されたが、戦車型の同盟国での第一線使用は続いていた。（『スコダ戦車』に関するこの項目での記事はここで終わり。以下の記事は38(t)系をスコダ社製と思い込んだ人たちによって書かれ、本項目にふさわしくないのだが、削除すると戦車に関する知識が無い人が荒らしと勘違いするようで、やむを得ず最低限の修正を加えるのみとする。）

一方、CKD社製の38(t)は戦中盤以降、主砲の47.7口径37mm戦車砲がソ連戦車に対応できなくなっても、第二の人生が待っていた。

ソ連戦車の圧倒的物量の前に大量の対戦車兵器を欲したドイツ軍は38(t)のシャーシ（車台）に強力な砲を乗せ、対戦車自走砲として運用した。この兵器はマルダーⅢと呼ばれ、捕獲したソ連製76.2mm野砲を自国の75mm砲弾を使えるPak39(r)に改修したものや、75㎜対戦車砲Pak40をオープントップ式に搭載していた。

大戦後期には38(t)の発展型の足回り（38(t)の物より微妙にサイズが大きい）を用い、戦闘室周囲をすべて装甲で覆い、75㎜対戦車砲を搭載した駆逐戦車も作られた。この兵器はヘッツァーと呼ばれた。

また対空戦車としては20㎜対空機関砲を搭載した38(t)対空戦車が作られた。（因みにロシアのアランホビー社のプラモデルではゲパルトという商品名だが、これはメーカーが勝手に命名したもので、実際にはそう呼ばれていない。）20mm・Flak38機関砲一門では威力不足で、それほど活躍はしなかった。

その他、自走砲としては150㎜重歩兵砲をオープントップ式に搭載したグリーレがある。

このように、チェコ戦車には多くのバリエーションが存在する。非常に使い勝手がよかったのだろう。欠点を挙げるなら、装甲の接合にリベットを使用していたことだろう。開発当時、まだ溶接技術が未熟だったことが原因だが、もしリベットの頭に弾丸が当たると、残りの部分がすさまじい勢いで車内を飛び回り、乗員を死傷させる危険性があった。またティーガー戦車のエース、オットー・カリウスの回想記によると、装甲材質も当時のドイツ戦車より劣っていたとのことである。