クロワッサン
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クロワッサン(仏語 Croissant)は、フランス語で三日月を意味するが、三日月形に作るフランスのパンの名として良く知られている。バターを多く使っており、サクサクした食感と甘みが特徴的である。
なお、 「クロワッサン」 のフランス語の原音は【クヮソン】というカタカナ表記に近い。
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[編集] 概要
クロワッサンは生地にバターをはさんで何度も折りたたむことで、独特のサクサクした食感を生み出す。チョコレートやアーモンドを焼き上げる前に練りこむこともあり、チョコレートを包んだクロワッサンはパン・オ・ショコラ(pain au chocolat)と呼ばれる。プロセスチーズやウィンナーソーセージなどを包んで焼き上げられることもある。そのまま食べることが多いが、切り込みを入れてサンドイッチにも使用される。
独特の食感を出すには生地の出来が重要で、うまく作るのにはある程度のコツと手間がかかるため、これを省きながらも家庭で焼きたてのものが食べられるように冷凍の生地が販売されている。また、ベーカリーやレストラン向けの業務用のものもある。
[編集] 歴史
1683年にトルコ軍の包囲を打ち破ったウィーンで、トルコの国旗の三日月になぞらえたパン、クロワッサンを焼き上げたという伝承があるが、これは事実に反する。Oxford Companion to Foodの編集者の1人であったアラン・デイヴィッドソンによると、20世紀初頭のフランスの料理本にクロワッサンの調理法が現れる以前のレシピは一切現存していないということである。この伝承が広まったのは1938年にLarousse Gastronomiqueの初版本を出版したアルフレッド・ゴットシャルクによるところが大きいという。この本の中ではこの伝承に加え、1686年にブダペストがトルコ軍に包囲された時に作られたのではないかという伝承を紹介している。カプチーノの語源についても同じような伝承がある。
ちなみにフランスに伝えられたのは、マリー・アントワネットがオーストリアから嫁いだ時であるという伝説もある。
[編集] 名称
フランス語の三日月が語源であるが、日本語で「三日月パン」と呼ばれる場合もある。
中国語ではヒツジの角の形のパンという意味の「羊角麵包 ヤンジャオミエンバオ」と呼ぶのが普通で、香港の広東語ではウシの角の形のパンという意味の「牛角包 アウコッバーウ」と呼ばれる。