キッス
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キッス(KISS)は、ニューヨーク出身のハードロック/ヘヴィメタルバンド。 1970年代中期を代表するアメリカンヘヴィメタルバンドとして知られている。 ヴィジュアル系バンドの原点の一つとも言われる。
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[編集] 特徴
- デビュー当時からメンバー全員が奇抜なメイクをしていることで有名だった。特に日本の初期のヘヴィメタルファッションに多大な影響を与えており、キッスがなければ聖飢魔IIや、X JAPAN以降のヴィジュアル系バンドは存在しなかったとも言われる。
- ジーンは自伝『Kiss And Make-Up』において、メイクが歌舞伎から発想を得ている事を否定している。(70年代の日本の雑誌のインタビューでは歌舞伎の影響があったことを話している)
- 邦題によく「地獄」と付く事でも有名だが、これは2ndアルバム「Hotter Than Hell」に最初から「地獄のさけび」という日本語のタイトルが付けられていたから。当時彼らのアルバムは日本未発売だったので、このタイトルは日本のレコード会社が勝手につけたいわゆる「邦題」ではなく、れっきとした原題である。お陰で、後に初期の数タイトルが纏めて日本で発売された際に「地獄」とは何の関係もない原題のアルバムにまで「地獄の~」という邦題が付けられることになってしまうのである。
- 代表曲「デトロイト・ロック・シティ」に象徴されるように特にデトロイトで絶大な人気を持つが、バンド自体はニューヨークで結成されており、デトロイト出身ではない。
[編集] 略歴
ニューヨークでWICKED LESTERというバンドで活動していたジーン・シモンズとポール・スタンレーの二人が、より優れたバンド結成に向けてメンバー募集の広告を出したことにより、ピーター・クリスとエース・フレーリーが加入して結成された。最初は"Fuck"というバンド名を考えていたらしいが、流石にそれは止めたようだ。
結成当時、他のバンドとの差別化を図るためにメンバー全員でメイクをして素顔を隠した。音の大きさとメイクによって当初の人気は奮わなかったが、ライヴで徐々に力をつけ始め、ライヴアルバム「アライヴ」が全米チャート9位に入るヒットを記録し、一躍人気バンドとなる。特に日本においては70年代後半を代表するバンドとしてエアロスミス、クイーンと共に「ミュージック・ライフ」誌などで特集が組まれ大人気を獲得した。
1980年頃からドラムのピーターやリードギターのエースとの人間関係に亀裂が生じ始め、二人が脱退。バンドは新たにヴィニー・ヴィンセント(リードギター)、エリック・カー(ドラム)を加入させる。この新ラインナップで製作した「地獄の回想」の頃から、心機一転を計るためにメイクを止め素顔を初めてさらした。 しかし、アルバム1枚でヴィニーは人間関係のもつれからバンドを離れる。バンドは急遽マーク・セント・ジョンを加入させ「アニマライズ」を完成させるが、ツアー中にマークは病気にかかりギターを弾くことが出来なくなったため、やむなく脱退。ブルース・キューリックを加入させ、再び上昇気流に乗り始めるが、ドラムのエリック・カーが1991年11月に悪性腫瘍を伴う脳出血で他界してしまう。この悲劇を乗り越えエリック・シンガーを新しいドラムとして加入させる。
95年に「MTVアンプラグド」で元メンバーのエースとピーターを含めたラインナップでライヴ演奏を行ったことにより、オリジナルメンバーでの再結成が実現。その後、メイクを施して行ったリユニオン・ツアーは大成功を収めた。
89年頃から、裏方やツアーマネージャーとして働いていた、元Black ‘N Blueのトミー・セイヤーが、2002年からエースの代役として出演したのをきっかけにして、連続してスペース・マンとしてステージに立っている。
オリジナル・メンバーは
- ポール・スタンレー (Paul Stanley as star child) - リズムギター/ボーカル
- ジーン・シモンズ (Gene Simmons as demon), ベース/ボーカル
- エース・フレーリー (Ace Frehley as space-ace), リードギター/ボーカル
- ピーター・クリス (Peter Criss as catman),ドラムス /ボーカル
の4人。
現在はポール、ジーン、トミー、エリック・シンガーの4人で活動している。ただし、「契約上のキッス」はジーンとポールの二人だけである。
ちなみに、キヤノンのカメラ「EOS Kiss Digital」の2005年~2006年のCMで、西洋人の女の子4人が顔にKISSのペイントをして「ラヴィン・ユー・ベイビー(I Was Made for Lovin' You)」を歌うというものが放送されていた。ファンの間でも話題となり、懐かしむ声も多く聞かれる。
[編集] バイオグラフィー
[編集] ディスコグラフィー
- 1974年 「地獄からの使者~キッス・ファースト」Kiss
- 1974年 「地獄の叫び」Hotter than Hell
- 1975年 「地獄への接吻」Dressed to Kill
- 1975年 「アライヴ~地獄の狂獣」Alive!
- 1976年 「地獄の軍団」Destroyer
- 1976年 「地獄のロック・ファイヤー」Rock and Roll Over
- 1977年 「ラヴ・ガン」Love Gun
- 1977年 「アライヴ2」Alive II
- 1978年 「ダブル・プラチナム」Double Platinum
- 1979年 「地獄からの脱出」Dynasty
- 1980年 「仮面の正体(アンマスクド)」Unmasked
- 1981年 「エルダー~魔界大決戦」Music From“The Elder”
- 1982年 「キッス・キラーズ」KISS Killers
- 1982年「暗黒の神話」Creatures Of The Night
- 1983年 「地獄の回想」Lick It Up
- 1984年 「アニマライズ」Animalize
- 1985年 「アサイラム」Asylum
- 1987年 「クレイジー・ナイト」Crazy Nights
- 1988年 「CHIKARA(パワー)」Chikara
- 1988年 「グレイテスト・キッス」Smashes, Thrashes & Hits
- 1989年 「ホット・イン・ザ・シェイド」Hot In The Shade
- 1992年 「リヴェンジ」Revenge
- 1993年 「アライヴ3」ALIVE III
- 1995年 「MTVアンプラグド~地獄の再会」Unplugged
- 1996年 「ベスト・オブ・ザ・ベスト~KISSアライヴ」You Wanted The Best,You Got The Best
- 1996年 「グレイテストKISS~リマスター・グレイテスト・ヒッツ」Greatest KISS
- 1997年 「カーニヴァル・オブ・ソウルズ」Carnival Of Souls
- 1998年 「サイコ・サーカス」Psycho Circus
- 2003年 「アライヴ4」 ALIVE Ⅳ
- 2004年 「キッスゴールド1974-1982スーパー・ショック・プライス」
[編集] 関連項目
- 聖飢魔II
- YOSHIKI
- hide
- 若杉公徳の漫画作品「デトロイト・メタル・シティ」