エジプト神話
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エジプト神話は、キリスト教とイスラム教が広まる以前にエジプト(古代エジプト)の人々によって信仰されてきた神々の体系、宗教を指す。ただし、古代エジプト人の信仰は、おおよそ3000年にわたった長い期間に、またその間に何度も変容を繰り返してきたので、一つの記事(それどころか、ある本をまるごと一冊)使っても、概要以上を示すことはできないのが実情である。一般にはヘリオポリスで信仰されていたヘリオポリス神話をもとにして語られることが多い。
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[編集] ヘリオポリス九柱神
ヘリオポリスの神々、すなわち九柱…いわば神々の「元老院」であるメンバーの中身は、ラー、シュウ、テフネト、ゲブ、ヌト、トト、ネフティス、セト、大ホルス(ハロエリス)。
[編集] 神々
- アテン (Aten)
- アヌビス (Anubis)
- アーマーン (Ammut)
- アポピス(Apep,Apophis)
- アメン(Ament)
- イシス (Isis)
- オシリス (Osiris)
- カー(Ka)
- ゲブ (Geb)
- ケプリ(Khepri)
- セト (Set)
- セベク (Sobek)
- トート (Thoth)
- ネフティス (Nephthys)
- バステト (Bastet)
- ハトホル (Hathor)
- バビ (Babi):人の内臓に住んでいる邪神
- ホルス (Horus)
- マァト(Ma'at)
- マフデト (Mafdet)
- マヘス (Maahes)
- メレトセゲル (Meretseger):コブラの女神
- ラー (Ra)
- レシェフ(?)(Resheph)
- コンス (Chons)
- ミン (Min)
(Adim)
- アケル(Aker)
- アク(Akh)
- アマサウンタ(Amathaunta)
- アンジェティ(Andjety)
- (Anget)
- アンクト(Ankt)
- アンティ(Anti)
- (Ap-uat)
- アス(As)
- バー(Ba)
- (Ba-Pef)
- ベス(Bes)
- ブト(Buto)
- チェム(Chem)
- (Chensit)
- (Chenti-cheti)
- クヌム(Chnum)
- デドゥン(Dedun)
- (Djebauti)
- ドゥア(Dua)
- ドゥアムテフ(Duamutef)
- ハピ(Hapi)
- ハラクティ(Harakhti)
- ハトメヒト(Hatmehit)
- ヘデテト(Hedetet)
- (Heget)
- ヘフ(Heh)
- ヘメン(Hemen)
- ヘムスト(Hemsut)
- ヘサト(Hesat)
- (Heron)
- ヘテペト(Hetepet)
- ヘズ・ウル(Hez-ur)
- (Hike)
- イフ(Ihu)
- イミウト(Imiut)
- (Immutef)
- イムセト(Imset)
- (Isten)
- (Juesaes)
- (Junit)
- ケムウェル(Kemwer)
- ケム(Khem)
- (Khentimentiu)
- キス(Kis)
- メンデス(Mendes)
- メンヒト(Menhit)
- メントゥ(Menthu)
- メレト(Meret)
- ムネウェル(Mnewer)
- (Nebtuu)
- (Nechmetawaj)
- (Neferhor)
- ネヌン(Nenun)
- ネペル(Neper)
- ヌネト(Nunet)
- パチェト(Pachet)
- ペトベ(Petbe)
- (Petesuchos)
- ケテシュ(Qetesh)
- (Rat-taui)
- レネネト(Renenet)
- レンペト(Renpet)
- レレト(Reret)
- ルティ(Ruti)
- サア(Saa)
- セクメト(Sachmet)
- (Sai)
- セチャト・ホル(Sechat-Hor)
- セド(Sed)
- センタイト(Sentait)
- セパ(Sepa)
- セプトゥ(Septu)
- セスム(Sesmu)
- シャイ(Shai)
- シャイト(Shait)
- (Somtus)
- ソプデト(Sopdet)
- タオウリス(Taouris)
- タウルト(Taurt)
- (Tenenit)
- トエリス(Toeris)
- ウネグ(Uneg)
- ウヌト(Unut)
- (Urthekau)
- (Wosyet)
- (Zenenet)
注:この一覧は英語版からの移植である。
[編集] 信仰
[編集] 神殿
エジプトでは各地に神殿が建てられて神々が崇拝されていた。神々の序列は地方によって異なり、ヘリオポリスにおいてはラー=アトゥムが主神として信仰されていたが、地方によってはプタハなど、別の神を人類創造の主神として崇めていた地域もあった。そのため各地方でそれぞれの地域で信仰する神の社が建造された。ファラオがエジプト神話においては重要な役割を占めておりホルスの跡継ぎと位置づけられていたため、国家によっても多くの神殿が建てられた。その代表格といえるのがアブシンベル神殿である。
[編集] 世界
[編集] 創造
エジプトにおける天地創造はやはり地域差があって一概にいえないが、ヘリオポリス神話においては広い海原からラー(アトゥム)が誕生し、独力で神々と世界を形作っていたとされている。(天地創造)ヘルモポリスでは八位一体の虚無を表す神々(オグドアド)が世界創生の中心的役割を担った。メンフィス周辺ではプタハが天地創造の主導的役割を果たし、彼は言葉と思念によって世界のあらゆるものを作り出したとされる。エレファンティンではクヌムが主神として世界を形作った。クヌムは粘土から人間を作り出した神として知られる。このように、天地創造の神話も地方ごとに異なる。
[編集] 世界観
エジプトにおいて天はヌトという女神であり、地はゲブという男神であった。両者は夫婦であり、最初は隙間なくくっついていたが、父たるシュウ(湿気)とテフヌト(空気)によって引き離されて現在の姿になったという。ゲブはヌトに少しでも近づこうと山々を作り出したとされる。古代エジプト人にとって地は平面であり、ナイル川によって分断された二つの大地と海によりできていると考えられていた。地の底には冥界があり、ラーは夜ここを通って再び地上に現れるとされた。
[編集] ナイル川
エジプト人の生活においてナイル川は重要な役割を果たした。そのため、神話でも多く登場する舞台の一つとなっている。例えばオシリスがセトに騙されて棺に封じ込められた後、ナイルに流されたという説話がある。ナイル川の洪水は"ヌビアの女主人"であるサテトによって起こされると信じられていた。そのため彼女はエジプトで崇敬の対象となった。ナイル川の増水とシリウスの運行に一定の関連があることが知られており、シリウス(セペデト)も神としての尊敬を受けた。シリウスはイシスの魂と呼ばれており、このようなナイル川への関連性からサテトとセペデトは後に集合されるに至った。
[編集] 死後の世界
エジプト神話において、人間は肉体、バア(云わば魂)、カア(云わば魄)の3つの要素から成り立っていた。人が死ぬとバアは肉体から離れ冥界へ行くが、肉体がそのままであればカアがバアと肉体の仲立ちをして再び此岸に戻ってくることができるとされた。そのため肉体の保存が必要となり、ミイラ作りが盛んに行われた。
[編集] 関連項目
- エジプトの歴史
- 太陽神話