ジョン・クーリッジ・アダムズ
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ジョン・クーリッジ・アダムズ(John Coolidge Adams 1947年2月15日 - )はアメリカ合衆国の作曲家。「ミニマリズム音楽」の元祖である。
目次 |
[編集] 経歴
マサチューセッツ州ウースターの出身。1971年にハーヴァード大学を卒業。カリフォルニア州に移って10年間サンフランシスコ音楽院で教鞭と指揮棒を執る。その革新的な演奏会によって、サンフランシスコ交響楽団の、まずは音楽顧問(現代音楽部門)に、次いで1979年から1985年まで常勤作曲家に選ばれる。その間に《ハルモニウム》や《和声学》といった成功作によって、作曲家として名を挙げた。ニュー・アルビオンやECMといったレーベルによる録音に相次いで、1986年にはノンサッチ・レコーズと契約し、その関係はこんにちまで続いている。1999年にノンサッチ・レコーズは、評論家から評価の高い10枚のCDをボックスセットに収めた「ジョン・アダムズ・イアーボックスThe John Adams Earbox 」を発売している。
[編集] 主要作品集
- (1973年) アメリカン・スタンダードAmerican Standard
- (1973年) Ktaadn
- (1977年) 中国の門China Gates
- (1977年) フリギアの門Phrygian Gates
- (1978年/1983年) シェイカー・ループスShaker Loops
- (1980年) ハルモニウムHarmonium
- (1983年) 水上の光Light Over Water
- (1984年) 和声学Harmonielehre
- (1985年) 歌劇《中国のニクソン》Nixon in China
- (1985年) 舞台音楽《委員長は踊る》The Chairman Dances
- (1985年) ダンス音楽《委員長は踊る》The Chairman Dances
- (1985年) 彼方からのラッパTromba Lontana
- (1986年) 高速機械で早乗りShort Ride in a Fast Machine
- (1988年) 恐怖のシンメトリー Fearful Symmetries
- (1991年) エル・ドラドEl Dorado
- (1991年) 歌劇《クリングホファーの死》The Death of Klinghoffer
- (1992年) 室内交響曲Chamber Symphony
- (1993年) ヴァイオリン協奏曲Violin Concerto
- (1995年) ロード・ムービーRoad Movies
- (1995年) 舞台音楽《天井を見つめていたら空が見えた》I Was Looking at the Ceiling and Then I Saw the Sky
- (2000年) エルニーニョ El Niño
- (2002年) 輪廻転生論On the Transmigration of Souls
- (2003年) 親父の知ってるチャールズ・アイヴズMy Father Knew Charles Ives
- (2005年) 舞台音楽《原爆博士》Doctor Atomic
- より詳しい一覧は英語版を見よ。
[編集] 音楽
当初は、グラスやライク、ライリーのようなミニマリストとして知られていたが、成熟期の作品においては、ミニマリズム音楽のリズムのエネルギーを、極端に色彩的な和声のパレットと想像力豊かな管弦楽法に結び付けており、後期ロマン派音楽の強い影響が歴然としている。
アダムズは同時に、20世紀音楽――「ポピュラー音楽」と「クラシック音楽」の両方――の音楽語法を幅広く参照するようになり、歌劇や、気の利いた管弦楽曲《恐怖のシンメトリー》は、ストラヴィンスキーやオネゲルと、ビッグバンドのスウィングが折衷されているが、近作の《親父が知ってたチャールズ・アイヴズ》は、驚くほどの独創性を発揮している。
似たような雰囲気にあるのが、1993年1月に初演された《15の楽器のための室内交響曲》であり、これはシェーンベルクの技巧がかった表現主義を、アニメのサウンドトラックの躁状態に溶け込ませている。《室内交響曲》はたいへん成功し、40以上のアンサンブルによって演奏され(あるいは演奏が計画され)てきた。この作品によってアダムズは、1994年度ロイヤル・フィルハーモニー協会室内楽部門最優秀賞を授与された。
ジョン・アダムズの作品のうち、最も有名で最も広く言及される作品は、歌劇《中国のニクソン》である。これはヒューストン大歌劇場により1987年に初演され、1989年にグラミー賞現代音楽部門最優秀作品に輝いた。この作品では、ピーター・セラーズの監督とアリス・グッドマンの台本、マーク・モリスの振付けにより、現代史の場面をオペラハウスへ鮮やかに移し替え、ポストモダンの舞台音楽のあらゆるジャンルの草分けとなった。セラーズ自身の演出は、ニューヨーク、ワシントンD.C.、アムステルダム、エジンバラ、ロサンジェルス、パリ、アデレード、フランクフルトで舞台化された。新しい演出は、ヘルシンキ(芬語上演)とビーレフェルト(独語上演)において制作され、演奏会形式での上演は、近年ロンドンやタリンにおいて行われた。
2作めの歌劇《クリングホファーの死》は、再びセラーズ、グッドマン、モリスの協力を得た作品で、ブリュッセル歌劇場において1991年に初演された。ニューズウィーク誌の評論家カトリン・エイムズによって「人の心を掻き立てる作品」と評価されたこの作品は、リヨン、ウィーン、ニューヨーク、サンフランシスコで上演され、英国初演はBBC交響楽団によって2002年1月作曲家週間のアダムズ特集において行われた。次の舞台作品は、ピーター・セラーズと台本作家ジューン・ジョーダンとの共作、ソング劇《天井を見てたら空が見えた》である。7人の歌手と、舞台上の8人の器楽奏者のために作曲されている。初演は1995年5月にバークリーで行われ、欧米の各地で上演された。最新のオペラ《原爆博士》もセラーズとの共作で、2005年10月1日に初演された。「原爆博士」とは、ひとえにロバート・オッペンハイマーのことであり、演技は原爆の最初の実験が中心とされている。
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アメリカ同時多発テロ事件の犠牲者を慰霊するための合唱曲《輪廻転生論On the Transmigration of Souls 》は、2003年にピュリッツァー賞音楽部門を獲得した。ロリン・マゼール指揮によるその初録音は、2005年度グラミー賞の3部門に入賞した。
2003年6月にBBC交響楽団提携芸術家に選ばれた。2004年11月23日にブリティッシュ・アカデミーよりロンドンのバービカンにおいて特別評議員に任命され、その後の音楽界では作曲者自身の指揮により、BBC交響楽団が《ハルモニウム》ほかの作品を演奏した。
[編集] 関連サイト
- John Adams official site (earbox.com)
- Boosey & Hawkes - John Adams biography and works
- G. Schirmer - John Adams biography and further reading
- NewMusicBox: John Adams in conversation with Frank J. Oteri, 2000
- Epitonic.com - John Adams featuring tracks from Shaker Loops
- Doctor Atomic website for the new opera
- Art of the States: John Adams
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