カナリア諸島
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州都 | ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアおよびサンタ・クルス・デ・テネリフェ | ||||
面積 – 総面積 – 割合 |
第13位 7,447km² 1.5% |
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人口 – 総人口(2005) – 割合 – 人口密度 |
第8位 1,968,280人 4.5% 264.31人/km² |
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住人の呼称 – 英語 – スペイン語 |
Canary Islander (Canarian) canario/a |
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自治州化 | 1982年8月16日 | ||||
ISO 3166-2 | ES-CN | ||||
議席割当 – 下院 – 上院 |
15 13 |
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州知事 | アダン・マルティン・メニス(カナリア諸島連合) | ||||
公式サイト |
カナリア諸島またはカナリアス諸島(スペイン語:Canarias / Islas Canarias)は、アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にある、火山の噴火によって生まれた7つの島からなる群島である。大陸から最も近い島で、沿岸から108kmの所にある。スペインを構成する自治州の一つとなっている。
目次 |
[編集] 地理
7つの島と政庁所在地は次のとおり。
- グラン・カナリア島 - ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア
- テネリフェ島 - サンタ・クルス・デ・テネリフェ
- ランサローテ島 - アレシフェ
- ラ・パルマ島 - サンタ・クルス
- ラ・ゴメラ - サン・セバスチャン
- エル・イエロ島 - バルベルデ
- フェルテベントゥラ島 - プエルト・デル・ロサリオ
カナリア諸島の他に、カーボベルデ、マデイラ諸島、アゾレス諸島なども含めたこの地域をマカロネシアと呼ぶ。地理的に大陸から隔絶された洋島であり、ヨーロッパ大陸全土やアフリカ北端を覆った氷河の影響を受けなかったため、固有の生物種が多く、環境保全上非常に重要な地域とされている。
テネリフェ島にあるテイデ火山がスペインで最も高い山である。
島の気候は、貿易風の影響により、湿気があるか乾燥しているかのどちらかである。
原生種であるドラゴの木(ドラカエナ・ドラコ)や照葉樹林をさすラウリシルバなど複数の生物種、自然環境が保護されている。ゴメラ島島頂部ガラホナイ国立公園に分布しているラウリシルバは世界遺産に登録されている。
[編集] 国立公園
スペインに13ある国立公園の内の4つがカナリア諸島にある。
- デ・ラ・カルデラ・デ・タブリエンテ国立公園 - ラ・パルマ島
- ガラホナイ国立公園 - ラ・ゴメラ島
- デル・テイデ国立公園 - テネリフェ島
- ティマンファヤ国立公園 - ランサローテ島
[編集] 行政区分
カナリア諸島自治州は、ラス・パルマス県とサンタ・クルス・デ・テネリフェ県の2つで構成される。 ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアとサンタ・クルス・デ・テネリフェの2つの都市が共同州都となっている。 それぞれの島にcabildo insular(島の集会)と呼ばれる行政組織がある。
[編集] 歴史
カナリア諸島は、ギリシャ神話に登場した、黄金のリンゴがあるというヘスペリデス島のモデルだと考えられている。 また、古代ローマの学者大プリニウスが、島に多くの野犬がうろついていることを最初に伝えたため、ラテン語で犬を意味するcanisがカナリア諸島(Canaria)の名前の由来となった。
カナリアという鳥の名前もこの諸島にちなんで名付けられた。
最初はアラブ人やノルマン人、ポルトガル人などが領有していたが、 15世紀末に、おそらく原住民であったベルベル人とともにカスティーリャ王国が征服している。 彼らはグアンチェス(guanches)と呼ばれ、のちに家系の断絶や移住者の流入によって人数は減少した。
[編集] 経済
経済基盤は、主に観光と熱帯農業で収穫したバナナやタバコの輸出(ヨーロッパ、アメリカ)である。年間約1000万人の観光客が訪れるが、環境学者は特に乾燥した島の自然環境への影響を懸念している。
高い山々と澄んだ空があるので望遠鏡の設置にもふさわしい場所であり、 ラ・パルマ島のロク・デ・ロス・ムチャチョス山にはラ・パルマ(グランテカン)天文台がある。
カナリア諸島自治州は、EUの関税の範囲外である。 ISO 3166-1 alpha-2コードとしてICが予約されているが、 現在スペインと同じ国別コードトップレベルドメインとなっている。
カナリア諸島の標準時間はUTCで、スペイン本土より1時間遅く、リスボンやロンドンと同じ時間帯である。サマータイム制をとっている。
[編集] カナリア諸島に関連する歌
[編集] 関連項目
- グイマーのピラミッド
- テネリフェの悲劇 - テネリフェ島で発生した世界最多の死者(2006年現在)を出した航空事故