シド・ミード
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シド・ミード(Sydney,Jay Mead, 1933年7月18日 - )はアメリカの工業デザイナー。
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[編集] 概要
フォードでカーデザインをスタートに、数多くの企業のデザインコンサルタントを担当し1970年に独立。
初の画集『センチネル』(1979)を見た映画監督のリドリー・スコットが、映画『ブレードランナー』の「ビジュアル・フューチャリスト」として起用したことで、一躍有名になる。この作品以降、彼に影響を受けなかったSF作品が少ないほど、シド・ミードは未来デザインにおいて教祖的存在となった。ハリウッド映画作品の中でも特にSciFiジャンルの「ハードウエア・デザイナー」の第一人者である。 アカデミーやデザイナー組織には属していないため、参加する映画ごとにその肩書きは 「ビジュアル・フュ-チャリスト」「コンセプチュアル・アーティスト」「フューチャー・デザイン」等、さまざま。 1983年には東京と大阪、1985年に東京で催された個展が大きなきっかけとなり、それ以降、 ポスターアート、商業施設、テーマパークなどを数多く手掛け、1987年以降、アジアの中でも特に日本は彼にとって重要なマーケットとなった。 テレビCMでは、川崎製鉄の『鉄からさらに』でイラストが起用。 続くソニーの『ヒットビット』(シリーズ2種)ではアニメーションスタッフルーム制作により、 イラストをセットに立体化したビジュアルを展開。このCMのデザインコンセプトやデザインワークスはアートミックが手がけた。
特に日本のゲーム用デザインにも起用され、アニメーション作品では『YAMATO2520』の18代ヤマトを中心にハードウェアデザインを、『∀ガンダム』では主要なモビルスーツのデザインを担当。過去に例がないスケールと表現力は機能的なアイディアが70%、ファンタジー要素を30%という彼独特のアプローチによるもの。結果、工業デザインの思想を加味したプロダクトデザインが生み出された。そのためアニメファンからは否定的に見られる傾向があったが、それらはファンがそれまで慣れ親しんできた玩具としての商品展開を中心に据えた日本的メカニカルデザインとは一線を画していたデザインから来る違和感のためである。『∀ガンダム』放映以降は富野由悠希の機能的かつファンタスティックな外観を活用した演出から再認識され肯定的に受け取られるようになった。またガンダム関係では、『機動戦士Zガンダム』の本放送時に数点のイラストを提供。前半の主役メカ・ガンダムMk-IIを単独で描いたものはメインスポンサーであるバンダイが玩具店等へ配布する番宣用ポスターに使用した。
[編集] 映画
- スタートレック - Star Trek-The Motion Picture (1979年、監督:ロバート・ワイズ)
- トロン - Tron (1982年、監督:スティーブン・リズバーガー)
- ブレードランナー - Blade Runner (1982年、監督:リドリー・スコット)
- Deal Of The Century (1982年、監督:ウィリアム・フリードキン)
- Gセイバー (1982年、原作:富野由悠季)
- 2010年 - 2010 (1984年、監督:ピーター・ハイアムズ)
- Grid (1983年)
- エイリアン2 - Aliens (1985年、監督:ジェームズ・キャメロン)
- ショート・サーキット - Short Circuit (1985年、監督:ジョン・バダム)
- Princess Of Mars (1985年、監督:ジョン・バダム)
- Cyberforce (1986年、監督:ピーター・ワッグ)
- Escort (1986年、監督:アーノン・ミルション)
- Isobar (1988年、監督:リドリー・スコット)
- クライシス2050 - Crisis 2050 (1988年、監督:リチャード・サラフィアン)
- ストレンジ・デイズ/1999年12月31日 - Starange Days (1995年、監督:キャサリン・ビグロー)
- タイムコップ - Timecop (1994年、監督:ピーター・ハイアムズ)
- Forbidden Planet (1993年、監督:ジョン・バダム)※リメイク
- Sandblast (1994年、監督:デビッド・カーソン)
- Be Littled (1996年、監督:ピーター・ハイアムズ)
- ミッション・トゥ・マーズ - Mission To Mars (1997年、監督:ブライアン・デ・パルマ)
- サウンド・オブ・サンダー - A Sound Of Thunder (2004年、監督:ピーター・ハイアムズ)
- アイランド - The Island (2005年、監督: マイケル・ベイ)
- ステルス - Stealth (2005年、プレプロダクションのみ一部参加)
- M:i:III - Mission Impossoble III (2006年、監督:J・J・エイブラムス)
[編集] アニメ
- ∀ガンダム(スモー、∀ガンダム、ターンX、フラット、ウォドム、モビル・リブ)
- FUTURAMA(シンプソンズ スピンオフ(宇宙船))
- YAMATO2520(18代ヤマト、戦艦、護衛艦、都市)
[編集] ゲーム
メガCD版の発売も予定されていたが、結局リリースされなかった。余談だが、本作品の為にミード自身が描き下ろしたイラストの数点が開発/販売元であるライトスタッフの倉庫で半ば打ち棄てられるように保管されていたという話がある。その後ライトスタッフは倒産しているが、そのイラストがどうなったのかは不明。
[編集] 書籍リスト
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- Celanease Celcon
- Rationale
- United States Steel社刊
- Fashion In Steel
- Concepts
- Innovations
- Projections
- Perspective(上記4冊は企業カタログ)
- Interface(2種)(リーフレット型企業カタログ)
- Dragon Dreams社刊
- Steel Couture Syd Mead Futurist "SENTINEL"(スケッチ/画集)
- ツルモトルーム刊
- Future Car Design(ラフォーレ原宿「未来のカーデザイン展」図録)
- ※実は下記の「Studio Image」とまったく同じフォーマットで黒表紙
- Oblagon社刊
- Studio Image ONE,TWO & Three(スケッチ/画集)
- ※実は上記の「未来のカーデザイン展」とまったく同じフォーマットのRGB表紙
- Oblagon社刊
- OBLAGON カレンダー(1987/1990/1991/1992/1993の5種)
- 講談社刊
- OBLAGON(スケッチ/画集)
- Sentinel2(画集)
- Mead Gundam(スケッチ集)
- SYD MEAD TECHNO FANTASY ART(西武アートフォーラム「テクノファンタジー展」図録)
- カーグラフィック別冊 「Future Concepts SYD MEAD」(スケッチ/画集)
- バンダイ刊
- Kronolog = Kronovecta(スケッチ集)+Kronovid(レーザーディスク)+Kronoteco(画集)
- Kronolog2(CDROMアーカイブ)
- 「ヤマト2520 オリジナルサウンドトラック-1」初回限定版(スケッチ/画集)
- 角川書店刊
- Syd Mead's Sentury(画集)
(以下は部分掲載/特集記事 他)
- Automobile Quarterly 特集記事で3冊
- The Art Of Tron(スケッチ/画集)
- The Official Art Of 2010(スケッチ集)
- ツルモトルーム刊 スターログ No.54 / No.56 シド・ミード特集
- カーグラフィック 特集記事で4冊 (イラスト/スケッチ)
- Blue Dolphin社刊 Blade Runner Sketchbook(スケッチ集)
- バンダイ刊 Cinefex 「ブレードランナー」(SFX/メイキング)
- ドン・シェイ著「Blade Runner Inside Story」(Cinefex版と同じモノ)
- バンダイ刊 Cinefex 「2010年」(SFX/メイキング)
- ソニーマガジン刊「Making Of Blade Runner」
- 愛・地球博 「オフィシャル・アート・オブ・グランオデッセイ」